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100%善意で話しているルーシーの言葉を、夏川は難しい表情で聞いていた。
「貴方がゲイなら、私もこんなことは言わないわ。でもあなたには子供が作れるパートナーを選ぶこともできるじゃない。何もそんな男性なんて」
ルーシーの視線が朝霧に向けられる。
朝霧は身の置き所のない気分で、俯いた。
「ルーシー。止めてくれ」
夏川が低い声で呟く。
ルーシーはため息をつくとゆるゆると首を振った。
「ごめんなさい。つい興奮しちゃって。とにかく明日にでももっと色々話しましょう」
「分かった」
「ねえ、リョウ。どうしてもその人じゃなきゃダメだっていうなら、養子っていう選択肢もあるわ」
「そんな……俺は」
動揺した夏川は黙ってしまった。
夏川は何と答えたいのだろうと、とうに席に座っていた朝霧はワイングラスを片手に握りながら、考えていた。
俺は子供なんて欲しくない。か、それともそんな真剣に朝霧との未来を考えてはいない、か。
ネガティブな想像に自分自身傷ついて、朝霧はグラスの中に残っていたワインを飲み干した。
「とにかく電話するわ。それとリョウ。リサのこと一度でいいから本気で考えてみて。あの子、小さい頃から貴方のお嫁さんになりたいってずっと言っていたじゃない。リサとリョウ、私はすごくお似合いだと思うわ」
「あの子は俺にとって妹だよ」
ルーシーは肩を竦めると夏川の頬にもう一度キスをして、去って行った。
「ごめんね。騒がしくして」
夏川は席に着くと、朝霧に謝罪した。
「ううん。久しぶりだったんだろ」
朝霧は感情がそうとう乱れてはいたが、それを顔にだすことは自分のプライドが許さなかった。
これ以上自分がみじめになりたくはなかった。
「コロンビアではルーシーとリサって子といつも三人でいたんだ。ルーシーが俺の2つ上で、リサが俺の2つ下でさ。本当の兄弟みたいに育ったんだ」
「へえ。リョウは最近、コロンビアには帰っていないみたいだけど、むこうにご両親がいるんだろ? 」
口にだして、朝霧はいつか夏川がコロンビアに帰る可能性が十分にあることに思い至り、これ以上痛みようもないと思っていた胸が、更に締めつけられるように痛んだ。
「貴方がゲイなら、私もこんなことは言わないわ。でもあなたには子供が作れるパートナーを選ぶこともできるじゃない。何もそんな男性なんて」
ルーシーの視線が朝霧に向けられる。
朝霧は身の置き所のない気分で、俯いた。
「ルーシー。止めてくれ」
夏川が低い声で呟く。
ルーシーはため息をつくとゆるゆると首を振った。
「ごめんなさい。つい興奮しちゃって。とにかく明日にでももっと色々話しましょう」
「分かった」
「ねえ、リョウ。どうしてもその人じゃなきゃダメだっていうなら、養子っていう選択肢もあるわ」
「そんな……俺は」
動揺した夏川は黙ってしまった。
夏川は何と答えたいのだろうと、とうに席に座っていた朝霧はワイングラスを片手に握りながら、考えていた。
俺は子供なんて欲しくない。か、それともそんな真剣に朝霧との未来を考えてはいない、か。
ネガティブな想像に自分自身傷ついて、朝霧はグラスの中に残っていたワインを飲み干した。
「とにかく電話するわ。それとリョウ。リサのこと一度でいいから本気で考えてみて。あの子、小さい頃から貴方のお嫁さんになりたいってずっと言っていたじゃない。リサとリョウ、私はすごくお似合いだと思うわ」
「あの子は俺にとって妹だよ」
ルーシーは肩を竦めると夏川の頬にもう一度キスをして、去って行った。
「ごめんね。騒がしくして」
夏川は席に着くと、朝霧に謝罪した。
「ううん。久しぶりだったんだろ」
朝霧は感情がそうとう乱れてはいたが、それを顔にだすことは自分のプライドが許さなかった。
これ以上自分がみじめになりたくはなかった。
「コロンビアではルーシーとリサって子といつも三人でいたんだ。ルーシーが俺の2つ上で、リサが俺の2つ下でさ。本当の兄弟みたいに育ったんだ」
「へえ。リョウは最近、コロンビアには帰っていないみたいだけど、むこうにご両親がいるんだろ? 」
口にだして、朝霧はいつか夏川がコロンビアに帰る可能性が十分にあることに思い至り、これ以上痛みようもないと思っていた胸が、更に締めつけられるように痛んだ。
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