クロスオーバー・ラブ

黒崎由希

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気がついたら、上司と…14

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 女の子とエッチする時、目の前でそんなことしたら引かれるかもしれないけど、と前置きをしつつ、それでも


『若いんだから、気持ちイイコト、たくさんしたいよね』


 と誘う言葉を口にした彼女の囁きに、青い体を律する理性の箍は弾け飛び、何をどうすればソッチでも気持ち良くなれるのかを体感するまで、極めてしまったのだった。


(でも実際に、男とするのは十年以上ぶりだし)


 慣らすくらいは自分でしておかなければ、知識のない斎藤にいきなりぶちこまれ、ケガをしそうで怖い。

 それじゃあ初体験と同じで痛い目ばかり見る、と思った快斗は、まだ戻ってくる気配のない斎藤が消えた方向を見て、ため息をついた。


 …するなら、体を許しても良いと思う人とした方が、快斗の精神的負担にもならないだろう。


 いくらアナルでオナニーする良さを知っているからといって、男に抱かれることを快斗自身が『良し』としている訳ではない証拠に、過去を振り返ってみてもお付き合いしてきた相手は、皆女性ばかりだった。

 それに男としたのだって失敗としか言い様のないあの一回きりだし、自分が同性に仰臥され犯される姿なんて、想像するだけで肌が粟立ってしまう。


 確かに、愛撫し、愛撫されるのはとてつもなく感じて良くなれる。


 だけど…と、さっきまでの快感を引きずり、変にドキドキしている自分に対し、言い訳がましいことを止めどなく考えつつ、一度直した下着をずり下げると、右の手ひらに…オリーブオイルを取り出した。

「冷ってぇ~…」

 さすがにセックス用のローションのような、ねっとりとした質感のないオリーブオイルを片手で弄っていた快斗は、左手に掴んでいた瓶をシンクの上に置くと、緊張して締まっている双臀を割り広げ、右手が入り込みやすいようにする。


(やべぇ)


 頭の片隅では、何でこんなことをしているんだ、と思っている自分がいることを、意識する。

 だけどそれを上回り、久しぶりにするアナルへの刺激に期待しているもう一人の自分がその躊躇いを消し去ろうとするまでしたがっていることに妙な高揚感を覚え、体が熱くなる。


「んッ…」


 ぬちっ、という音と共に、久しぶりに体の中へ入ってくる異物感に、思わず声が漏れる。


 それでも指の中で一番長い、人差し指がスムーズに体の中へ入り込んだのを感じると、ほっと安堵の息を零した。


(よかった…)


 初めてした時は、こんな風にもできなかった記憶が、快斗の頭を過る。


 …真夏の暑さに脳を犯され、ただしたい、してみたい、という麻薬的な妄執に囚われ、何の知識もないまま押し入れられた痛みを思い出す。



 お互い彼女もいないんだけど、してみたい…



 『男でも、ケツでできるらしーぜ』なんて言ったそいつに唆されて、する気になったあの頃のオレに指南してやりてぇな、などと考えながら指を動かし、中の熱を感じて緊張が解けて行く体の中へ深く入り込もうとする。

 あ、でも何も、ここでこんなことしなくてもよかったんだよな、と、立ったままですることのやり辛さに首を捻ると、背後に斎藤の気配を感じて、ギクリとする。


 シルバーの小箱を片手に腕を組み、じいっ…と、穴が空きそうなくらいの強い眼差しで快斗を見ていたことに気がつき――頬が、熱くなる。


「いつ、から…」


 一体いつから、見られていたのだろう。


(恥ずか死ぬ~!)


 AVじゃああるまいし、一人でしている所をガン見される恥ずかしさといったらない。


 こんなの、ソープの子にも見せたことなかったのに、と、あまりの恥ずかしさに涙目になった快斗は、さっと斎藤から視線を逸らす。

 それでも激しい動揺と羞恥心を拭いきれず、泣かないようにするため唇を噛みしめると、赤くなる顔を見られないよう深く俯いた。



.
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