31 / 40
No.31 破壊者との再戦!そして第四の破壊者!?
しおりを挟む突如として現れた3体の破壊者。
絶望的な状況下と思われたが、全力を出せるようになった魔王達はこれを一蹴。
「ふん、一昨日来やがれ」
「なんという力!」
ティターノはフラマーラの圧倒的な力を目の当たりにしてただ驚く事しか出来なかった。
「さあてと……ん?」
フラマーラが消し飛ばした破壊者の中から焔の塊が現れる。
「なんだあれは……?」
「あら、随分と大きなコアね」
破壊者を取り込んだイビルハンガーも、跡形もなく姿を消した筈がその巨大なコアだけは残っていた。
そのコアは空に上がって行く。
「ひっひっひ、そいつらが敵わないなんて想定済みだ」
巨大なコアは、マドボラがいる場所に設置された装置に向かって収束する。
「魔力の吸収完了!!次のフェーズに移行する!起動だ!」
マドボラが声を上げると彼の眼前にある地面が割れ、その下から巨大な何かが現れる。
「こいつはコントロール権を奪う以外にろくに改造出来なかったが、まあいい。それはまた後でだ。行くぞ光の破壊者ゴーレム!」
現れた光の破壊者の胸部分に飛んで行くマドボラ。
そこには光輝く巨大なコアがあり、彼はそのコアと融合した。
「ぐおお!!ぐははははは!!良いな!!とんでもねぇ魔力が体を駆け巡る!!景気づけに一発ぶっ放してやるぜ!」
破壊者の腕からビームが放たれ、その軌道にあるものを吹き飛ばす。
「まさか破壊者をコントロールするためにそこまでするとはな」
上からマドボラに話しかける声がする。
「ん?おお、闇と耀の魔王様方か」
上空にはテネバイサスとアウレンデントが、マドボラを見下ろす形で飛んでいた。
「丁度良い!貴様らで試運転といくか!ゴーレム!」
マドボラが合図をすると耀の破壊者は再度ビームを放つ。
空を飛びまわりテネバイサスとアウレンデントは攻撃をしかける。
「光線だったらこっちも!」
アウレンデントは相手に劣らぬ程の巨大なビームを放つ。
「ひっひっひ!効くか!」
破壊者は光の壁に覆われたビームを弾き返す。
「あらま、効かないのね」
するとこの時、破壊者のコアが赤く光る。
「おお!炎のコアが変換完了したな!!ちょいと試しに焼き払ってみるか!ゴーレム!フレイムチャージ!」
破壊者の腕が赤く光り、その腕からヒビが入り溶岩が噴き出す。
「焼き尽くしてやれ!」
手の先から勢いよく炎が放たれる。
「その程度!」
テネバイサスが煙を出し、壁を作った。
煙の壁に触れた炎はそのまま煙の中に飲み込まれていく。
「お返しだ!」
紫炎が煙から放出される。
「おお!そういえばそんなのがあったなぁ!ん?丁度良い!」
マドボラは破壊者の手を前に出す。
「フローズンチャージ!!」
破壊者の腕は今度は青白く光り、炎を凍結させた。
砕け散る氷をみてマドボラは高らかに笑う。
「ゲヒッヒッヒッヒッ!!!氷の魔力も変換完了だ!!」
「やっぱりそうか!取り込んだ魔力を使えるのか。めんどうな奴だ」
「なんだか段々あの人の性格変わって来てない?」
「それじゃあ氷、炎、そして光の三種の魔力を組み合わせてぇ!」
マドボラは三種類の魔力を、破壊者の手に集中させる。
「消し飛べェっ!!!」
「させませんよ!!」
破壊者の手からビームが放たれる瞬間、下から巨大な木が生え、破壊者の腕を押し上げた。ビームは大きく空に向かって飛んでいった。
「アギ―ちゃん!」
「無事だったか!」
破壊者の足元にアギ―がいた。
「召喚士!もうこんな所まで来ていたか!!」
マドボラも彼女に気付く。
「だったら貴様ごと!!うっ、なんだ!?」
破壊者の腕を押し上げた木からどんどん根が生え、破壊者の腕全体に広がっていた。
「しまった!早く取り除かねぇと!」
「お二人とも!今のうちにこっちへ!」
木の根を燃やす破壊者。その隙にアギ―の元にテネバイサスとアウレンデントが来る。
「何かアイデアがあるのか?」
「はい!準備お願いします!」
「クソ!うっとおしい植物だ!ひっひっひ!植物は乾燥してないと全然燃えねぇんだな!!だが関係ねぇ!圧倒的なこの力で焼き尽くしてやる!」
より多くの炎を腕から放出する。
彼の意識は完全に腕の植物に向いていた。
「よーし!準備オーケーです!」
「さて、こっちも大丈夫だ」
「あらぁ、面白いわね。ナチュラルなデザインがグッドだわ!」
アギーは植物で大砲を作った。
テネバイサスは煙を出し砲弾のようなものを、その大砲内に設置する。
「煙で光が溢れないように!全力でいけ!」
「思いっきりいくわよー!」
砲弾の中にアウレンデントが入ると、アギ―が大砲に魔力を流した。
大砲はその向きと角度を変更し始める。
「木々の声に従って……ここです!!!」
アギ―がそう言うと勢いよく砲弾が射出。
「ん?なんだ今度は大砲?は!そんなものでこの破壊者マドボラ様に敵うかよ!!舐めるんじゃねぇぞ!!」
破壊者の腕を操作して先程のビームを放とうとするマドボラ。
「遅いわよッ!!」
放たれた砲弾が大爆発を起こした。
中からまるで太陽のような強烈な光が。
例え地平線の向こう側にいたとしても目を覆いたくなる程だった。
「ぐおッ!?目が!?」
目をやられた状態で放ったビームは全く別の方向に飛んで行った。
「ち、チクショウ!闇の魔力!俺様を守れ!!」
闇の煙を放って自身の周囲を防護しようとするマドボラ。
「闇はダーリンが使うから良いのよ!貴方みたいなのに使われたくないわ!!」
光と化したアウレンデント、破壊者の中心にいるマドボラ目掛け飛んで行く。
「があ……あ?!」
次の瞬間マドボラは破壊者の外に。アウレンデントが激突し、そのままの勢いで引き剝がされたのだ。
「これでお終いね」
アウレンデントは近くの山の頂上で、マドボラを放り投げた。
「はぁ、はぁ、これが耀の魔王の力か……ひっひっひ!スゲェな、少しばかり残念だな。この先をこの目で観れないなんてな……」
コアと完全に一体化していた腕足が無い状態のマドボラはそう言って笑う。
「だが魔力の変換は全て終わった……」
「それどういう意味かしら?」
アウレンデントがマドボラを魔力で浮かべて質問する。
するとその背後で、破壊者の身体から5つの巨大なコアが現れ空へと飛んで行った。
先ほど破壊者からマドボラにコアが終結したのと同じ構図だ。
「ひっひっひ、これでお終いとか言ったか?何言ってんだ、テメェ等が幕引きを決められるような立場にいると思うなよ。それを決めるのはあのお方だ。あのお方が全てを終わらせる……ひっひっひ、そうだお前らの中に死体の記憶でもみれる奴がいるなら俺の記憶を見てみるがいいさ。もう何を知ったところで遅い話だ……」
「そう、じゃあ遠慮なく」
彼の胸をレーザーで焼き、アウレンデントはそう言った。
「ただいまー一応これも連れて来たわ」
アウレンデントはアギ―の元に戻る。
「ダーリン、頼めるかしら?」
「ああ、すぐに」
「よお!なんだ、もうこっちも片付いちまったのか」
「そちらも問題なかったようだな」
そこにフラマーラとグレイシモンドがやって来た。
その時、急に空が暗くなる。
「今度は何でしょうか……あ……み、みなさん、あれ……」
アギ―が空に指をさす。
「あの巨大なコアが飛んで行った方向だ。なんだあれは?」
テネバイサスがその光景に驚く。
空中に大きな扉が現れていたのだ。
「はぁ、ようやくこの時が来た。さあ世界よ、死が降り注ぐぞ。我が名はトータナス、死そのものである」
禍々しい扉が、今開かれる。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる