スパダリかそれとも悪魔か

まめ太郎

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 すると目の前に座っていた怜雄が、大粒の涙をこぼしていたから驚いた。

「おい。どうしたんだよ。」
 俺が慌てて近づくと、怜雄が目をつぶって乱暴に自分の頬を伝う涙を擦った。
「いや、すまない。自分のせいだって分かっているんだが辛くて…。優がいない生活なんて考えられなくて…ごめん。すぐこれ止めるから。」
 そう言いながらも、怜雄の目尻には透明な雫があとからあとから浮かんでくる。

 俺はそんな怜雄を見ると、まるで自分が泣いているように胸が痛んで、ああ俺はまだこいつのことがのことがすごく好きなんだなあと実感した。

 俺は微笑むと、自分の指でそっと怜雄の涙を拭った。
 顔を上げた怜雄と目が合う。

「ちゃんと大学の授業は出席すること。忙しくても三食きっちり食べること。酒も飲み過ぎないように。俺はもう気を付けてやれないから、自分でしっかり管理しろよ。」
 そう言う俺の手に、新たな怜雄の涙が落ちる。

「優。俺は本気でお前のことを愛していた。今だってお前のこと愛してるのに…。ちくしょう、なんで上手くいかないんだ。俺はお前のことを愛していて、でも真昼にも幸せになって欲しくて。どちらかしか選べないなら真昼を選ぶと決めたはずなのに、俺は、俺はッ!!」
 怜雄は混乱して、目を瞑ると頭を振った。俺はそんな怜雄の頭を優しく撫でた。

「お前は真昼ちゃんと付き合うって決めたんだろ。なら、これからは俺に愛してるなんて言わないで、真昼ちゃんを大切にしろよ。な?」
 俺の言葉に怜雄が何度も泣きながら頷く。

 たぶんこれが最後の抱擁になると思いながら、俺は自分の腹辺りにある怜雄の頭を抱きしめた。

 怜雄の嗚咽する声がもっと大きくなる。

 俺はようやく一筋、自分の頬に涙が流れたのを感じた。
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