【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫

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13 コレット家

「そりゃあ、次期国王であらせられる貴方の異母弟と婚約したからに決まっているではないですか。」
「っな!!次期国王は俺だ!!それにあいつは俺の婚約者だ!」
「その婚約はとっくの昔に破棄されていますよ?」

 ギルバートは小首を傾げながらすっと笑みを深め、ガイセルを嘲笑った。
 メアリーは何の説明も受けておらず、最初は何が何だかよく分かっていなかったが、これまでの会話の流れから、あらかたの予測を立てていた。

(ギル様のお望みはおそらくガイセルとかいうお馬鹿さんの異母弟を王位につけること。ギル様がお望みになるのであれば、なんでも叶える所存だけれど、次期国王はどのようなお方なのかは気になるわね。なんと言っても、これから私が膝をつき、頭を垂れることになるお方なのだから……。)

「アリー、レイナード殿下は、とても優秀なお方だよ。私が保証する。」
「!! ギル様がお褒めになるとは、明日はお空からお金でも降って来るのでしょうか……?」
「ははは、それはあり得ないことの例えではなくて、君の望みだろう?」

 メアリーがぱらりと扇子を広げて嬉しそうに微笑んだのを見て、ギルバートはほとほと呆れた。

「………流石はコレット家のご令嬢だよ。」
「お褒めに預かり、光栄ですわ。」
「褒めてはないんだけどね。」
「褒めてくださいな。」

 メアリーとギルバートは笑顔でお互いに言い切った。

 メアリーの実家であるコレット家は、長女であるメアリーも含めて皆、揃いも揃って守銭奴でお金が大好きだ。そして、ここぞという時には莫大な資金を投資する事業家でもある。元々平民でありながら、伯爵位にまで上り詰めたのは、先祖代々続く、この商才があってこそのものだろう。

 メアリーもその血を色濃く、濃すぎるほどに強く受け継いでいる。実際に、メアリーの趣味はその美しい容姿に似合わず、愛しのギルバートの観察と、お金を貯めることと、お金を増やすことだ。

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