開眼の覚醒者 THE Secret ten number

第一章 旅立ち編

第４話 苦労のエクシィア

同日の昼過ぎ街に到着した一行。
「でけぇな。」
「そりゃ、村と比べたらな。」
壁の高さに驚くテンペスタ。
エクシィアはなぜか冷静だ。なぜ、同じ家の住人である二人にここまで差ができたのか？
「…早く街に入ろう。」
ダンケルクは他の二人に早くするよう促した。

街に入る行列に並んでいると、
「今更だがなんで行列があるんだ？」
「なんかチェックでもあるのかね？」
ダンケルクとエクシィアがそうやって話している。すると…
「…ん？なんか入る前にみんななんか見せてないか？」
テンペスタは気づいた。他の二人も気づく。
「まさか…」
エクシィアはさっき話していた事が現実化する気がした。それと同時に早速面倒事になりそうと考えた。

そしていよいよ３人の番
「身分証明書出して」
案の定、衛兵にそう言われた
テンペスタは『何それ？』見たいな顔をした。ダンケルクはめんどくさそうだ。
「すみません、田舎から出たばかりで身分証明書もってないんですよ。」
エクシィアは仕方なくそう言った。
衛兵は新人なのか、上からの指示を仰いでいた。

しばらくして、衛兵が水晶玉を持ってきた。
「ここに手をおいてください。犯罪をしているなら赤、していないなら青に光ります。」
エクシィアは『こんな便利なものがあるのか！』と、驚いていた。
取り敢えずエクシィアから手を置いた。
青色　セーフだ。
テンペスタもセーフだった。
ダンケルクは少し躊躇いつつ手を置いた。セーフだった。しかし何故ダンケルクは躊躇っていたのか？エクシィアは少し疑問を持ってしまった。
「はいこれ、身分証明書。今度からはこれを出してね。」　
「ありがとうございます。」
衛兵から３人分の身分証明書を貰い、エクシィアは礼を行った。一応二人も頭を下げているようだ。
「よし、早速冒険者ギルドへいこう。」
「ちょっと待ってくれ。宿の位置を把握しておこう。」
テンペスタのせっかちをダンケルクもしくはエクシィアが止める。（大体はエクシィアだが…）最早いつもの光景だ。

宿の位置を確認し、冒険者ギルド『蒼海の星亭』の前まで来た。
「これが冒険者ギルドか…しっかりしてるが何故木造建築なんだ？」
「気にしたら負けだろ。さっさと入るぞ。」
エクシィアは目の付け所が普通の人とは違うようだ。

「騒がしい…」
ギルドに入ったダンケルクの一言目だ。
「そんなこと言うなよ…受付行くぞ。」
エクシィアは宥めながら受付に行くよう促した。
「冒険者志望の方ですか？」
受付の人からそういわれた３人。
ダンケルクとテンペスタは身分証明書の時とほぼ同じ反応だ。
テンペスタ、何故お前が言い出したのに登録の事すら知らんのだ。
「あ、そうです。」
エクシィアがまた一人で対応だ。
「では、加入試験を受けてもらいます。」
「…へ？」
エクシィアは予想外の試験に驚いていた。
だが、この加入試験が旅の中で最初の試練になるとは、三人は知る由もない。