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Bastard & Master 【16】
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【16】
「囲まれてしまったようだ」
レオンが吐き捨てるように呟いた。
緑深い、神秘的な空気を漂わせる森の中――
その間口は大きくなかったが、足を踏み入れてみれば、森は奥へ奥へと深く続いている。
敵は森の外で様子を窺っているのか、入って来る気配はない。
レオンは馬をゆっくりと奥へ進めた。
「ずっと奥へ行けば、反対側に出られるのか……?」
誰にともなく呟くと、ネリーがそっと首を横に振った。
「ロッソの森の奥は、崖になっているの……。入り口を塞がれてしまった今、出る術はないわ」
ロッソの森……
レオンは、そっと息をついた。
「ここが……ロッソの森なのか……」
感慨深げな呟きの意味を探ろうと、ネリーが首を巡らせた時――
懐かしい気配が、二人を包み込んだ。
「これは……っ!?」
「クリステルの大気の壁……!」
ネリーの目には、その壁が道のように森の外から続いている事が見て取れる。
その視線をレオンも追った。
信じられない事に、先程までそこで鬱蒼と繁っていた木々が、道を空けるように移動していた。
クリステルの働きかけで、大地の精霊が木々を移動させ、整地を施したのだ。
開けた視界の向こうから、一頭の馬が疾走して来る。
騎乗の麗人の、金色の髪が風に舞っていた。
クリステル……
また……会えた……
レオンの胸が、じぃん……と、熱くなった。
もう会う事は叶わないかも知れないと、心のどこかで覚悟していた。
しかし、クリステルは来てくれた。
それが彼女の勤めであろうが、構わなかった。
ただ、生きてもう一度会えた事が、レオンの心を揺さぶっていた。
「ご無事ですか?」
硬い表情のままクリステルが訊いた。
レオンは頷いた。
「すまない。不注意だった。こんな事になってしまって……」
「ご無事ならば、いいのです」
しかし、クリステルは、ほっとしたような表情も見せない。
事態が切迫している事に、変わりはないのだ。
「あたしのせいなの」
それまで押し黙っていたネリーが、不意に口を開いた。
クリステルは厳しい視線をネリーに向けた。
「戻るように……というプティの忠告を、無視なさったそうですね」
レオンが目を見開いて、ネリーに問うような視線を向ける。
ネリーは二人からの視線を重く受け止めながら、唇を噛んだ。
「命の危険を伴う旅だと、申し上げたはずです」
クリステルが言う。
ネリーは顔を上げ、クリステルを正面から見つめ返した。
「あなたから、レオンを奪おうと思ったの。レオンはあたしが守るつもりだった。でも……何にも出来なかった……」
語尾に、悔しそうな色が滲む。
しばし、言葉を失ったクリステルであったが、やがて厳しい口調で言い放った。
「あなたは貴族の術師が嫌いだと仰った。あなたの意見も一理あるかも知れない。……でも、お金や地位で、術師の能力まで買えるとは、本当はあなただって思っていないはずです」
ネリーは視線を、ぷい……と横へ逸らした。
「あなたのように生きる事が、本来の私達の仕事なのでしょう。貴族の術師は、道を外れていると言われても仕方がないのかも知れません。しかし、だからと言って、遊んで暮らしていると思われるのは心外です。私たちは、少なくともあなたより厳しい世界で生きている」
ネリーは、反感を持った表情を隠す様子もなく、クリステルを見つめ返す。
「真に高貴な方というのは、常に命の危険を背負っていらっしゃる。その方々に伴う術師もまた同じ……」
瞳の強い光が、ネリーを真っ直ぐに捕らえる。
「私とあなたが違うのは、まさにそこです。『レオンを守るつもりだった。でも出来なかった』と、あなたは仰った。しかし、私には『つもり』も『でも』も、許されない。失敗すれば……次はないのです」
改めて、事の重大さに愕然としているネリーを横目に、クリステルは馬から降りた。
「失敗は、死を意味する……。それを理解出来なかったあなたに、レオンは守れない」
厳しく言い放って、クリステルは二人に背を向けるように踵を返した。
ネリーは、その場にがっくりと膝を落とした。
レオンはネリーを支えてやりながら、クリステルの背中に声を投げかける。
