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37 人ったらし店長
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クラリッサの悲痛な叫び声に、マリンソフィアは淡く微笑んだ。見る者全てを虜にする、元社交界きってのお姫さまの微笑みは、とてもとても美しかった。
「優秀だから」
そんな微笑みでマリンソフィアが述べた理由は、とっても端的だった。
「………は?」
「え?だから、優秀だからあなたに信頼が必要なお仕事を全部任せているの。お金の勘定もお店の従業員の中で1番早く正確にできるし、読み書き計算、礼儀作法も王族に嫁ぐ姫君と遜色がないくらいに完璧。話術も巧みで社交界で百戦錬磨の貴族のご婦人さえも転がす手腕を持っている。あなた以上にこのお店を任せられる人間がいるかしら?わたくし、あなたかがいたから、本業のためにこのお店を不安なく開けることができたのよ?」
「え、あ、」
「可愛い可愛い、クラリッサ。わたくしのためにもう少しだけお仕事を頑張ってちょうだい」
マリンソフィアは、クラリッサの横にカツカツとヒールを鳴らして歩いていった。そして、彼女の横に立ってふわりと甘い声音でつぶやく。
「あなただけが頼りなの、クラリッサ。あなたのことは、誰よりも信頼しているし、期待しているわ」
ーーーカツカツカツ、
歩き去ったマリンソフィアの後ろから、人が崩れ落ちる音が聞こえた。
▫︎◇▫︎
マリンソフィアが去っていったお店の裏口で、クラリッサは床に座ったまま身悶えていた。
「こんのっ、人ったらし店長っ!!どうして店長は毎度毎度、私が『1番欲しい言葉』をくれるのよっ!!こんなのじゃいつまで経っても、ブラックじゃないブラック企業に勤め続けるしかないじゃない!!」
「あれ?わあ!オープン当初からずーっと売り上げ1番の超絶やり手と評判の先輩じゃないですかー。そんなところで座ってたら風邪ひきますよー。お店の売り上げに関わるかもしれないので、さっさと立ってください」
脳天気な後輩の声に、クラリッサは目くじらを立てる。新入りのくせに、優秀と評判が高い後輩が脳天気に裏口付近でぶらぶらしていたら、怒りたくもなるだろう。
「うるさいっ!!そんなこと言ってる暇あったら、そのお色気たっぷりと評判の顔で、1人でも多くご婦人とご令嬢を落としてきなさい!!」
「うわっ、言い方。俺、遊び人みたいじゃん………」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「優秀だから」
そんな微笑みでマリンソフィアが述べた理由は、とっても端的だった。
「………は?」
「え?だから、優秀だからあなたに信頼が必要なお仕事を全部任せているの。お金の勘定もお店の従業員の中で1番早く正確にできるし、読み書き計算、礼儀作法も王族に嫁ぐ姫君と遜色がないくらいに完璧。話術も巧みで社交界で百戦錬磨の貴族のご婦人さえも転がす手腕を持っている。あなた以上にこのお店を任せられる人間がいるかしら?わたくし、あなたかがいたから、本業のためにこのお店を不安なく開けることができたのよ?」
「え、あ、」
「可愛い可愛い、クラリッサ。わたくしのためにもう少しだけお仕事を頑張ってちょうだい」
マリンソフィアは、クラリッサの横にカツカツとヒールを鳴らして歩いていった。そして、彼女の横に立ってふわりと甘い声音でつぶやく。
「あなただけが頼りなの、クラリッサ。あなたのことは、誰よりも信頼しているし、期待しているわ」
ーーーカツカツカツ、
歩き去ったマリンソフィアの後ろから、人が崩れ落ちる音が聞こえた。
▫︎◇▫︎
マリンソフィアが去っていったお店の裏口で、クラリッサは床に座ったまま身悶えていた。
「こんのっ、人ったらし店長っ!!どうして店長は毎度毎度、私が『1番欲しい言葉』をくれるのよっ!!こんなのじゃいつまで経っても、ブラックじゃないブラック企業に勤め続けるしかないじゃない!!」
「あれ?わあ!オープン当初からずーっと売り上げ1番の超絶やり手と評判の先輩じゃないですかー。そんなところで座ってたら風邪ひきますよー。お店の売り上げに関わるかもしれないので、さっさと立ってください」
脳天気な後輩の声に、クラリッサは目くじらを立てる。新入りのくせに、優秀と評判が高い後輩が脳天気に裏口付近でぶらぶらしていたら、怒りたくもなるだろう。
「うるさいっ!!そんなこと言ってる暇あったら、そのお色気たっぷりと評判の顔で、1人でも多くご婦人とご令嬢を落としてきなさい!!」
「うわっ、言い方。俺、遊び人みたいじゃん………」
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