88 / 89
89 皇女は皇帝となる
しおりを挟む
▫︎◇▫︎
数年後、セレスティアは妖艶な微笑みを浮かべて相変わらずの男装姿で、いつもの正装よりも何倍も豪奢な軍服を着込んでいた。そして、その隣には、同じく着飾ったセレスティアの愛してやまない小動物のように愛らしいミシェルの姿があった。
「皇太子、セレスティア・ルクセンブルク殿下、並びに皇太子殿下の夫であらせられる、ミシェル・ルクセンブルク殿下のご入場です!!」
大きな掛け声と共に開かれた扉の先には真っ赤な絨毯の敷かれた道があり、道の行き着く先にはセレスティアの父親たる玉座に座る皇帝と、その横で王冠と王笏が乗っている盆を持っているセレスティアの双子の姉たるアリスティアが優しい微笑みを浮かべて佇んでいた。
セレスティアは2人に向けて一瞬違う微笑みを浮かべてから、ミシェルにエスコートされてゆっくりと絨毯の上を歩き、ミシェルと共に皇帝の前で頭を垂れて跪いた。
「セレスティア・ルクセンブルク!
そなたをこの瞬間を持って皇帝とする。皇冠と皇笏を受け取り、『帝の書』に名を連ねよ!!」
「はっ!」
セレスティアは頭を上げてアリスティアの冠を被せてもらった。
「しっかりと頑張りなさい、セレス」
「うん、ありがとう。アリス」
昔のように優しい口調でセレスティアが返すと、アリスは目を見開いて潤ませた。だが、公の前で泣くわけにはいかないからか耐えるように唇を結んで笏を手渡した。
セレスティアはそれを左手で受け取り、右手で盆からペンをとって『帝の書』と呼ばれる本に新たな皇帝として名を連ねた。
春の陽気の眩しい温かな日、ルクセンブルク皇国に月のごとく美しい新たな女帝が誕生した。
▫︎◇▫︎
春の陽気の眩しい温かな日に即位した女帝が統治する間、帝国には1度の危機も起こらず、即位した時のように実に平和で温かだった。全ての正しい人間に寄り添った皇帝を、後に人々は『月の賢皇』と呼び、その補佐官たる優秀な美しい宰相を『太陽の賢姫』と呼んだ。
この呼び名は彼女たちの皇女時代の呼び名に関わっていたとかいないとか。
皇帝夫婦はおしどり夫婦としても有名で、3人の子供に恵まれた。皇帝の度が過ぎる夫への過保護と、夫の皇帝への溺愛に、生涯独身を貫いた男嫌いの宰相はよくブチギレて皇帝とその夫を扇子で叩いてていたとかいないとか。
家族を何よりも大事にした皇帝夫妻は、とても仲の良かった男嫌いな宰相と共に沢山の家族に見守られながら穏やかにこの世を去っていったらしい。
*******************
最後まで読んでいただきありがとうございました😊😊😊
明日はキャラクタープロフィールを出そうと思います。
番外編も皆様にご希望の場面があるようならば書こうと思ってます。
感想欄から教えてください。
長い間お付き合いいただき本当にありがとうございました(๑>◡<๑)
夜桜惺璃菜のほかの作品にも是非訪れてみてください。
『わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?』
が本編完結いたしました。お時間がある方は覗いてみてください!!
数年後、セレスティアは妖艶な微笑みを浮かべて相変わらずの男装姿で、いつもの正装よりも何倍も豪奢な軍服を着込んでいた。そして、その隣には、同じく着飾ったセレスティアの愛してやまない小動物のように愛らしいミシェルの姿があった。
「皇太子、セレスティア・ルクセンブルク殿下、並びに皇太子殿下の夫であらせられる、ミシェル・ルクセンブルク殿下のご入場です!!」
大きな掛け声と共に開かれた扉の先には真っ赤な絨毯の敷かれた道があり、道の行き着く先にはセレスティアの父親たる玉座に座る皇帝と、その横で王冠と王笏が乗っている盆を持っているセレスティアの双子の姉たるアリスティアが優しい微笑みを浮かべて佇んでいた。
セレスティアは2人に向けて一瞬違う微笑みを浮かべてから、ミシェルにエスコートされてゆっくりと絨毯の上を歩き、ミシェルと共に皇帝の前で頭を垂れて跪いた。
「セレスティア・ルクセンブルク!
そなたをこの瞬間を持って皇帝とする。皇冠と皇笏を受け取り、『帝の書』に名を連ねよ!!」
「はっ!」
セレスティアは頭を上げてアリスティアの冠を被せてもらった。
「しっかりと頑張りなさい、セレス」
「うん、ありがとう。アリス」
昔のように優しい口調でセレスティアが返すと、アリスは目を見開いて潤ませた。だが、公の前で泣くわけにはいかないからか耐えるように唇を結んで笏を手渡した。
セレスティアはそれを左手で受け取り、右手で盆からペンをとって『帝の書』と呼ばれる本に新たな皇帝として名を連ねた。
春の陽気の眩しい温かな日、ルクセンブルク皇国に月のごとく美しい新たな女帝が誕生した。
▫︎◇▫︎
春の陽気の眩しい温かな日に即位した女帝が統治する間、帝国には1度の危機も起こらず、即位した時のように実に平和で温かだった。全ての正しい人間に寄り添った皇帝を、後に人々は『月の賢皇』と呼び、その補佐官たる優秀な美しい宰相を『太陽の賢姫』と呼んだ。
この呼び名は彼女たちの皇女時代の呼び名に関わっていたとかいないとか。
皇帝夫婦はおしどり夫婦としても有名で、3人の子供に恵まれた。皇帝の度が過ぎる夫への過保護と、夫の皇帝への溺愛に、生涯独身を貫いた男嫌いの宰相はよくブチギレて皇帝とその夫を扇子で叩いてていたとかいないとか。
家族を何よりも大事にした皇帝夫妻は、とても仲の良かった男嫌いな宰相と共に沢山の家族に見守られながら穏やかにこの世を去っていったらしい。
*******************
最後まで読んでいただきありがとうございました😊😊😊
明日はキャラクタープロフィールを出そうと思います。
番外編も皆様にご希望の場面があるようならば書こうと思ってます。
感想欄から教えてください。
長い間お付き合いいただき本当にありがとうございました(๑>◡<๑)
夜桜惺璃菜のほかの作品にも是非訪れてみてください。
『わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?』
が本編完結いたしました。お時間がある方は覗いてみてください!!
17
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
政略結婚のはずでしたが、黒の公爵に「君を愛するつもりしかない」と言われました。
ちよこ
恋愛
没落寸前のエーデル伯爵家の令嬢ルイーズは、この国最大の権勢を誇る黒の公爵エルハルトと政略婚を結ぶことになった。
釣り合わない縁談に社交界はざわめいたが、ルイーズは「家同士の利害が一致した取引に過ぎない」と割り切っていた。
ところが初夜、公爵は開口一番こう言った。
「私は君を愛するつもりしかない」
政略婚のつもりでいた令嬢と、最初から決めていた公爵の、少し不器用な初夜の話。
婚約破棄された地味令嬢は、無能と呼ばれた伯爵令息と政略結婚する ~あなたが捨てたのは宝石でした~
新川 さとし
恋愛
「地味で可愛げがない」と婚約破棄された侯爵令嬢クリスティーヌ。
王子の政務を陰で支え続けた功績は、すべて無かったことにされた。
居場所を失った彼女に差し出されたのは、“無能”と噂される伯爵令息ノエルとの政略結婚。
しかし彼の正体は、顔と名前を覚えられない代わりに、圧倒的な知識と判断力を持つ天才だった。
「あなたの価値は、私が覚えています」
そう言って彼の“索引(インデックス)”となることを選んだクリスティーヌ。
二人が手を取り合ったとき、社交界も、王家も、やがて後悔することになる。
これは、不遇な二人が“最良の政略結婚”を選び取り、
静かに、確実に、幸せと評価を積み上げていく物語。
※本作は完結済み(全11話)です。
安心して最後までお楽しみください。
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
始まりはよくある婚約破棄のように
喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」
学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。
ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。
第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤
凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。
幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。
でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです!
ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる