44 / 241
44
金曜日。
ようやくミスのリカバリーも完了し、朝霧がスマホを見ると、23時を過ぎたところだった。
フロアには朝霧以外誰も残っていない。
朝霧はリュックを背負うと、エレベーターに向かった。
あのメールを境に、夏川からは連絡が途絶えていた。
朝霧も仕事を頑張れの一言すら返信していない。
今日『やどり木』に行ったところで、夏川は現れないだろう。
もう時間も時間だし、このまま帰宅するか。
そう思いながらも、朝霧は自宅とは反対方向の電車に乗った。
駅でいつも通り着替え、鏡に映ると、あらためて自分の顔色が酷いことに気付いた。
夏川のことが気になって、睡眠どころか、食事すらこの一週間朝霧はまともにとっていなかった。
朝霧は少し緩く感じるスーツを纏うと、重い足取りで『やどり木』に向かった。
分かっていたのに、『やどり木』の扉を開けた瞬間、朝霧は肩を落とした。
カウンターに夏川の姿は見えない。
一瞬、このまま帰ろうかと考えた朝霧にマスターが声をかける。
「いらっしゃい。みっちゃん」
朝霧は反射的にマスターに微笑むと、カウンターに座った。
一応、自分のスマホを確認したが、夏川からは何の連絡もない。
いつものギムレットを口にすると、何も食べていなかった朝霧の胃がしくしくと痛む。
顔を顰めながらも、朝霧は酒を飲むのをやめられず、お代わりまでもらった。
むしろこのまま酔いつぶれて、全てを忘れてしまいたいような気分だった。
「隣、良いですか? 」
隣の席を見ると、既にそこには男が座っていた。
男のがっちりした体つきは、以前ラクビーでもやっていたかに見える。
座った感じで男は朝霧よりもわずかに背が高いと分かった。
「マスター、シャンディガフ」
グラスが置かれ、男がそれを持ち上げる。
「乾杯してもいいですか? 」
朝霧は薄く微笑むと、男のグラスに自分のグラスをあわせた。
ようやくミスのリカバリーも完了し、朝霧がスマホを見ると、23時を過ぎたところだった。
フロアには朝霧以外誰も残っていない。
朝霧はリュックを背負うと、エレベーターに向かった。
あのメールを境に、夏川からは連絡が途絶えていた。
朝霧も仕事を頑張れの一言すら返信していない。
今日『やどり木』に行ったところで、夏川は現れないだろう。
もう時間も時間だし、このまま帰宅するか。
そう思いながらも、朝霧は自宅とは反対方向の電車に乗った。
駅でいつも通り着替え、鏡に映ると、あらためて自分の顔色が酷いことに気付いた。
夏川のことが気になって、睡眠どころか、食事すらこの一週間朝霧はまともにとっていなかった。
朝霧は少し緩く感じるスーツを纏うと、重い足取りで『やどり木』に向かった。
分かっていたのに、『やどり木』の扉を開けた瞬間、朝霧は肩を落とした。
カウンターに夏川の姿は見えない。
一瞬、このまま帰ろうかと考えた朝霧にマスターが声をかける。
「いらっしゃい。みっちゃん」
朝霧は反射的にマスターに微笑むと、カウンターに座った。
一応、自分のスマホを確認したが、夏川からは何の連絡もない。
いつものギムレットを口にすると、何も食べていなかった朝霧の胃がしくしくと痛む。
顔を顰めながらも、朝霧は酒を飲むのをやめられず、お代わりまでもらった。
むしろこのまま酔いつぶれて、全てを忘れてしまいたいような気分だった。
「隣、良いですか? 」
隣の席を見ると、既にそこには男が座っていた。
男のがっちりした体つきは、以前ラクビーでもやっていたかに見える。
座った感じで男は朝霧よりもわずかに背が高いと分かった。
「マスター、シャンディガフ」
グラスが置かれ、男がそれを持ち上げる。
「乾杯してもいいですか? 」
朝霧は薄く微笑むと、男のグラスに自分のグラスをあわせた。
あなたにおすすめの小説
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。