1 / 1
堕とす
しおりを挟む
ぐちゃぐちゃに犯して、啼かせて、嬲リたくて堪らない。
歪んだ独占欲が、支配欲とはまた違う感情で埋め尽くされる。
君の全部を知りたいと願う一方で、
こんな醜い内側を見られたくないと叫ぶ己がいる。
君には届かなくていいから。それはあくまで、彼女に触れる前までの綺麗事だった。
◇ ◇ ◇ ◇
一目惚れだった、運命だと思った。神なんてものは信じていなかったが、その時ばかりは感謝した。
彼女は僕の一つ下の学年ーー所謂後輩の立場だった。
交わるはずのない、違う世界に生きていた。
裕福な代わりに愛情を失った家族。くだらない嫉妬や憎悪が渦巻く世界。
上位層と呼ばれる人間の立場だった僕は、ふらりと立ち寄った図書室で、彼女を見かけて、恋に落ちた。
僕の世界の人間とは似ても似つかないーー対比的な存在。
純粋無垢といえばそれまでの、ーー汚れを知らない彼女に。
気付けば、目が離せなくなっていた。
恋に落ちたことを自覚した後、彼女を堕とすことに決めてーー何度かの交流を重ねて、彼女の警戒心が解けてきた頃。
いつもの待ち合わせ場所で、図書室で彼女と出会った場所へと急いで足を踏み入れた刹那、視界に飛び込んできたのは、
ーーあの子に覆い被さるように、静かにキスをする男の姿だった。
ハッとしてあの子が目を見開く。違う、とばかりに瞳に動揺が走る。必死に引き剥がそうとしていたらしい腕は、驚愕からか留まっていた。
気付いていたらしい男が唇を離し、何かを囁きーー彼女へ親しげな笑みを浮かべて立ち去った。
去り際に僕へ、侮蔑の視線と、見下しの笑みを向けて。
そう理解した瞬間、視界がカッと熱くなった。
裏切られた。裏切った?彼女が、僕以外の男に。気を許した挙げ句ーー奪われるなんて。
違うの、と弁解の言葉を必死に口にする彼女に、荒ぶる気を抑えられなかった。
細い腕を掴み、ーーへの道を歩いていく。
苛立ちが募る。裏切った癖に。
ーー君も、結局……と同じなんだな。
冷めた口調でそう呟けば、危うい足取りで歩く怯えた様子の彼女が、更に身を縮こませた気がした。
でも、もう遅い。裏切ったのは君の方だ。
……怒りで狂ってしまいそうだった。
◇ ◇ ◇
誰も来ない密室。滅多に人の立ち寄らないーー助けも来ない暗い部屋。
服を脱がせられ、善がり狂う程に蕩かされた彼女の、どこか焦点の合わない瞳と絡み合う。
彼女は僕を裏切った。……それ相応の罰は受けてもらなければ。
もどかしげに体を震わせる彼女は、
もはや快楽で完全に蕩けてしまっている。
ぐちゅりと淫らな音が響く其処は、
相変わらずとろとろと甘い蜜を溢している。
唇を下でなぞると、ひどく可愛らしい吐息が漏れる。肌をなぞれば、……敏感なのか体がよく反応する。その全てが僕を喜ばせた。
仄暗い独占欲。
彼女の中を、ずっと蹂躙したかったのだ。
犯して啼かせて。
苦しそうにもがく君が、圧迫感に身を捩らせるのが、どれほど僕の興奮を煽るのか、分かっていないだろう。
もっと、深くまで繋がろうと腰を深く突く。
その度に漏れる甘い嬌声に、ゾクゾクとした高揚感と興奮を覚える。
僅かながら残った理性で拒もうとしているのか、弱々しい抵抗、嫌々と首を振る仕草をする。
涙目で嫌だと懇願する彼女の中をぐちゅぐちゅと掻き回せば、嫌がっているには到底思えない、ーー快楽に溺れた声が漏れる。
涙目で拒絶しようとする様は酷く哀れで、しかしそれが裏切った罰なのだと思えば、酷く愛おしく感じた。
なぜ、早くこうしなかったのか。そうすれば、彼女はこんなにもあっさりとーー堕ちてくれたのに。
あぁ、狂っている。
快楽で無理やり落としたというのにーー彼女自身の心は、手に入っていないというのに。彼女の身体に溺れている現状に、歪んだ独占欲が満たされるようだった。
歪んだ独占欲が、支配欲とはまた違う感情で埋め尽くされる。
君の全部を知りたいと願う一方で、
こんな醜い内側を見られたくないと叫ぶ己がいる。
君には届かなくていいから。それはあくまで、彼女に触れる前までの綺麗事だった。
◇ ◇ ◇ ◇
一目惚れだった、運命だと思った。神なんてものは信じていなかったが、その時ばかりは感謝した。
彼女は僕の一つ下の学年ーー所謂後輩の立場だった。
交わるはずのない、違う世界に生きていた。
裕福な代わりに愛情を失った家族。くだらない嫉妬や憎悪が渦巻く世界。
上位層と呼ばれる人間の立場だった僕は、ふらりと立ち寄った図書室で、彼女を見かけて、恋に落ちた。
僕の世界の人間とは似ても似つかないーー対比的な存在。
純粋無垢といえばそれまでの、ーー汚れを知らない彼女に。
気付けば、目が離せなくなっていた。
恋に落ちたことを自覚した後、彼女を堕とすことに決めてーー何度かの交流を重ねて、彼女の警戒心が解けてきた頃。
いつもの待ち合わせ場所で、図書室で彼女と出会った場所へと急いで足を踏み入れた刹那、視界に飛び込んできたのは、
ーーあの子に覆い被さるように、静かにキスをする男の姿だった。
ハッとしてあの子が目を見開く。違う、とばかりに瞳に動揺が走る。必死に引き剥がそうとしていたらしい腕は、驚愕からか留まっていた。
気付いていたらしい男が唇を離し、何かを囁きーー彼女へ親しげな笑みを浮かべて立ち去った。
去り際に僕へ、侮蔑の視線と、見下しの笑みを向けて。
そう理解した瞬間、視界がカッと熱くなった。
裏切られた。裏切った?彼女が、僕以外の男に。気を許した挙げ句ーー奪われるなんて。
違うの、と弁解の言葉を必死に口にする彼女に、荒ぶる気を抑えられなかった。
細い腕を掴み、ーーへの道を歩いていく。
苛立ちが募る。裏切った癖に。
ーー君も、結局……と同じなんだな。
冷めた口調でそう呟けば、危うい足取りで歩く怯えた様子の彼女が、更に身を縮こませた気がした。
でも、もう遅い。裏切ったのは君の方だ。
……怒りで狂ってしまいそうだった。
◇ ◇ ◇
誰も来ない密室。滅多に人の立ち寄らないーー助けも来ない暗い部屋。
服を脱がせられ、善がり狂う程に蕩かされた彼女の、どこか焦点の合わない瞳と絡み合う。
彼女は僕を裏切った。……それ相応の罰は受けてもらなければ。
もどかしげに体を震わせる彼女は、
もはや快楽で完全に蕩けてしまっている。
ぐちゅりと淫らな音が響く其処は、
相変わらずとろとろと甘い蜜を溢している。
唇を下でなぞると、ひどく可愛らしい吐息が漏れる。肌をなぞれば、……敏感なのか体がよく反応する。その全てが僕を喜ばせた。
仄暗い独占欲。
彼女の中を、ずっと蹂躙したかったのだ。
犯して啼かせて。
苦しそうにもがく君が、圧迫感に身を捩らせるのが、どれほど僕の興奮を煽るのか、分かっていないだろう。
もっと、深くまで繋がろうと腰を深く突く。
その度に漏れる甘い嬌声に、ゾクゾクとした高揚感と興奮を覚える。
僅かながら残った理性で拒もうとしているのか、弱々しい抵抗、嫌々と首を振る仕草をする。
涙目で嫌だと懇願する彼女の中をぐちゅぐちゅと掻き回せば、嫌がっているには到底思えない、ーー快楽に溺れた声が漏れる。
涙目で拒絶しようとする様は酷く哀れで、しかしそれが裏切った罰なのだと思えば、酷く愛おしく感じた。
なぜ、早くこうしなかったのか。そうすれば、彼女はこんなにもあっさりとーー堕ちてくれたのに。
あぁ、狂っている。
快楽で無理やり落としたというのにーー彼女自身の心は、手に入っていないというのに。彼女の身体に溺れている現状に、歪んだ独占欲が満たされるようだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる