『完』婚約破棄されたのでお針子になりました。〜私が元婚約者だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?〜

桐生桜月姫

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 そもそも、そもそもアルフレッドとマリンソフィアの関係はただの幼馴染だ。アルフレッドが一方的に………、

「アルフレッド、どうしたの?」
「い、ぃやー、なんでも?」

 下心満載なことを考えていたとはいえないアルフレッドは、困ったようにしどろもどろに答える。

「あ、そうだ。店員さんが手伝ってくれそうだから、お話しを聞きに行こう」
「え、でも………」
「ほらほら行くよ!!」

 マリンソフィアを引っ張って店員の方に連れて行く。

「すみません。彼女、メイクをしたことがなくて何を買っていいか分からないそうなので、おすすめを教えていただけますか?」
「承知いたしました。こちらにお越しください」

 2人は店員に連れられて奥の席へと腰掛けた。店員さんはさまざまなメイク道具の入った大きな箱を腰掛けたマリンソフィアの前に出すと、その中から迷いない仕草でいくつかの道具を取り出していくが、途中ではたっと気がついたのか、2人の方に恥ずかしそうな顔で質問を投げかける。

「まず、どのくらいの金額をご希望するのかお教え願えますか?」
「………どのくらいが相場なのかしら?」
「だいたいこのくらいでしょうか」

 店員さんの立てた指の本数を見たマリンソフィアは、こくんと頷く。

(存外とても安いのね。これなら全く問題ないわ)
「お金には困ることがなさそうだから、おすすめなのを教えてちょうだい」
「わ、分かりました」

 店員さんはウキウキとした感じで道具を再度取り出して行く。金額が高いものを売りたいのか、または、本当に似合うものを選び倒したいのか、マリンソフィアには見分けがつかなかった。

「お客さまは肌のきめが細かく、そのお年にして全く化粧荒れしておりませんので、選びがいがありますわ!!」
「そう、ごてごてしたものや、匂いの強いものは好まないから、それ以外で選んでちょうだい」
「はいっ!ご注文、承りました!!」

 店員さんに注文を付け足したマリンソフィアは、化粧臭い社交界のゴテゴテ貴婦人と父親の愛人さまを思い出して、むうっと眉を顰めたくなるのに耐えた。

「………へえー、やっぱり、ソフィアって命令し慣れているな」
「そう?このくらい当たり前だと思うけれど………」
「いやー、上に立つ者って感じがする」
「そう………」

 注文をしただけなのにも関わらず、ものすごく感心しているアルフレッドの感想を右から左に流しながら、自分の顔はどのように変わるのだろうかとわくわくしてしまう、マリンソフィアなのだった。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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