「待てよ! 俺は……守られてばかりなのかっ? そんなのは嫌だからな!」
クリステルはゆっくりと振り返り、悠然と微笑んだ。
「あなたは私がお守りします。そしてあなたには……守るべき民があります」
「なっ……! クリステルっ!」
レオンが抗議の声を上げようとした時――森がざわめいた。
森の入り口付近に、火の手があがっていた。
フッサールめ……
いつでもそうだ
焼き払えば、全てが手に入ると思っている……
クリステルは右手で杖を掲げ、左手は胸の前で印を結んだ。
その姿に、ネリーは目を見張る。
クリステルが、彼らの前で初めて、正式な名乗りを上げようとしているのがわかった。
「我が名は……」
レオンも、はっとしてクリステルに目をやった。クリステルの口から、初めて聞くフレーズだった。
「我が名はクリステル。……フェルテの志を受け継ぐ者なり」
「フェルテ……!」
レオンの傍らで、ネリーが小さく叫んだ。
なぜだかネリーは、怯えたように震えていた。
「太古より交わせし契約のもと、我が呼びかけに応え、我の助けとなれ……」
クリステルは杖を大きく振るった。
「出でよ……ドゥアムート……!」
ゴォォォ……という轟音と共に、森の上空に炎の魔人が姿を現した。
魔人が吠えた。
フッサールの兵士達が手にしていたたいまつ、放とうとしていた火矢、そして燃え移っていた森の木々――炎という炎から巨大な火柱があがった。
「ケブフィス!」
続けてクリステルが召喚したのは、目を凝らさなければ気付かないほど、ほとんど透明に近い体の空気の魔人であった。
身体を丸めた姿で現れたケブフィスが、両手足を大きく広げると、爆風が巻き起こった。
ドゥアムートが起こした火柱が、森の外へと暴走する。
空気を多量に受けて、爆発を起こす。
森を囲んでいたフッサールの騎馬隊が、灼熱の舌で舐められた。
夜を呈して走り続けたラインハルトとその兵たちは、ロッソの森を取り囲むように配備された自国の騎馬隊を発見した。
森には、火が放たれていた。
まず間違いなく、クリステルたちは森に閉じ込められているのだろう。
「間に合わなかったか……っ!」
ぎり……と、歯を鳴らしてラインハルトが呟いたその時――
「……まさか……」
ラインハルトの傍らで、ダニエルが呆けたように言った。
後ろに続く兵たちもざわめく。
ラインハルトも声を失っていた。
目指すロッソの森の上空に、巨大な魔人がいた。
「ダニエル……精霊が……術師でない私にも見える。あれは……炎の魔人だ。これは、いったいどういう事か……っ!?」
ラインハルトの搾り出すような声に、ダニエルは首を横に振った。
「術師にも、精霊の姿は見えません。感じる事ができる……それだけなのです。実体化できるのは、最高位の精霊王だけ……」
その意味を理解できず、ラインハルトはダニエルを凝視する。
ダニエルは遠い目をして呟いた。
「あの方は……フェルテだった……」
「フェルテ? 何だ、それは……」
レオンが、クリステルに視線を置いたまま、傍らのネリーに問う。
「この世のあらゆる物に、精霊は宿っている。そしてその全ては、四大属性から生まれている」
ネリーも彼と同じく、クリステルから目が離せないままに答える。
「火、空気、水、そして土……。この四大属性の精霊は、小さくとも高位に位置するんだけど……その高位精霊の中でも、頂点に立つのが精霊王たち……」
ネリーが説明している間も、クリステルは印を結び続け、気を集中させている。
近寄り難いオーラが立ち込めていた。
「本来、精霊たちは自由なの。尊敬に値する術師と判断したら、いつでも誰とでも契約を結ぶ事ができる……。でも……精霊王たちは違う。自分達がこの世で最高と認めた術師の呼びかけにしか応えない」
そこでネリーは言葉を切って、レオンに視線を移した。
レオンもまた、視線をこちらへ移し、ネリーの言葉を待っていた。
「その昔……最初に精霊王と契約を結んだのが、フェルテという名の術師だった。それ以降、契約者は代々フェルテの名を受け継いでいる……」
「……じゃあ……」
レオンの呟きに、ネリーは頷いた。視線が上空を仰ぐ。
「あの炎の魔人はドゥアムート……火の精霊王よ。ケブフィスは、空気の精霊王……。そしてクリステルは……彼らを召喚できる、今の世でただ一人の術師」
レオンは――
圧倒的なオーラを放つクリステルの背中を、言葉もなく見つめた。
彼女の存在が、遠い所にあるように思えた。
つづく
「囲まれてしまったようだ」
レオンが吐き捨てるように呟いた。
緑深い、神秘的な空気を漂わせる森の中――
その間口は大きくなかったが、足を踏み入れてみれば、森は奥へ奥へと深く続いている。
敵は森の外で様子を窺っているのか、入って来る気配はない。
レオンは馬をゆっくりと奥へ進めた。
「ずっと奥へ行けば、反対側に出られるのか……?」
誰にともなく呟くと、ネリーがそっと首を横に振った。
「ロッソの森の奥は、崖になっているの……。入り口を塞がれてしまった今、出る術はないわ」
ロッソの森……
レオンは、そっと息をついた。
「ここが……ロッソの森なのか……」
感慨深げな呟きの意味を探ろうと、ネリーが首を巡らせた時――
懐かしい気配が、二人を包み込んだ。
「これは……っ!?」
「クリステルの大気の壁……!」
ネリーの目には、その壁が道のように森の外から続いている事が見て取れる。
その視線をレオンも追った。
信じられない事に、先程までそこで鬱蒼と繁っていた木々が、道を空けるように移動していた。
クリステルの働きかけで、大地の精霊が木々を移動させ、整地を施したのだ。
開けた視界の向こうから、一頭の馬が疾走して来る。
騎乗の麗人の、金色の髪が風に舞っていた。
クリステル……
また……会えた……
レオンの胸が、じぃん……と、熱くなった。
もう会う事は叶わないかも知れないと、心のどこかで覚悟していた。
しかし、クリステルは来てくれた。
それが彼女の勤めであろうが、構わなかった。
ただ、生きてもう一度会えた事が、レオンの心を揺さぶっていた。
「ご無事ですか?」
硬い表情のままクリステルが訊いた。
レオンは頷いた。
「すまない。不注意だった。こんな事になってしまって……」
「ご無事ならば、いいのです」
しかし、クリステルは、ほっとしたような表情も見せない。
事態が切迫している事に、変わりはないのだ。
「あたしのせいなの」
それまで押し黙っていたネリーが、不意に口を開いた。
クリステルは厳しい視線をネリーに向けた。
「戻るように……というプティの忠告を、無視なさったそうですね」
レオンが目を見開いて、ネリーに問うような視線を向ける。
ネリーは二人からの視線を重く受け止めながら、唇を噛んだ。
「命の危険を伴う旅だと、申し上げたはずです」
クリステルが言う。
ネリーは顔を上げ、クリステルを正面から見つめ返した。
「あなたから、レオンを奪おうと思ったの。レオンはあたしが守るつもりだった。でも……何にも出来なかった……」
語尾に、悔しそうな色が滲む。
しばし、言葉を失ったクリステルであったが、やがて厳しい口調で言い放った。
「あなたは貴族の術師が嫌いだと仰った。あなたの意見も一理あるかも知れない。……でも、お金や地位で、術師の能力まで買えるとは、本当はあなただって思っていないはずです」
ネリーは視線を、ぷい……と横へ逸らした。
「あなたのように生きる事が、本来の私達の仕事なのでしょう。貴族の術師は、道を外れていると言われても仕方がないのかも知れません。しかし、だからと言って、遊んで暮らしていると思われるのは心外です。私たちは、少なくともあなたより厳しい世界で生きている」
ネリーは、反感を持った表情を隠す様子もなく、クリステルを見つめ返す。
「真に高貴な方というのは、常に命の危険を背負っていらっしゃる。その方々に伴う術師もまた同じ……」
瞳の強い光が、ネリーを真っ直ぐに捕らえる。
「私とあなたが違うのは、まさにそこです。『レオンを守るつもりだった。でも出来なかった』と、あなたは仰った。しかし、私には『つもり』も『でも』も、許されない。失敗すれば……次はないのです」
改めて、事の重大さに愕然としているネリーを横目に、クリステルは馬から降りた。
「失敗は、死を意味する……。それを理解出来なかったあなたに、レオンは守れない」
厳しく言い放って、クリステルは二人に背を向けるように踵を返した。
ネリーは、その場にがっくりと膝を落とした。
レオンはネリーを支えてやりながら、クリステルの背中に声を投げかける。
「待てよ! 俺は……守られてばかりなのかっ? そんなのは嫌だからな!」
クリステルはゆっくりと振り返り、悠然と微笑んだ。
「あなたは私がお守りします。そしてあなたには……守るべき民があります」
「なっ……! クリステルっ!」
レオンが抗議の声を上げようとした時――森がざわめいた。
森の入り口付近に、火の手があがっていた。
フッサールめ……
いつでもそうだ
焼き払えば、全てが手に入ると思っている……
クリステルは右手で杖を掲げ、左手は胸の前で印を結んだ。
その姿に、ネリーは目を見張る。
クリステルが、彼らの前で初めて、正式な名乗りを上げようとしているのがわかった。
「我が名は……」
レオンも、はっとしてクリステルに目をやった。クリステルの口から、初めて聞くフレーズだった。
「我が名はクリステル。……フェルテの志を受け継ぐ者なり」
「フェルテ……!」
レオンの傍らで、ネリーが小さく叫んだ。
なぜだかネリーは、怯えたように震えていた。
「太古より交わせし契約のもと、我が呼びかけに応え、我の助けとなれ……」
クリステルは杖を大きく振るった。
「出でよ……ドゥアムート……!」
ゴォォォ……という轟音と共に、森の上空に炎の魔人が姿を現した。
魔人が吠えた。
フッサールの兵士達が手にしていたたいまつ、放とうとしていた火矢、そして燃え移っていた森の木々――炎という炎から巨大な火柱があがった。
「ケブフィス!」
続けてクリステルが召喚したのは、目を凝らさなければ気付かないほど、ほとんど透明に近い体の空気の魔人であった。
身体を丸めた姿で現れたケブフィスが、両手足を大きく広げると、爆風が巻き起こった。
ドゥアムートが起こした火柱が、森の外へと暴走する。
空気を多量に受けて、爆発を起こす。
森を囲んでいたフッサールの騎馬隊が、灼熱の舌で舐められた。
夜を呈して走り続けたラインハルトとその兵たちは、ロッソの森を取り囲むように配備された自国の騎馬隊を発見した。
森には、火が放たれていた。
まず間違いなく、クリステルたちは森に閉じ込められているのだろう。
「間に合わなかったか……っ!」
ぎり……と、歯を鳴らしてラインハルトが呟いたその時――
「……まさか……」
ラインハルトの傍らで、ダニエルが呆けたように言った。
後ろに続く兵たちもざわめく。
ラインハルトも声を失っていた。
目指すロッソの森の上空に、巨大な魔人がいた。
「ダニエル……精霊が……術師でない私にも見える。あれは……炎の魔人だ。これは、いったいどういう事か……っ!?」
ラインハルトの搾り出すような声に、ダニエルは首を横に振った。
「術師にも、精霊の姿は見えません。感じる事ができる……それだけなのです。実体化できるのは、最高位の精霊王だけ……」
その意味を理解できず、ラインハルトはダニエルを凝視する。
ダニエルは遠い目をして呟いた。
「あの方は……フェルテだった……」
「フェルテ? 何だ、それは……」
レオンが、クリステルに視線を置いたまま、傍らのネリーに問う。
「この世のあらゆる物に、精霊は宿っている。そしてその全ては、四大属性から生まれている」
ネリーも彼と同じく、クリステルから目が離せないままに答える。
「火、空気、水、そして土……。この四大属性の精霊は、小さくとも高位に位置するんだけど……その高位精霊の中でも、頂点に立つのが精霊王たち……」
ネリーが説明している間も、クリステルは印を結び続け、気を集中させている。
近寄り難いオーラが立ち込めていた。
「本来、精霊たちは自由なの。尊敬に値する術師と判断したら、いつでも誰とでも契約を結ぶ事ができる……。でも……精霊王たちは違う。自分達がこの世で最高と認めた術師の呼びかけにしか応えない」
そこでネリーは言葉を切って、レオンに視線を移した。
レオンもまた、視線をこちらへ移し、ネリーの言葉を待っていた。
「その昔……最初に精霊王と契約を結んだのが、フェルテという名の術師だった。それ以降、契約者は代々フェルテの名を受け継いでいる……」
「……じゃあ……」
レオンの呟きに、ネリーは頷いた。視線が上空を仰ぐ。
「あの炎の魔人はドゥアムート……火の精霊王よ。ケブフィスは、空気の精霊王……。そしてクリステルは……彼らを召喚できる、今の世でただ一人の術師」
レオンは――
圧倒的なオーラを放つクリステルの背中を、言葉もなく見つめた。
彼女の存在が、遠い所にあるように思えた。
つづく
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