Music Is My Life!

アルトを吹く子。

「と、言うことで、

今日から君たちと

一緒に演奏する仲間が増えました。

彼には、アルトを吹いて貰います。

えっと、自己紹介お願いしてもいい？」


「はい。

霧咲きりさき涼りょうです。

武仲音楽大学附属小から転校してきました。

読書が趣味です。

アルトを始めたのは…

父がきっかけで、8歳から始めました。

譜読みが得意なので、是非話し掛けて下さい笑

アルトはあまり上手では無いですが、

これから、皆さん、宜しくお願いします。」


ぱちぱちぱち…

拍手の音が聞こえる。


「まさか朝の子とはね…」

そう颯季が言った。


「そう言えば、

アルトに似たケース持ってんなーって

思ったの今思い出した」

と音も言った。


「自分の楽器かな… 

アルトって結構高いよねぇ…

音大附属って凄いし…」


いや、私たち４人、

みんな自分の楽器持ってるけどね…


「じゃあ、

今年度の部長、

副部長、セクションリーダー、

各パートのパートリーダーを発表する。」


『ハイ！』


「パーカッション」


そう野村先生は少し笑いながら、

パーカッションの、

紬つむぎに目を向ける。

紬は理解したようで、笑いながら、

隣に居た５年生の宙そら君の肩を叩く。

すると、宙君も笑いながら、

スタンドに掛けてあったシンバルを持つ。

あ、そういう事か。

それを皆も理解したみたいで、

クスクス笑い始めた。

紬も、スネアのバチを持って、

ロールを始めた。


「えー、2016年度 春日小 

吹奏楽部 総務部長は…」


ドゥルルルル… バン！


「サックスパート、

永瀬 凜桜」


「はい」



少しざわつく。


「嘘、颯季じゃないの？」


「何で凜桜？」


振り向くと、音は無表情、

対照的に奏は目を白黒させている。


颯季は…


「おめでとう」


悔しそうでは無くて…

笑顔で、

そう言った。