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97 心菜の相談
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心菜の言葉に苦笑した優奈は、泣きそうな顔をして立ち止まってしまった心菜のことを抱きしめた。
「ここなだって良い子だよ。………ここな、立花のこと好きなのに私のために我慢しちゃってるぐらいに、私思いの良い子なんだから」
(………?)
耳元で優奈につぶやかれた言葉に、心菜はこてんと首を傾げる。心菜が立花を好きになると言うのはあり得ない話しだ。心菜は優奈のことが何よりも大事だし、男と関わって良いことがないと言うことをよく知っている。小学校の頃も、それで嫌な目に遭ってきた。
「………ゆーなちゃんが1番大事なの。男の子はいらないの」
ぎゅっと抱きしめ返した心菜は、一筋の涙をこぼす。
「知らなくていいの。“恋”なんて。………いらないものなの」
「うんうん、知ってる。でもね、“恋”はステキなものなんだよ。私はここなにも、それを知ってほしいな」
「………ゆーなちゃんは、私に立花を好きになってほしいの………?」
何度も何度も、優奈にはそれとなく心菜が立花のことを好きなのではないかと勘繰られてきた。けれど、心菜にはなぜそう言われるのか分からなくて、ずっとずっと首を傾げてきた。小説のようにご都合主義でも、少女漫画のように甘ったるくもない。ただ、左胸がズキンと時々痛むだけ。知らなくてもいいと、心にロックがかかるだけ。心菜はぐっとくちびるを噛み締める。
「分かんないよ、ゆーなちゃん。私、どうしたらいいの?」
ふぇぐふぇぐと泣いている心菜は、普段よりも甘えた口調で優奈に寄りかかる。近所に住んでいて、一緒にずっと行動してきただけあって、心菜は比較的優奈に甘える。心の内を曝け出す。
「………ここなの思うようにしたらいい。ここなは立花のこと、嫌いじゃないんでしょう?」
「………………苦手な人はいっぱいいても、嫌いな人はいないよ。ーーーたぶん」
「うん、いい子いい子」
ふわふわとポニーテールが揺れる頭を撫でられると、心菜はぎゅっと優奈に額を押し付けた。
「………立花のことはどっちかって言ったら、好きなんだと思うよ。一緒にいてね、楽なの。迷子になったら必死になって探してくれるし、泣いたら隠してくれる。それに、私が泣き虫で負けず嫌いなのにもすぐに気がついた。“お嬢さま”って呼んでくるのは気に入らないけれど、それ以外は比較的ね、………楽なの」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「ここなだって良い子だよ。………ここな、立花のこと好きなのに私のために我慢しちゃってるぐらいに、私思いの良い子なんだから」
(………?)
耳元で優奈につぶやかれた言葉に、心菜はこてんと首を傾げる。心菜が立花を好きになると言うのはあり得ない話しだ。心菜は優奈のことが何よりも大事だし、男と関わって良いことがないと言うことをよく知っている。小学校の頃も、それで嫌な目に遭ってきた。
「………ゆーなちゃんが1番大事なの。男の子はいらないの」
ぎゅっと抱きしめ返した心菜は、一筋の涙をこぼす。
「知らなくていいの。“恋”なんて。………いらないものなの」
「うんうん、知ってる。でもね、“恋”はステキなものなんだよ。私はここなにも、それを知ってほしいな」
「………ゆーなちゃんは、私に立花を好きになってほしいの………?」
何度も何度も、優奈にはそれとなく心菜が立花のことを好きなのではないかと勘繰られてきた。けれど、心菜にはなぜそう言われるのか分からなくて、ずっとずっと首を傾げてきた。小説のようにご都合主義でも、少女漫画のように甘ったるくもない。ただ、左胸がズキンと時々痛むだけ。知らなくてもいいと、心にロックがかかるだけ。心菜はぐっとくちびるを噛み締める。
「分かんないよ、ゆーなちゃん。私、どうしたらいいの?」
ふぇぐふぇぐと泣いている心菜は、普段よりも甘えた口調で優奈に寄りかかる。近所に住んでいて、一緒にずっと行動してきただけあって、心菜は比較的優奈に甘える。心の内を曝け出す。
「………ここなの思うようにしたらいい。ここなは立花のこと、嫌いじゃないんでしょう?」
「………………苦手な人はいっぱいいても、嫌いな人はいないよ。ーーーたぶん」
「うん、いい子いい子」
ふわふわとポニーテールが揺れる頭を撫でられると、心菜はぎゅっと優奈に額を押し付けた。
「………立花のことはどっちかって言ったら、好きなんだと思うよ。一緒にいてね、楽なの。迷子になったら必死になって探してくれるし、泣いたら隠してくれる。それに、私が泣き虫で負けず嫌いなのにもすぐに気がついた。“お嬢さま”って呼んでくるのは気に入らないけれど、それ以外は比較的ね、………楽なの」
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