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気がついたら、上司と…16
しおりを挟む「さすがに…正直だな」
快楽に従順になっている様を確かめた斎藤の熱い息が耳を掠め、低音でセクシーな声にも感じてしまう羞恥心から、体が燃え上がるように熱くなる。
「止、めて…くだ、さ…ぁ…っ…」
親指の腹で鈴口を押し潰すように刺激されることにたまらなくなった快斗は、涙ぐみながら哀願するような声を出し、恥ずかしい気持ちを訴える。
(ぬるぬるだ…)
しかし斎藤の指は、今にも泣き出しそうな快斗を嬲る手を止めず、その固さを確かめるように指を這わせ続ける。
――固くて、気持ち良さを雄弁に語るほど精液を零す…快斗のぺニス。
これが若さというものなのか、と思いながら弄っていた斎藤だったが、ふと自身を見下ろし…状況とは不釣り合いな笑顔を零してしまう。
…刺激されれば、濡れもするだろう。
しかし斎藤自身は快感を覚える所へ直接触れてもいないというのに、快斗の熱に触れ、そこから感じるものがあったようだ。
(…勃ってる)
下着の中に仕舞い込んだ自身の変化を目視で確認した斎藤は、うっすらとした感動を覚える。
――離婚後の婚活や付き合いを、仕事の忙しさを理由にして断り続けてきた斎藤は、性生活もそれと同様に、素知らぬ振りでやり過ごしてきた。
十代や二十代の若造じゃああるまいし、寄るに触れるに感じてしまう年頃など当に過ぎた中年男なのだ、別に自ら進んで欲しがるものではないと、そう箍を括っていた。
…それなのに、だ。
オナニー自体をするのも久しぶりなら、こうして滾る感覚を覚えるのも、一体何年ぶりのことだろうと思う。
結婚中も自分から望んで『しようか』と言ったこともなく、きっと自分は淡白なのだろう、とさえ思っていたくらいだったのに。
(一体…何なんだ、この状況は)
きっとそう思うことこそが斎藤自身を高ぶらせる原因なのではないかと心のどこかで分析しながら、快斗の熱を移した体を引き離し、興奮している自分を落ち着かせるために、ため息をついた。
「…っ…」
斎藤の指が腔孔から抜け落ちる感覚に体を震わせた快斗は、快楽へ登り詰めるための直接的な刺激に正常な思考を無くし、早くこの切なすぎる感覚から解放されるために自分の中へ指を潜り込ませ、一番感じるスポットに指を這わせる。
しかしそうするためには腰を屈めなければならず、それは結果的に背後でコンドームが入った箱を開封していた斎藤に向け、尻を突き出す格好となってしまう。
それに気づく余裕のない快斗は上体を伏せ尻を持ち上げると、斎藤が見ているのにも構わず指を動かし、もっと強い快感を得ようとする。
(おいおい…)
片手をシンクの縁につき体を支えながら、キッチンのライトを受けて光る尻を斎藤の方へ突き出し、そこに受け入れるための準備をしているだけとは思えない嫌らしい姿に、体の芯が沸き立つように熱くなる。
どれだけ人を煽れば気が済むんだ、と呟きながら世話しない手つきでコンドームを装着すると、今にも一人でイきそうになっている快斗の肩に利き手をかけた。
その手の熱に気がつき、後ろに回した快斗の指先が一瞬動きを止めると、それを狙いすましたように捉え、強引に体の中から引き抜いてしまう。
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