49 / 102
49 休憩
しおりを挟む
▫︎◇▫︎
それからひたすらにお洋服を仕立て続けたマリンソフィアが、休憩に入ったのは13時を過ぎた時間だった。流石に働き詰めすぎだとクラリッサに叱られてしまったからだ。
「あなたさまはどうして部下には『残業をするな!!』、『休憩時間に仕事はするな!!』『早寝・早起き・3食は絶対に守れ!!』と言いながら、ご自分は全てを無視してハードすぎるスケジュールで動くのです!!というか、このペースで服を仕立て続けると、布地が足りなくなりますし、下っ端お針子の仮縫いが間に合いません!!もう下っ端お針子たちからは泣き言が大量に寄せられているのですよ!?ちょっとは休んでください!!休まないのであれば、数日間寝込むレベルの睡眠薬をお口の中にぶっ込みます!!」
と、怒鳴られれば、休むしかないだろう。本当に横暴な秘書にして、マリンソフィアのことを心の底から理解している優秀な人材だ。睡眠薬で眠らされるよりも、少しの間休んで作業をしたほうがいいと判断して、休むのは目に見えていたのだろう。
「ふうぅー、」
食堂でステーキを切り分けて口の中に入れると、柔らかいお肉が口の中でとろっと溶けた。
「………クラリッサも一緒にどう?」
「主人と一緒に食事は取れませんし、それに私はもう昼食をとっています」
冷たいクラリッサに、マリンソフィアはむうっとくちびるを尖らせて、そして早くも昼食をペロリと平らげた。
「新聞を持って来てくれる?」
「新聞、ですか?」
「そう。新聞は情報収集の基本だから、毎日確認するようにしているの。昨日は確認できていないから、昨日と今日の分を持って来てくれれると嬉しいわ。あ、もちろん全ての会社の分をね」
マリンソフィアはそうクラリッサに命じると、静かに食後の紅茶を飲み始めた。
(ふふふっ、新聞の1面はわたくしと王太子殿下の婚約破棄についてか、それともわたくしの実家からの勘当についてか、はたまた1ヶ月後に控えている王太子殿下のお誕生日についてか、………何が1面でもとーっても面白そうね。場合によっては、今度新聞社に『婚約破棄の真実』っていうのを匿名で送りつけてあげなくちゃ)
マリンソフィアはふふふっ、と薄気味悪く笑った。
どう転んでも、この国の行く末はマリンソフィアの手の内なのだった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
それからひたすらにお洋服を仕立て続けたマリンソフィアが、休憩に入ったのは13時を過ぎた時間だった。流石に働き詰めすぎだとクラリッサに叱られてしまったからだ。
「あなたさまはどうして部下には『残業をするな!!』、『休憩時間に仕事はするな!!』『早寝・早起き・3食は絶対に守れ!!』と言いながら、ご自分は全てを無視してハードすぎるスケジュールで動くのです!!というか、このペースで服を仕立て続けると、布地が足りなくなりますし、下っ端お針子の仮縫いが間に合いません!!もう下っ端お針子たちからは泣き言が大量に寄せられているのですよ!?ちょっとは休んでください!!休まないのであれば、数日間寝込むレベルの睡眠薬をお口の中にぶっ込みます!!」
と、怒鳴られれば、休むしかないだろう。本当に横暴な秘書にして、マリンソフィアのことを心の底から理解している優秀な人材だ。睡眠薬で眠らされるよりも、少しの間休んで作業をしたほうがいいと判断して、休むのは目に見えていたのだろう。
「ふうぅー、」
食堂でステーキを切り分けて口の中に入れると、柔らかいお肉が口の中でとろっと溶けた。
「………クラリッサも一緒にどう?」
「主人と一緒に食事は取れませんし、それに私はもう昼食をとっています」
冷たいクラリッサに、マリンソフィアはむうっとくちびるを尖らせて、そして早くも昼食をペロリと平らげた。
「新聞を持って来てくれる?」
「新聞、ですか?」
「そう。新聞は情報収集の基本だから、毎日確認するようにしているの。昨日は確認できていないから、昨日と今日の分を持って来てくれれると嬉しいわ。あ、もちろん全ての会社の分をね」
マリンソフィアはそうクラリッサに命じると、静かに食後の紅茶を飲み始めた。
(ふふふっ、新聞の1面はわたくしと王太子殿下の婚約破棄についてか、それともわたくしの実家からの勘当についてか、はたまた1ヶ月後に控えている王太子殿下のお誕生日についてか、………何が1面でもとーっても面白そうね。場合によっては、今度新聞社に『婚約破棄の真実』っていうのを匿名で送りつけてあげなくちゃ)
マリンソフィアはふふふっ、と薄気味悪く笑った。
どう転んでも、この国の行く末はマリンソフィアの手の内なのだった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
3
あなたにおすすめの小説
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
夫「お前は価値がない女だ。太った姿を見るだけで吐き気がする」若い彼女と再婚するから妻に出て行け!
佐藤 美奈
恋愛
華やかな舞踏会から帰宅した公爵夫人ジェシカは、幼馴染の夫ハリーから突然の宣告を受ける。
「お前は価値のない女だ。太った姿を見るだけで不快だ!」
冷酷な言葉は、長年連れ添った夫の口から発せられたとは思えないほど鋭く、ジェシカの胸に突き刺さる。
さらにハリーは、若い恋人ローラとの再婚を一方的に告げ、ジェシカに屋敷から出ていくよう迫る。
優しかった夫の変貌に、ジェシカは言葉を失い、ただ立ち尽くす。
【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~
猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」
王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。
王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。
しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。
迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。
かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。
故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり──
“冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。
皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。
冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」
一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。
追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、
ようやく正当に愛され、報われる物語。
※「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる