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シュウが考えるそぶりをするのを横目で見ながら、左耳の耳飾りに手をやった。
銀の金具に指を添わせながら、気づかれないようにシュウを見やる。
———あいつ一体どこから来たんだろう?銀髪って珍しいよな…でも目は宝石みたいだな。
珍しそうに家の中に集中している間にそんなことを考える。そもそもユウリの家に人が来ることは珍しい。これ以上に何のもてなしをすればいいのかもわからないし相手が行動するまで待つことにした。
そもそもシュウはいったい何者なのか…。
剣を背負う人、つまりスタイルは違えど、ユウリみたいな人はここら辺ではギルドに所属する人だと思うから森の中を歩くことは珍しいことではない。だからシュウも同じように冒険者かもしれない。
しかし多くの冒険者はそれに大体が顔見知りでこんな国境沿いに出向いてくる人はそれほど多くない。
それにほぼ手ぶらで、単独の剣士ならともかく魔法使いが森にいることは珍しい。
(やっぱり貴族か?お忍びではぐれたとか?)
そこまで考えて答えが分からないことには楽しくもないよなと思案した。
こういうのは本当のことが知れたときに当たっていたら嬉しいから考えるのだ。それにユウリはそんな親しくもない相手にホイホイ自分を見せたくはない。
(どうせこんなところで当てたってこの場限りになるに違いないのに。)
家で寂しい時によくやった一種の遊び事だった。父や母を訪ねてくる人は多くて、その分一人で待たされることも多かった。寂しいほどではなかったがもう会えなくなると知っていたら、我儘になれたかもしれなかったのに。
その時、脳裏にキラキラ輝く星色の髪を持った少年がチラついた。
————ほら、あの人は今から女に告白するやつだぞ?見たかユウリ!絶対に俺の見方は間違っていないから、そこで見てろよ———
そういえば、この遊びを教えてくれたあいつは誰だったっけ?
ユウリは記憶力の悪い方じゃないはずだ。なのに微塵もその人を思い出せる気がしなくて、そもそもそんな人いなかったのかもしれない…。
そんな風に唸るユウリをシュウは目敏く目に入れるとニヤッと笑う。
「どうした考え事か?なにかあったのか?」
ポーカーフェイスだったはずなのに、と声をかけられて顔をあげる。
「……」
———気付いかれたのか、敏いやつだ。
からかっているかのように目を細めると今度はユウリをジーっと見返して首をかしげる。
「…なぜ?」
「なぜってさっきからずっと見ていたのは分かっている。ってか、それで分かっていない人のほうが少ないだろ?」
自分は巧妙に覗き見ていたと思っていたが、その考えが筒抜けの状態であったことに驚きを隠せない。
ますます意味が分からなくなって、どことなくシュウの目線を受けると背筋がゾワッとしているようにも感じる。それはまるで、たまに相手するS級ランクの魔物に出会ってしまった時のようだ。
シュウは根気強くユウリが答えるのを待ちながらも視線はそらさなかった。
何だか居心地が悪い。いったい何を応えればいいというのか…。
今さっきも言ったが、ユウリは詮索されたくないし、聞かれても答えるつもりがない。これは遊びだ。
それに、ユウリは自分のことを話す気がないから、個人的な質問をすることは不公平な気がする。
しかし気になるものは気になるし、最終的に自分の考えに答えが欲しいという気持ちもごまかせない。
だから遅かれ早かれ聞くのは確かだが、どうしたものか。
これで縁が切れるような相手かもしれないのに。
紅茶のほうにもう一度目線を落として、シュウの顔やその周りを視線が行ったり来たりする。
それからしばらくしてからユウリは意を決したようにシュウと目線を合わせた。
「お前は、……誰なんだ?ってのを、聞きたいんだが、…答えてほしくはない。」
———あなたが誰かということが知りたいのですが、それを当てたいので時間が欲しい。だからもう少し後で教えてほしい。
ユウリは理解しがたい言葉を告げるとフイっと目線をすぐさまそらしてシュウと目線を合わせないようにする。
今回答をもらっても困る。
「…おまえが聞きたいのは身分とかかな。しかも誰じゃなくて、聞きたいのは何しているひとかってことだろ?そんなことはすぐに教えてあげたのに。でも後がいいっていうならあとで教えてやるよ。その代わりあそこにいた目的を教えてやる。…ヒントになるかもしれない。」
正直そんなヒントはそんなの聞きたくない、とユウリは眉を寄せた。
その反応に気づいたのか、陽気な笑い声をあげた。
「俺は、人を探している。この世で最も大切な人だ」
銀の金具に指を添わせながら、気づかれないようにシュウを見やる。
———あいつ一体どこから来たんだろう?銀髪って珍しいよな…でも目は宝石みたいだな。
珍しそうに家の中に集中している間にそんなことを考える。そもそもユウリの家に人が来ることは珍しい。これ以上に何のもてなしをすればいいのかもわからないし相手が行動するまで待つことにした。
そもそもシュウはいったい何者なのか…。
剣を背負う人、つまりスタイルは違えど、ユウリみたいな人はここら辺ではギルドに所属する人だと思うから森の中を歩くことは珍しいことではない。だからシュウも同じように冒険者かもしれない。
しかし多くの冒険者はそれに大体が顔見知りでこんな国境沿いに出向いてくる人はそれほど多くない。
それにほぼ手ぶらで、単独の剣士ならともかく魔法使いが森にいることは珍しい。
(やっぱり貴族か?お忍びではぐれたとか?)
そこまで考えて答えが分からないことには楽しくもないよなと思案した。
こういうのは本当のことが知れたときに当たっていたら嬉しいから考えるのだ。それにユウリはそんな親しくもない相手にホイホイ自分を見せたくはない。
(どうせこんなところで当てたってこの場限りになるに違いないのに。)
家で寂しい時によくやった一種の遊び事だった。父や母を訪ねてくる人は多くて、その分一人で待たされることも多かった。寂しいほどではなかったがもう会えなくなると知っていたら、我儘になれたかもしれなかったのに。
その時、脳裏にキラキラ輝く星色の髪を持った少年がチラついた。
————ほら、あの人は今から女に告白するやつだぞ?見たかユウリ!絶対に俺の見方は間違っていないから、そこで見てろよ———
そういえば、この遊びを教えてくれたあいつは誰だったっけ?
ユウリは記憶力の悪い方じゃないはずだ。なのに微塵もその人を思い出せる気がしなくて、そもそもそんな人いなかったのかもしれない…。
そんな風に唸るユウリをシュウは目敏く目に入れるとニヤッと笑う。
「どうした考え事か?なにかあったのか?」
ポーカーフェイスだったはずなのに、と声をかけられて顔をあげる。
「……」
———気付いかれたのか、敏いやつだ。
からかっているかのように目を細めると今度はユウリをジーっと見返して首をかしげる。
「…なぜ?」
「なぜってさっきからずっと見ていたのは分かっている。ってか、それで分かっていない人のほうが少ないだろ?」
自分は巧妙に覗き見ていたと思っていたが、その考えが筒抜けの状態であったことに驚きを隠せない。
ますます意味が分からなくなって、どことなくシュウの目線を受けると背筋がゾワッとしているようにも感じる。それはまるで、たまに相手するS級ランクの魔物に出会ってしまった時のようだ。
シュウは根気強くユウリが答えるのを待ちながらも視線はそらさなかった。
何だか居心地が悪い。いったい何を応えればいいというのか…。
今さっきも言ったが、ユウリは詮索されたくないし、聞かれても答えるつもりがない。これは遊びだ。
それに、ユウリは自分のことを話す気がないから、個人的な質問をすることは不公平な気がする。
しかし気になるものは気になるし、最終的に自分の考えに答えが欲しいという気持ちもごまかせない。
だから遅かれ早かれ聞くのは確かだが、どうしたものか。
これで縁が切れるような相手かもしれないのに。
紅茶のほうにもう一度目線を落として、シュウの顔やその周りを視線が行ったり来たりする。
それからしばらくしてからユウリは意を決したようにシュウと目線を合わせた。
「お前は、……誰なんだ?ってのを、聞きたいんだが、…答えてほしくはない。」
———あなたが誰かということが知りたいのですが、それを当てたいので時間が欲しい。だからもう少し後で教えてほしい。
ユウリは理解しがたい言葉を告げるとフイっと目線をすぐさまそらしてシュウと目線を合わせないようにする。
今回答をもらっても困る。
「…おまえが聞きたいのは身分とかかな。しかも誰じゃなくて、聞きたいのは何しているひとかってことだろ?そんなことはすぐに教えてあげたのに。でも後がいいっていうならあとで教えてやるよ。その代わりあそこにいた目的を教えてやる。…ヒントになるかもしれない。」
正直そんなヒントはそんなの聞きたくない、とユウリは眉を寄せた。
その反応に気づいたのか、陽気な笑い声をあげた。
「俺は、人を探している。この世で最も大切な人だ」
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