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エレベーターに乗り込むと、乗客は俺たち二人きりだった。
怜雄が最上階のボタンを押すと、俺たちの乗ったガラス張りの箱が音もなく上昇し始め、先ほどまで居たロビーの椅子や花がどんどん小さくなっていく。
「怜雄、そのスーツ初めて見たけど買ったの?」
濃いグレーのスーツに、銀の刺繍の施された黒いネクタイを締めた怜雄を見上げながら聞く。
「ああ、今日のために新調した。」
こともなげに言うが、安くはないスーツだろう。
「なんだ?」
俺がじっと怜雄を見つめているのに気付いて問う。
「何でもない。」
俺は怜雄ってそういうところ女子っぽいよなと思ったが黙っていることにした。
エレベーターがポンっと軽快な音を立てて止まる。
扉が開くと、そこはレストランの入口だった。
入口の前で、オールバックに黒いスーツを着た二人の従業員が「いらっしゃいませ。」と声を合わせる。
俺が雰囲気に圧倒され、びくりと肩を震わせるのも気にせず、怜雄がすたすたと歩いていき、「予約した御剣ですが。」と声をかけた。
「御剣様ですね。お待ちしていました。どうぞ。」
黒い服のボーイさんに案内されたのは、綺麗な夜景が見える窓際の席だった。
俺は夜景に目を奪われながら、引かれた椅子に腰をかける。
「お飲み物はどうなさいますか?」
「祝いの席なので、乾杯のシャンパンを一杯ください。あとは水で結構です。」
怜雄は渡されたワインリストを見もせずにそう言った。
「怜雄、酒飲まないの?」
ボーイが一礼をして去って行き、俺は怜雄に聞いた。
「今日は大切な日だから、酔っぱらったりしたくない。」
そう言う怜雄に、俺は顔がにやけてしまわないよう変な表情になってしまう。それと同時に去年の誕生日、アルバイトを入れてしまったことが改めて申し訳なくなった。
怜雄が最上階のボタンを押すと、俺たちの乗ったガラス張りの箱が音もなく上昇し始め、先ほどまで居たロビーの椅子や花がどんどん小さくなっていく。
「怜雄、そのスーツ初めて見たけど買ったの?」
濃いグレーのスーツに、銀の刺繍の施された黒いネクタイを締めた怜雄を見上げながら聞く。
「ああ、今日のために新調した。」
こともなげに言うが、安くはないスーツだろう。
「なんだ?」
俺がじっと怜雄を見つめているのに気付いて問う。
「何でもない。」
俺は怜雄ってそういうところ女子っぽいよなと思ったが黙っていることにした。
エレベーターがポンっと軽快な音を立てて止まる。
扉が開くと、そこはレストランの入口だった。
入口の前で、オールバックに黒いスーツを着た二人の従業員が「いらっしゃいませ。」と声を合わせる。
俺が雰囲気に圧倒され、びくりと肩を震わせるのも気にせず、怜雄がすたすたと歩いていき、「予約した御剣ですが。」と声をかけた。
「御剣様ですね。お待ちしていました。どうぞ。」
黒い服のボーイさんに案内されたのは、綺麗な夜景が見える窓際の席だった。
俺は夜景に目を奪われながら、引かれた椅子に腰をかける。
「お飲み物はどうなさいますか?」
「祝いの席なので、乾杯のシャンパンを一杯ください。あとは水で結構です。」
怜雄は渡されたワインリストを見もせずにそう言った。
「怜雄、酒飲まないの?」
ボーイが一礼をして去って行き、俺は怜雄に聞いた。
「今日は大切な日だから、酔っぱらったりしたくない。」
そう言う怜雄に、俺は顔がにやけてしまわないよう変な表情になってしまう。それと同時に去年の誕生日、アルバイトを入れてしまったことが改めて申し訳なくなった。
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