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48 マリンソフィアは『裸の王子さま』が見たい
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「ふぅー、」
「またその本を読まれておいででしたのか?」
本を閉じた瞬間、クラリッサが穏やかな優しい声音で問いかけてきた。マリンソフィアは振り返ることなく、自嘲気味に笑って頷く。
「えぇ、どうしても読みたくなったの………」
「本当に、その本がお好きなのですね」
「………好きなんてものじゃないわ。大好きなの」
本を抱きしめて振り返ったマリンソフィアは、淡く微笑む。そして、次の瞬間、本の表紙を撫でながら少しだけ意地悪く笑った。
「王太子殿下がもうすぐいらすはずよ。だって、もうすぐあのおばかな王子さまの記念すべき17回目のお誕生日だもの。例年通り、お昼間は城下を馬車でパレードして、夜は盛大な夜会を開いて夢見たいな量のご飯やデザートを食べて、そしてたっくさんの権力に恋をした美しい女性たちと踊るの」
マリンソフィアは感情のない声音で言って、そしてふわっと視線を上げた。
「だからね、わたくし、この本を現実にしたいって思うの」
「………本気ですか。というか、正気ですか?」
「本気だし、正気よ。それに、初めに布を見せた時点で気がつけば、そもそも騙せないもの。その時はちゃーんと最高に素敵な礼服を仕立てて差し上げるつもり」
これでもかと言うほどに美しい笑みを浮かべたマリンソフィアに、クラリッサは嫌そうな顔をする。
「………つまり、1度だけやり直すチャンスを与えるということですか?」
「そう、………愚かで滑稽な『裸の王子さま』にならないといいわね?」
マリンソフィアはくすくすと笑っていた。
(あの馬鹿王子が見破れるはずなんてないもの。あいつはわたくしの好きな本すらも知らない。所詮、そんな付き合いなのだから)
マリンソフィアはクラリッサの手にあったドレスを籠に入れて、そして手にたくさんのドレスや礼服のデザイン案を持たせた。
「次のお仕事よ。頼んだわね、クラリッサ」
「ーーー承知いたしました」
クラリッサはカツカツとヒールを慣らして歩いていく。マリンソフィアはそんな様子を見つめながら、ふと窓の外を見つめる。
「今年はこのごみがいっぱい見える窓から、愚かで滑稽な『裸の王子さま』を見なくっちゃいけないわね。あぁ、楽しみだわ」
オペラグラスを持った真似をするマリンソフィアの、不穏で楽しげな言葉は、とても静かな作業室に溶け込んでいった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「またその本を読まれておいででしたのか?」
本を閉じた瞬間、クラリッサが穏やかな優しい声音で問いかけてきた。マリンソフィアは振り返ることなく、自嘲気味に笑って頷く。
「えぇ、どうしても読みたくなったの………」
「本当に、その本がお好きなのですね」
「………好きなんてものじゃないわ。大好きなの」
本を抱きしめて振り返ったマリンソフィアは、淡く微笑む。そして、次の瞬間、本の表紙を撫でながら少しだけ意地悪く笑った。
「王太子殿下がもうすぐいらすはずよ。だって、もうすぐあのおばかな王子さまの記念すべき17回目のお誕生日だもの。例年通り、お昼間は城下を馬車でパレードして、夜は盛大な夜会を開いて夢見たいな量のご飯やデザートを食べて、そしてたっくさんの権力に恋をした美しい女性たちと踊るの」
マリンソフィアは感情のない声音で言って、そしてふわっと視線を上げた。
「だからね、わたくし、この本を現実にしたいって思うの」
「………本気ですか。というか、正気ですか?」
「本気だし、正気よ。それに、初めに布を見せた時点で気がつけば、そもそも騙せないもの。その時はちゃーんと最高に素敵な礼服を仕立てて差し上げるつもり」
これでもかと言うほどに美しい笑みを浮かべたマリンソフィアに、クラリッサは嫌そうな顔をする。
「………つまり、1度だけやり直すチャンスを与えるということですか?」
「そう、………愚かで滑稽な『裸の王子さま』にならないといいわね?」
マリンソフィアはくすくすと笑っていた。
(あの馬鹿王子が見破れるはずなんてないもの。あいつはわたくしの好きな本すらも知らない。所詮、そんな付き合いなのだから)
マリンソフィアはクラリッサの手にあったドレスを籠に入れて、そして手にたくさんのドレスや礼服のデザイン案を持たせた。
「次のお仕事よ。頼んだわね、クラリッサ」
「ーーー承知いたしました」
クラリッサはカツカツとヒールを慣らして歩いていく。マリンソフィアはそんな様子を見つめながら、ふと窓の外を見つめる。
「今年はこのごみがいっぱい見える窓から、愚かで滑稽な『裸の王子さま』を見なくっちゃいけないわね。あぁ、楽しみだわ」
オペラグラスを持った真似をするマリンソフィアの、不穏で楽しげな言葉は、とても静かな作業室に溶け込んでいった。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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