277 / 307
210
しおりを挟む
真昼ちゃんを隣に連れて歩くと、道行く男子大学生が何人も振り返った。
怜雄と一緒に居るせいでこういう周りの反応にも慣れたけど、真昼ちゃんは誰が見てもやはり飛びぬけて可愛いんだろう。
怜雄のお母さんも彼女に似ているってことは美人だったんだろうな。
俺がつらつらそんなことを考えていると、真昼ちゃんが言った。
「神崎君って怜雄と仲いいよね。」
怜雄がどこまで俺たちのことを話しているのか分からなかったから俺は「まあ。それなりに。」と当たり障りなく答えた。
「じゃあ怜雄の好きなタイプってどんな子か知ってる?彼女がいないって言うのは本人から聞けたんだけど、好きなタイプとかまではさすがに恥ずかしくって聞けなくて。」
真昼ちゃんが「いきなりごめんね。」と言いながら顔を赤らめた。
怜雄は彼女はいないって真昼ちゃんに言ったのか。
そのことが少しショックだったが、確かに俺は彼女じゃねえしと、気を取り直し言った。
「好きなタイプとかあんまり話さないから良く分かんないや。ごめんね。」
俺の言葉に真昼ちゃんは両手を振った。
「ううん、全然気にしないで。怜雄女子には冷たいって聞くのに、私には優しいから実はちょっと期待しちゃったりしてて…ってごめん。私何言ってるんだろ。」
真昼ちゃんは赤い顔を隠すように自分の顔を両手で包んだ。
「真昼ちゃんは怜雄のことが好きなの?」
俺は静かな声でそう聞いた。
「うん。身の程知らずだって分かってるんだけど。あっ、怜雄には内緒にしてね。自分でちゃんと告りたいから。」
そう言って怜雄とよく似た瞳で、真昼ちゃんが俺を見つめた。
俺は微笑むと、頷いた。
授業の教室に着き、真昼ちゃんは友達と受けるからと俺に手を振り、前の方の席に走って行った。
俺は一番端の、人の少ない席に座ると、リュックを降ろし、教科書を取り出した。
シャーペンをくるくる回しながら考える。
身の程知らずというなら俺の方がずっとそうだ。
真昼ちゃんは可愛いし、第一女性だ。結婚して、子供だって産める…。
俺はそこまで考えて、まわしていたペンを握り締めると、下唇を噛みしめた。
違う。そうじゃない。一番大切なのは俺たちの気持ちだ。
俺が怜雄を好きで、怜雄も俺が好きで。
今まではそうだった。
でも今、怜雄の本当の気持ちが俺はよく分からなかった。
嫌われてはいないと思う。
ただ怜雄が一番大切なのが自分だという確信が、もう俺はもてなかった。
怜雄と一緒に居るせいでこういう周りの反応にも慣れたけど、真昼ちゃんは誰が見てもやはり飛びぬけて可愛いんだろう。
怜雄のお母さんも彼女に似ているってことは美人だったんだろうな。
俺がつらつらそんなことを考えていると、真昼ちゃんが言った。
「神崎君って怜雄と仲いいよね。」
怜雄がどこまで俺たちのことを話しているのか分からなかったから俺は「まあ。それなりに。」と当たり障りなく答えた。
「じゃあ怜雄の好きなタイプってどんな子か知ってる?彼女がいないって言うのは本人から聞けたんだけど、好きなタイプとかまではさすがに恥ずかしくって聞けなくて。」
真昼ちゃんが「いきなりごめんね。」と言いながら顔を赤らめた。
怜雄は彼女はいないって真昼ちゃんに言ったのか。
そのことが少しショックだったが、確かに俺は彼女じゃねえしと、気を取り直し言った。
「好きなタイプとかあんまり話さないから良く分かんないや。ごめんね。」
俺の言葉に真昼ちゃんは両手を振った。
「ううん、全然気にしないで。怜雄女子には冷たいって聞くのに、私には優しいから実はちょっと期待しちゃったりしてて…ってごめん。私何言ってるんだろ。」
真昼ちゃんは赤い顔を隠すように自分の顔を両手で包んだ。
「真昼ちゃんは怜雄のことが好きなの?」
俺は静かな声でそう聞いた。
「うん。身の程知らずだって分かってるんだけど。あっ、怜雄には内緒にしてね。自分でちゃんと告りたいから。」
そう言って怜雄とよく似た瞳で、真昼ちゃんが俺を見つめた。
俺は微笑むと、頷いた。
授業の教室に着き、真昼ちゃんは友達と受けるからと俺に手を振り、前の方の席に走って行った。
俺は一番端の、人の少ない席に座ると、リュックを降ろし、教科書を取り出した。
シャーペンをくるくる回しながら考える。
身の程知らずというなら俺の方がずっとそうだ。
真昼ちゃんは可愛いし、第一女性だ。結婚して、子供だって産める…。
俺はそこまで考えて、まわしていたペンを握り締めると、下唇を噛みしめた。
違う。そうじゃない。一番大切なのは俺たちの気持ちだ。
俺が怜雄を好きで、怜雄も俺が好きで。
今まではそうだった。
でも今、怜雄の本当の気持ちが俺はよく分からなかった。
嫌われてはいないと思う。
ただ怜雄が一番大切なのが自分だという確信が、もう俺はもてなかった。
5
あなたにおすすめの小説
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる