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急に奈落に突き落とされたみたいなそんな気持ちで目が覚めた。
そこは見慣れない部屋の一室で王族とかが使うような天蓋付きのベッドと薄いカーテンの奥にセンスのいい家具が見えた。
(———既視感があるような、…ないような?)
本の中で見たことでもあっただろうかというくらいに違和感がなくて自分が場違いであることが頭から抜け落ちた。
勢いよくカーテンが開かれた。直接入ってきた光に目を細める。
「——ユウリ‼…起きたのか?体はどうだ?どこか調子の悪いところはないか?…水、飲んだ方がいいよな?」
当然起きていないとでも思っていたのか、ユウリが起きていることに驚きを隠せていないシュウがいた。いつも寝こけているからと言って失礼な奴だ。
シュウはユウリが起きていることを確認するとまくしたてるように言う。そうして慌てたように入ってきたはずの扉から出ていく後姿を呆然と見つめるしかなかった。
「え、まて。今の状況を先に教えてくれ…」
(起きたばかりだというのに落ち着く暇もないのか…?)
慌ただしく医者が出入りして、帰っていく。しかしそれ以外にこの部屋に他に人が近づく気配もない。
やけに静けさを感じて扉に目を向けた。
「あの後どうなったんだ?」
ユウリがそう話を振る。
聞くところによると、ユウリはあの事件からかれこれ1週間も寝こけていたらしい。
それでも餓死しなかったのは体内の魔力を循環させていたからだ。
夢で見たジュナファーはユウリの知る悪魔ではなかった。そうしてなぜかユウリの母親も現れるものだから、すごく会いたくなった。久しぶりに見た母親は少しおぼろげな感じで、ユウリの記憶にある母とは少し違うような感じがした。
「あの後というと、どこまでは覚えている?」
ユウリのベッドの周りに椅子をもってくるとなるべく近づいて座る。
「ああ、たしかジュナファーさんに会ったのは覚えている」
ジュナファーがクピディダスと化したのは10年前に起きた災厄が原因だ。それはユウリの夢からもわかることだし、何よりもハルの言っていたことが否定されなかったことが大きい。
隣国の王族殺しから生まれた瘴気が西の国の国境であるエイデン領にたどり着いた。
その災厄ではユウリの両親を含め多くの人が被害にあったのもまだエイデンの人たちにとっては新しい記憶だ。
どういう経緯かというのは言わずとも知れている。問題なのは魔力を持つ人は瘴気から守られているはずなのにどうして人に影響を及ぼしているのかということである。
しかし一介の冒険者である自分が思案してどうにかなることではない気がする。
するとそこへ見たことがないような美男子がワンノックで入ってきた。
「兄さんたち僕も失礼するよ。ユウリ兄さん体調のほうはどうだい?」
「え、」
兄さんという言葉を聞いて、この美男子がハルだったことに気づいて、自然とあんぐり口が開いた。ハルこと、レオンハルトは仮面をとれば、シュウよりも少しくらい銀髪にアメジストの瞳で、見れば見るだけそっくりで、本当に兄弟だったらしい。
(ってことはここはシュウたちの家なのか?)
しばらく一緒に生活していてもこんなリッチな人間だとは一ミリも疑わなかった。こいつは普通に平民だと思っていたのに、まさかこんなところで暴露されるなんてどう反応すればいいのか。
ユウリはそう自分の中で問いかけた。しかしそれに答えるものなんていはしない。
「というかこんなに住みやすい家があるならどうして帰らなかったんだ」とユウリは眉をひそめた。帰った方が何倍も楽だっただろうに。
「レオン」
「というか兄さん。どうして表から入らなかったの?窓から入るなんて、まるで子供の時だね。それに母さんたちに顔を見せた?」
仮面をかぶっていた時とは違って、おしゃべりでしっかりした弟をしている。せっかく弟が話しているというのに反応の薄いシュウに代わりにユウリが話を振る。
「本当に兄弟だったんだな…?お前がこんなに金持ちだって知らなかったぞ。帰った方が何倍も楽だったんじゃないのか…?」
「…別にいわなくてもいいだろ…関係ないし。」
「そうだ」
やけにかかわってほしくな意味合いですんなりとユウリは認めてやった。
そこは見慣れない部屋の一室で王族とかが使うような天蓋付きのベッドと薄いカーテンの奥にセンスのいい家具が見えた。
(———既視感があるような、…ないような?)
本の中で見たことでもあっただろうかというくらいに違和感がなくて自分が場違いであることが頭から抜け落ちた。
勢いよくカーテンが開かれた。直接入ってきた光に目を細める。
「——ユウリ‼…起きたのか?体はどうだ?どこか調子の悪いところはないか?…水、飲んだ方がいいよな?」
当然起きていないとでも思っていたのか、ユウリが起きていることに驚きを隠せていないシュウがいた。いつも寝こけているからと言って失礼な奴だ。
シュウはユウリが起きていることを確認するとまくしたてるように言う。そうして慌てたように入ってきたはずの扉から出ていく後姿を呆然と見つめるしかなかった。
「え、まて。今の状況を先に教えてくれ…」
(起きたばかりだというのに落ち着く暇もないのか…?)
慌ただしく医者が出入りして、帰っていく。しかしそれ以外にこの部屋に他に人が近づく気配もない。
やけに静けさを感じて扉に目を向けた。
「あの後どうなったんだ?」
ユウリがそう話を振る。
聞くところによると、ユウリはあの事件からかれこれ1週間も寝こけていたらしい。
それでも餓死しなかったのは体内の魔力を循環させていたからだ。
夢で見たジュナファーはユウリの知る悪魔ではなかった。そうしてなぜかユウリの母親も現れるものだから、すごく会いたくなった。久しぶりに見た母親は少しおぼろげな感じで、ユウリの記憶にある母とは少し違うような感じがした。
「あの後というと、どこまでは覚えている?」
ユウリのベッドの周りに椅子をもってくるとなるべく近づいて座る。
「ああ、たしかジュナファーさんに会ったのは覚えている」
ジュナファーがクピディダスと化したのは10年前に起きた災厄が原因だ。それはユウリの夢からもわかることだし、何よりもハルの言っていたことが否定されなかったことが大きい。
隣国の王族殺しから生まれた瘴気が西の国の国境であるエイデン領にたどり着いた。
その災厄ではユウリの両親を含め多くの人が被害にあったのもまだエイデンの人たちにとっては新しい記憶だ。
どういう経緯かというのは言わずとも知れている。問題なのは魔力を持つ人は瘴気から守られているはずなのにどうして人に影響を及ぼしているのかということである。
しかし一介の冒険者である自分が思案してどうにかなることではない気がする。
するとそこへ見たことがないような美男子がワンノックで入ってきた。
「兄さんたち僕も失礼するよ。ユウリ兄さん体調のほうはどうだい?」
「え、」
兄さんという言葉を聞いて、この美男子がハルだったことに気づいて、自然とあんぐり口が開いた。ハルこと、レオンハルトは仮面をとれば、シュウよりも少しくらい銀髪にアメジストの瞳で、見れば見るだけそっくりで、本当に兄弟だったらしい。
(ってことはここはシュウたちの家なのか?)
しばらく一緒に生活していてもこんなリッチな人間だとは一ミリも疑わなかった。こいつは普通に平民だと思っていたのに、まさかこんなところで暴露されるなんてどう反応すればいいのか。
ユウリはそう自分の中で問いかけた。しかしそれに答えるものなんていはしない。
「というかこんなに住みやすい家があるならどうして帰らなかったんだ」とユウリは眉をひそめた。帰った方が何倍も楽だっただろうに。
「レオン」
「というか兄さん。どうして表から入らなかったの?窓から入るなんて、まるで子供の時だね。それに母さんたちに顔を見せた?」
仮面をかぶっていた時とは違って、おしゃべりでしっかりした弟をしている。せっかく弟が話しているというのに反応の薄いシュウに代わりにユウリが話を振る。
「本当に兄弟だったんだな…?お前がこんなに金持ちだって知らなかったぞ。帰った方が何倍も楽だったんじゃないのか…?」
「…別にいわなくてもいいだろ…関係ないし。」
「そうだ」
やけにかかわってほしくな意味合いですんなりとユウリは認めてやった。
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