クロスオーバー・ラブ

黒崎由希

文字の大きさ
38 / 40

気がついたら、上司と…17

しおりを挟む
 

「俺を――入れるつもりで…していたんだろう?」



 …双臀の、切れ間。



 そこにゴムを被せた亀頭を擦りつけるように腰を振られ、オイルと快斗の指で緩んだ入り口を刺激された体が、ゾクゾク、ゾクゾクッと、さざ波のように湧き立つ快感で震え出す。


(ゴリゴリ、してる…っ…)


 固く張り出した切っ先が快感をねだるようにヒクつく快斗の動きを確かめるように上滑りするたびに、いよいよ斎藤が入ってくるんだということに思考が埋め尽くされ、ますます昂ってしまう。


「い、…ゃ…ッ…!」

 快斗の手首を捉えた斎藤に、体内へ入り込ませていた指を強引に引き抜かれたせいで、突然のことで喪失感を覚えた襞が疼き、快斗は快楽を欲しがり切ない声を出す。


 あとちょっと、三擦りでもすれば気持ち良くイけたのに、と、剥き出しにされた肩を手のひらで撫でる斎藤を、首を捻り見ようとした瞬間、

「ココに」

 と、掠れ気味の声に耳朶を犯され、くらりと目眩を起こす。

 自分でどうすることもできない幻惑に囚われ意識を定められずにいると、快感で潤んだ体に質量のある固いモノを押しつけられた快斗は、我を取り戻したように背中を戦慄かせた。


「…ッ…」


 直接触れてもいないのに、快斗のぺニスはさっきからひっきりなしに先走りが零れ、ギンギンにいきり立ちすぎて、痛いくらいに尖っていた。


(早、く…)



 早くしてくれなきゃ、…おかしくなりそう。



 今なら、男とするとかされるとか、そんなの、どうだっていい。

 だから入れる準備も万端にしたんだし…今すぐ、ぐずぐずになっているこの体に斎藤のぺニスを突き入れて、快楽でどろどろになるまで溶かして欲しい。


 胸を破るほど、高鳴る鼓動に急かされながら腰をうねらせ――今か今かと、斎藤を待ち受けているのだから。



 ――…それなのに…


 斎藤は、快斗の入り口の潤みを確かめるように楔の先端を擦りつけるだけで、中々快斗の中へ入ってこようとしなかった。


「…ッ…んッ…」


(どうして)


 皮膚に直接感じる斎藤は、今にも爆ぜそうなほど固くなっている。

 それなのに快斗の双臀を何度も上滑りする動きに焦れた快斗は、自分から尻を突き出し、両手でシンクの縁を掴んだ。


「課、長…」


 このままじゃあ、入れられないうちに…イッてしまう。


 快感を得ても潤まない中に入れたオイルが、蠢く襞の動きに合わせてぬるぬるする感覚に、何も入れないまま達してしまいそうなほど、快楽を感じている。


「か、…ちょう…っ…!」

 せっかくここまで慣らしたのに何もしないままイクのは嫌だ、と泣きそうな声で斎藤を呼ぶと、上体を折って快斗の背中に体を密着させた斎藤が、極限状態にいた快斗の耳に――熱い息を、吹き込んだ。



.
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...