27 / 101
26 お部屋への道で
しおりを挟む
王妃は穏やかに微笑んで、アキレスに白く美しい手を伸ばした。
「貴方たちの安息の地へ行きましょう」
「………あんそくの地かは分かりませんが、とりあえずついては行きますよ。アイリスを取られているじょうきょうで、僕があなたに従わないということはできませんから」
「あら、私ってもしかしなくとも悪役?」
「さあ?アイリスしだいですかね」
アキレスは苦笑してから肩をすくめた。そして、王妃の1歩後ろをとことこと歩き始めた。
「お着替えとお風呂はどうする?」
「着がえはしたいですけれど、アイリスが起きたらいやなので、今日はこのままで」
「そう、貴方も?」
「はい、僕だけは嫌ですし、アイリスの視界のそとにいたくないので」
「そう、分かったわ」
王妃は全て受け入れてくれている。それどころか、優しく声をかけてくれる。アキレスは少し、否、物凄くこの女性のことを不思議に思った。この女性の狙いを知りたくなった。
「………お名前、お名前はなんというのですか?」
「あら?知らないの?」
王妃は珍しいものを見るような目でアキレスを見た。そしてくすっと微笑んだ。表情や瞳にはなにも出ていないはずなのに、何故か背筋に嫌な汗が流れる。
「エレノア・ゾーイ・グーテンベルクよ。さては、オズワルドは貴方たちになーんにも説明してないわね?」
「はい、なにも説明されていません」
「………敬語、退けていいわよ。話しずらいでしょう?」
目ざとい王妃は、アキレスの細々としたところまで観察している。
「………………分かった。言葉にあまえさせてもらう」
「えぇ、是非そうしてちょうだい」
柔らかで儚い印象を抱かせる女性でも、彼女は百戦錬磨の王妃だ。ちょっとやそっとのことは最も簡単に気がつかれてしまう。そして、彼女は気を使われているという状況を嫌っているようだ。
「僕のりかいのはんい内のことについての確認だけれど、この国は国王制で国王はあの金髪の男。そしてその妻であり王妃があなたで、名前はエレノア・ゾーイ・グーテンベルク。息子が1人で名前がエドワード。で、僕たちを産んだろくでなしが側妃で、ブルックリン・テティス・ナイアデフ。ナイアデフっていうエルフ族の王国の元女王。合ってる?」
「うーん、所々違うわ。夫の国王のお名前からまずは説明していくわね」
王妃はのんびりとした口調で、分かりやすく語り始めた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「貴方たちの安息の地へ行きましょう」
「………あんそくの地かは分かりませんが、とりあえずついては行きますよ。アイリスを取られているじょうきょうで、僕があなたに従わないということはできませんから」
「あら、私ってもしかしなくとも悪役?」
「さあ?アイリスしだいですかね」
アキレスは苦笑してから肩をすくめた。そして、王妃の1歩後ろをとことこと歩き始めた。
「お着替えとお風呂はどうする?」
「着がえはしたいですけれど、アイリスが起きたらいやなので、今日はこのままで」
「そう、貴方も?」
「はい、僕だけは嫌ですし、アイリスの視界のそとにいたくないので」
「そう、分かったわ」
王妃は全て受け入れてくれている。それどころか、優しく声をかけてくれる。アキレスは少し、否、物凄くこの女性のことを不思議に思った。この女性の狙いを知りたくなった。
「………お名前、お名前はなんというのですか?」
「あら?知らないの?」
王妃は珍しいものを見るような目でアキレスを見た。そしてくすっと微笑んだ。表情や瞳にはなにも出ていないはずなのに、何故か背筋に嫌な汗が流れる。
「エレノア・ゾーイ・グーテンベルクよ。さては、オズワルドは貴方たちになーんにも説明してないわね?」
「はい、なにも説明されていません」
「………敬語、退けていいわよ。話しずらいでしょう?」
目ざとい王妃は、アキレスの細々としたところまで観察している。
「………………分かった。言葉にあまえさせてもらう」
「えぇ、是非そうしてちょうだい」
柔らかで儚い印象を抱かせる女性でも、彼女は百戦錬磨の王妃だ。ちょっとやそっとのことは最も簡単に気がつかれてしまう。そして、彼女は気を使われているという状況を嫌っているようだ。
「僕のりかいのはんい内のことについての確認だけれど、この国は国王制で国王はあの金髪の男。そしてその妻であり王妃があなたで、名前はエレノア・ゾーイ・グーテンベルク。息子が1人で名前がエドワード。で、僕たちを産んだろくでなしが側妃で、ブルックリン・テティス・ナイアデフ。ナイアデフっていうエルフ族の王国の元女王。合ってる?」
「うーん、所々違うわ。夫の国王のお名前からまずは説明していくわね」
王妃はのんびりとした口調で、分かりやすく語り始めた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
15
あなたにおすすめの小説
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ひとりぼっちの千年魔女、転生したら落ちこぼれ令嬢だったので、家族を守るために魔法を極めます! 〜新たな家族ともふもふに愛されました!〜
空月そらら
ファンタジー
千年の時を孤独に生き、魔法を極めた大魔女。 彼女は唯一の弟子に裏切られ、命を落とした――はずだった。
次に目覚めると、そこは辺境伯家の屋敷。 彼女は、魔力コアが欠損した「落ちこぼれ」の幼女、エルシア(6歳)に転生していた。
「魔力がすぐに切れる? なら、無駄を削ぎ落とせばいいじゃない」
エルシアは前世の膨大な知識を駆使し、省エネ魔法を開発。
サボり魔だが凄腕の騎士を共犯者に仕立て上げ、密かに特訓を開始する。
すべては、今世で初めて知った「家族の温かさ」を守るため。
そして、迫りくる魔物の脅威と、かつての弟子がばら撒いた悪意に立ち向かうため。
「おねえちゃん、すごい!」
可愛い弟デイルと、拾った謎の**黒猫に懐かれながら、最弱の令嬢による最強の領地防衛戦が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる