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「おまえ、さっきからいきなり何?……だれだよ⁉」
普段こんなに大きい声出さないから最後のとこで声が少し変に上がる。
仮面野郎はユウリのその言葉に何を思ったのか、ゆっくりと行動を止めた。
「—————閉じ込めた本人がこのざまとはどうしようもない!ここは人の記憶の中、ここはお前が作り出した幻想なのだろう?ごまかす、…な?」
「記憶の中…?」
そういわれて仮面野郎から視線を外してもう一度周りをよく見てみた。仮面野郎が初めて正面からこちらを向くから、言われたとおりにする。仮面野郎はなぜだか少し動揺しているみたいだ。
しかし今さっきまでの洞窟とあまり変わりはなくて、「コイツいかれている」と、つい心を漏らした。おかしいところなんて何も見当たらない。逆にここが可笑しいというのならすべてのダンジョンが可笑しいことになってしまう。
「ここの洞窟の何が可笑しい?」
「洞窟…惚けるのも大概にって、それに洞窟なんかじゃないだろう」
「…本当に(いかれているのか)?……ダンジョンだぞ?」
「ここは洞窟なんかじゃないじゃないですか、どっからどう見ても将軍の庭ではないですか?」
(…庭?俺にはどっからどう見てもダンジョンの洞窟にしか見えない。)
仮面野郎は初めてぶつかってきたときのような威勢がなくなってなぜか敬語で話し始めた。
「…お医者さんところに行く?」
もしかしたら、長い間洞窟にいすぎて、目が可笑しくなっているのかもしれない。正気に戻ったのかもしれないと思うと、さっきまで全力で打ち合っていたことも忘れて、ユウリは無遠慮に言い放った。
するとあっちも考えを改めたのか、一人でぶつぶつと考えに耽り始める。一人で騒ぎはじめて、一人で暴れて、一人で怒鳴って、無駄にうるさい。
ユウリは服についたほこりを払ってから、また襲われないように少し距離をとって座り直した。
「———いつからここに?」
「……一時間はたっていないと思いたい。」
さっきとは打って変わって、どうやら本当に落ち着きを取り戻したらしい。最初のやつは落ち着いていないときの対応らしい。
「…一時間?じゃあ、どうやってここまで入ってきたんですか?」
「壁からニュッて来た。」
「ニュッ?」
あー、これは伝わらないのか。ユウリは左耳のイヤーカフをなんとなくいじってから一般人の理解の低さを思い出した。シュウには問題なく伝わるその言葉は、なぜかほかの人に伝わらない。
「えーと、だから—————」
さっきまであったことを一通り話すと仮面野郎はなぜだか驚いた顔をした。
「じゃあ、生きているのか⁉ですか!」
「…え?」
(は?俺、死んで?—————いや待て、こいつは今さっきから自分のことを話さないから状況がわからない。死んでいるわけないよな?)
「ってか、お前は何だよ?…いきなり襲ってきて危ない。」
仮面野郎は驚いたように目を見開いて、「その件についてはすみませんでした」といった。
「————私は人の欲から生まれる悪魔、クピディダスの悪魔を探しています。」
「…くぴでぃだす」
(クピディダスの悪魔ってなんだ?)
顔はポーカーしているはずなのに、仮面野郎はこっちがわかっていないことを悟ったのか、やけに大きなため息を吐いた。なんか俺の苦労が無になった感じだ。
「—はぁ。…あなたの顔、本当にわかりやすい。空間魔法の別名をクピディダスの空間ということをしっていますか?」
「あんまり」
「クピディダスの悪魔というのは一種の空間魔法の呪いみたいなもので、人間の欲がそれを生み出します。僕は、そこに干渉する能力を持っているとでも考えてください。」
それがつまりどんな能力であるかという詳細を放っておいても、その悪魔に対する知識がこいつのほうが上なんだと理解した。仮面野郎は黒いマントの下から先の打ち合いでずれた服を少し直しながら、話を続ける。
「本当ならこんな話はしないのですが、今はあなたの信用が必要かもしれないから。」
「……お前はその悪魔を探してどうする?そもそもその悪魔は何?」
「探しモノがあるんです。探しモノはきっと悪魔が持っている。そもそも悪魔たちは人間の欲から生まれるんです。だから大きな戦争とか人の感情が高ぶる時が一番生み出しやすいんです。———自分が必要だと思った人や物を無意識に取り込んでその空間に閉じ込めようする。ほら、昔話にも『ゼニフの秘密の扉』っていう本があるじゃないですか。」
「…あれが?」
「そう、いつしかかわいい童話に変えられましたが、協会なんかにはそのまま残っているのもありますよ。」
仮面野郎はそういった。
ゼニフってあのゼニフ?あんな御伽噺がこれと同じというなら確かにそれは一大事だ。『ゼニフの秘密の扉』は古くからある子供向けの本だ。どこにでもあるようなごく普通の話で、なんも不思議なところはない。
「でもあれのどこが同じなんだ?あれは爺さんが大切なものをカバンに詰め込んでなくさないっていうだけじゃ?悪魔なんてみじんも出てこない。」
「違うよ?もしかして絵本しか読んだことないんじゃない?」
「違う?」
仮面野郎は「ああ」と言って頷くと語り始めた。
普段こんなに大きい声出さないから最後のとこで声が少し変に上がる。
仮面野郎はユウリのその言葉に何を思ったのか、ゆっくりと行動を止めた。
「—————閉じ込めた本人がこのざまとはどうしようもない!ここは人の記憶の中、ここはお前が作り出した幻想なのだろう?ごまかす、…な?」
「記憶の中…?」
そういわれて仮面野郎から視線を外してもう一度周りをよく見てみた。仮面野郎が初めて正面からこちらを向くから、言われたとおりにする。仮面野郎はなぜだか少し動揺しているみたいだ。
しかし今さっきまでの洞窟とあまり変わりはなくて、「コイツいかれている」と、つい心を漏らした。おかしいところなんて何も見当たらない。逆にここが可笑しいというのならすべてのダンジョンが可笑しいことになってしまう。
「ここの洞窟の何が可笑しい?」
「洞窟…惚けるのも大概にって、それに洞窟なんかじゃないだろう」
「…本当に(いかれているのか)?……ダンジョンだぞ?」
「ここは洞窟なんかじゃないじゃないですか、どっからどう見ても将軍の庭ではないですか?」
(…庭?俺にはどっからどう見てもダンジョンの洞窟にしか見えない。)
仮面野郎は初めてぶつかってきたときのような威勢がなくなってなぜか敬語で話し始めた。
「…お医者さんところに行く?」
もしかしたら、長い間洞窟にいすぎて、目が可笑しくなっているのかもしれない。正気に戻ったのかもしれないと思うと、さっきまで全力で打ち合っていたことも忘れて、ユウリは無遠慮に言い放った。
するとあっちも考えを改めたのか、一人でぶつぶつと考えに耽り始める。一人で騒ぎはじめて、一人で暴れて、一人で怒鳴って、無駄にうるさい。
ユウリは服についたほこりを払ってから、また襲われないように少し距離をとって座り直した。
「———いつからここに?」
「……一時間はたっていないと思いたい。」
さっきとは打って変わって、どうやら本当に落ち着きを取り戻したらしい。最初のやつは落ち着いていないときの対応らしい。
「…一時間?じゃあ、どうやってここまで入ってきたんですか?」
「壁からニュッて来た。」
「ニュッ?」
あー、これは伝わらないのか。ユウリは左耳のイヤーカフをなんとなくいじってから一般人の理解の低さを思い出した。シュウには問題なく伝わるその言葉は、なぜかほかの人に伝わらない。
「えーと、だから—————」
さっきまであったことを一通り話すと仮面野郎はなぜだか驚いた顔をした。
「じゃあ、生きているのか⁉ですか!」
「…え?」
(は?俺、死んで?—————いや待て、こいつは今さっきから自分のことを話さないから状況がわからない。死んでいるわけないよな?)
「ってか、お前は何だよ?…いきなり襲ってきて危ない。」
仮面野郎は驚いたように目を見開いて、「その件についてはすみませんでした」といった。
「————私は人の欲から生まれる悪魔、クピディダスの悪魔を探しています。」
「…くぴでぃだす」
(クピディダスの悪魔ってなんだ?)
顔はポーカーしているはずなのに、仮面野郎はこっちがわかっていないことを悟ったのか、やけに大きなため息を吐いた。なんか俺の苦労が無になった感じだ。
「—はぁ。…あなたの顔、本当にわかりやすい。空間魔法の別名をクピディダスの空間ということをしっていますか?」
「あんまり」
「クピディダスの悪魔というのは一種の空間魔法の呪いみたいなもので、人間の欲がそれを生み出します。僕は、そこに干渉する能力を持っているとでも考えてください。」
それがつまりどんな能力であるかという詳細を放っておいても、その悪魔に対する知識がこいつのほうが上なんだと理解した。仮面野郎は黒いマントの下から先の打ち合いでずれた服を少し直しながら、話を続ける。
「本当ならこんな話はしないのですが、今はあなたの信用が必要かもしれないから。」
「……お前はその悪魔を探してどうする?そもそもその悪魔は何?」
「探しモノがあるんです。探しモノはきっと悪魔が持っている。そもそも悪魔たちは人間の欲から生まれるんです。だから大きな戦争とか人の感情が高ぶる時が一番生み出しやすいんです。———自分が必要だと思った人や物を無意識に取り込んでその空間に閉じ込めようする。ほら、昔話にも『ゼニフの秘密の扉』っていう本があるじゃないですか。」
「…あれが?」
「そう、いつしかかわいい童話に変えられましたが、協会なんかにはそのまま残っているのもありますよ。」
仮面野郎はそういった。
ゼニフってあのゼニフ?あんな御伽噺がこれと同じというなら確かにそれは一大事だ。『ゼニフの秘密の扉』は古くからある子供向けの本だ。どこにでもあるようなごく普通の話で、なんも不思議なところはない。
「でもあれのどこが同じなんだ?あれは爺さんが大切なものをカバンに詰め込んでなくさないっていうだけじゃ?悪魔なんてみじんも出てこない。」
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仮面野郎は「ああ」と言って頷くと語り始めた。
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