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2人目のお客様 3
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男の子は不思議な店を後にして、急に我に帰った。
「あ、れ………。俺………、」
非現実的な空間に突然迷い込み、そして今は現実にいる。時計を見ても時間は10分程度しか経っていないことから夢でも見ていたと考えるのが普通のような気がするが、何故か身体からは力が漲ってくる。男の子は不思議な店主を思い出して、彼の言っていた言葉を反芻した。
「『身体は徐々に大きくなっていくだろう。無理をするでないぞ?』………、つまり、練習しすぎで身体を壊すなってことかな………?」
首を傾げていると5時の鐘が鳴った。良い子は帰る時間だと知らせる鐘の音に男の子は急いで家に向かって走った。
ガチャン!!音を立てて家の扉を開けて家に帰ると、暖かな両親が出迎えてくれる。
「「おかえり、創太。」」
「ただいま。」
母親に荷物を差し出して洗ってもらい、男の子、創太はソファーに深く腰掛けた。
「今日の練習はどうだった?」
「まあ、ぼちぼち。」
いつもと変わらない問いかけに、いつもと変わらない返事。野球が下手な創太はいつも申し訳なく思ってしまう。だが、それも今日でお別れだろう。『あやかし書堂』に入ってから妙に身体が動く気がする創太はぎゅっと拳を握りしめた。
▫︎◇▫︎
次の日の放課後、創太は掛け声と共に走っていた。
「そっち行ったぞー!!」
「はあ、はあ、はあ、取れた!!」
必死に走ってボールを取る創太は、今日は1度もミスをしていない。
「創太ー!今日めっちゃ調子いいじゃん!!レギュラーにも入れるんじゃね!?」
最近仲が悪くなりかけていた友人が、ものすごく喜びながら創太の肩を抱いてはしゃいでいる。創太は嬉しくなって満面の笑みを浮かべた。
「さんきゅーな、でも、まだまだ頑張らないと!!」
「おう!一緒に小学校最後の試合に出ような!!」
にかっと笑った友人に、創太は笑い返す。創太は小学生としての最後の試合にどうしても出たかった。だから毎日必死になって練習していたし、小さな体格を活かせるような動きも勉強していた。だが、どうしても体格は大きい方が有利なのだ。だから、創太は昨日揺尾に願いを頼んだ。
「あぁ!!」
創太と友人は抱き合って、そのあとチームメイト全員で勝つために練習に明け暮れた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「あ、れ………。俺………、」
非現実的な空間に突然迷い込み、そして今は現実にいる。時計を見ても時間は10分程度しか経っていないことから夢でも見ていたと考えるのが普通のような気がするが、何故か身体からは力が漲ってくる。男の子は不思議な店主を思い出して、彼の言っていた言葉を反芻した。
「『身体は徐々に大きくなっていくだろう。無理をするでないぞ?』………、つまり、練習しすぎで身体を壊すなってことかな………?」
首を傾げていると5時の鐘が鳴った。良い子は帰る時間だと知らせる鐘の音に男の子は急いで家に向かって走った。
ガチャン!!音を立てて家の扉を開けて家に帰ると、暖かな両親が出迎えてくれる。
「「おかえり、創太。」」
「ただいま。」
母親に荷物を差し出して洗ってもらい、男の子、創太はソファーに深く腰掛けた。
「今日の練習はどうだった?」
「まあ、ぼちぼち。」
いつもと変わらない問いかけに、いつもと変わらない返事。野球が下手な創太はいつも申し訳なく思ってしまう。だが、それも今日でお別れだろう。『あやかし書堂』に入ってから妙に身体が動く気がする創太はぎゅっと拳を握りしめた。
▫︎◇▫︎
次の日の放課後、創太は掛け声と共に走っていた。
「そっち行ったぞー!!」
「はあ、はあ、はあ、取れた!!」
必死に走ってボールを取る創太は、今日は1度もミスをしていない。
「創太ー!今日めっちゃ調子いいじゃん!!レギュラーにも入れるんじゃね!?」
最近仲が悪くなりかけていた友人が、ものすごく喜びながら創太の肩を抱いてはしゃいでいる。創太は嬉しくなって満面の笑みを浮かべた。
「さんきゅーな、でも、まだまだ頑張らないと!!」
「おう!一緒に小学校最後の試合に出ような!!」
にかっと笑った友人に、創太は笑い返す。創太は小学生としての最後の試合にどうしても出たかった。だから毎日必死になって練習していたし、小さな体格を活かせるような動きも勉強していた。だが、どうしても体格は大きい方が有利なのだ。だから、創太は昨日揺尾に願いを頼んだ。
「あぁ!!」
創太と友人は抱き合って、そのあとチームメイト全員で勝つために練習に明け暮れた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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