【完】ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?

桐生桜月姫

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仲良し夫婦の大波乱⑥

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 それから1時間後、無事に第2子の出産を終えたミルフィーユの元にルイボスは赤子を大事に大事に抱きながら駆け寄った。

「みーちゃん!!」

 押さえた声ながらも喜びや安堵、心配を隠しきれない叫び声を上げたルイボスに、ミルフィーユは疲れ切った顔をしながらも第2子である第1子と同じ白金の髪の男の子を抱っこしてやりきったと満足そうな笑みを浮かべていた。

「褒めて」

 甘えるように赤子を抱いていない方の手を伸ばして、ミルフィーユはルイボスに珍しいおねだりをする。目を一瞬だけ見開いたルイボスは、赤く腫れた瞳でくしゃっと笑って、彼女を赤子を抱いていない方の腕で優しく、けれどしっかり抱きしめる。

「言われなくてもめいいっぱい褒めるよ。それに、抱きしめる。大好き、みーちゃん。それから、ーーーありがとう。元気な子を産んでくれてありがとう。無事でいてくれてありがとう。全部全部、ありがとう」
「ふふっ!」

 心底嬉しそうに笑ったミルフィーユは、本当に美しくて、綺麗で、愛おしくて、我慢できなかったルイボスはミルフィーユの暖かなくちびるに、自分のそれを重ねたのだった。

 その日生まれた赤子2人はそれぞれバームとクーヘンと名付けられた。
 2人の名前は繋げるとバームクーヘンとなる。赤子が生まれた際の贈り物として適するバームクーヘンは、バームクーヘンの特徴である年輪模様が「成長」や「繁栄」の象徴とされていて、とても縁起が良い。
 生まれた双子の治世はその名に相応しく、賢王と呼ばれた先王の治世を発展させ、成長と繁栄に満ち溢れているものにしたらしい。

 けれどそれは、ずっとずっと未来のお話である。

*************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

まだ続きます!!

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