おきつねさまは4歳児。~母親の恩返しに娘が嫁入りにきました~

まかろんたわー

文字の大きさ
4 / 19

おはようなのじゃー。

しおりを挟む
「んっー」
「外、起きてたもれ、起きてたもれ」
俺は鈴のような可憐な声で目を覚ました。
目の前には4歳児の顔が。
「外殿」
ほわわわーと擬音が聞こえてきそうな麗しいその笑顔に、俺はダッシュで正座する。
「おは、おはようじょー!」
「?」
まるは小首をかしげた。(可愛い)
「あ、今日はまるが先に起きたのか。まるは早起きですね。えらいえらい」
俺はまるの頭を撫でる。
「うにゅ」
まるは顔を赤らめて頭を抑える。
何だ、この生き物!?
破壊力ありすぎる!!
可愛いテロだ!可愛いテロ!!
俺はまるをトイレに行かせた。
「こわいからいてくれよのう」
「わかったよ」
かわいい。
将来大人になったまると一緒にトイレでうんちしたよねとか話すんだろうか……。
俺は朝ごはんにうさぎさんパンとくだものを用意。
「うさぎさん、可哀想じゃのー」
と言いつつ、はむはむするまる。
「おいしい?」
「うん」
俺は皿を片付けた。
「まる、散歩に行こっか」
俺は言った。
「うむ」
まるは頷く。
俺はまると手を繋いで、はじめてふたりで外に出た。
「は、はじめてのデートだね」
俺は緊張する。
「そうじゃのう」
まるは朗らかに言った。
今日ははじめてのデート記念日だ。
あとでカレンダーに花丸しておこう。
俺はまると歩く。
「あ、ちょうちょ」
まるがちょうちょを目で追いかけた。
「かわいいね」
「うん」
まるは笑う。
まるの歩幅はほんとにちっちゃくて、大人の俺が普段どんなに早くせわしなく歩いているかがわかる。
きゅきゅ。
まるが歩く度に、まるの草履から音がなる。
くわっ。
これ俺が小さい時にもあったやつだ。
こんなに可愛いとは!?
「あ、クレープ屋じゃ」
まるがクレープ屋をみつける。
「はじめてみるのう」
「まる、クレープたべたことないの?」
俺は聞く。
「ないのじゃ」
「じゃ、食べよう」
俺は財布を出す。
生クリームいちご味を頼んだ。
「おいちーのう」
まるが言う。
あ、あ、あ、あ、あ、
生クリームが顔中に!
顔中に
ベタベタついてる!!
あかん!!
これはだめだ!!
無邪気えろかわいい!!
「………」
俺は黙ってそれをみていた。
「どうしたのじゃ、外殿?」
まるが言う。
「………」
俺はまるの頬に顔を寄せた。
「なんじゃ?」
ぺろり。
思わず頬を舐めた。
「くすぐったいのう」
笑うまる。
「…おいしい」
俺は言った。
はっきりいってお金に余裕があったら毎日クレープ屋に連れて行きたい。
俺はハンカチでまるのぷにぷにほっぺのグリー厶をふきふきしたあと、まると公園に行った。
「わー高いのじゃー」
まるとブランコで遊ぶ。
「落ちるなよー」
俺は言った。
「のじゃ」
まる。
いかん。 
涙が溢れてきそうだ。
まるとシーソーで遊ぶ。まるの方が、当然、軽い。
「あはは」
笑うまる。
まると砂場で絵を書いたあと、ファミリーレストランで、お子様セットのハンバーグを頼んであげた。
「おいち」
ケチャップまみれで笑うまる。
俺は悶絶した。
「まる、はいジュース」
俺はまるにりんごジュースを飲ませた。
「ちゅー」
頬を凹ませて飲むまるの姿に俺は幼女の希少性を感じた。
俺はまるを肩車して、家に帰った。
「高いのじゃー」
まるは喜んでいる。
俺は幸せってこういう意味なんだなぁ、としみじみ思った。
まるを下ろし、玄関の新聞をとり、家に入る。
「ただいま、おうちさん」
まるのかわいい「ただいま」に俺は彼女の優しさを見出した。
おお。
この家がまると俺の新婚生活を応援してくれている!!
ひとりの時はただ無意味にだだっ広く感じるだけだった一軒家が妙に神聖に感じられた。
まると(ささやかな)お昼寝をする。
まるの背中を優しくたたく。
脆く、おさなげな、ちいさな背中。
「外殿……」
黒髪ポニーテールをおろして、流れるような黒の川になった毛束。
添い寝していると、いかん気持ちがでてくる。
は。
駄目だ駄目だ。
ああ、しかし……。
四歳ー!!!
「すう」
まるは寝た。
俺はいつまでもまるの寝顔をみていた。



その日。
俺はまると子供服店に行った。
そこで、やることといえば、買うことしかないー!!!
まるの、おぱんちゅをだーーーー!!!
「かわいいのがいいな」
俺はまるの純粋さを強調する為に、色は白無垢がいいと思った。
いや、意外と黒もコケティッシュで合うかもしれないが……。
いや、特に黒のスパッツは……。
とりあえず悩んでもあれなのでまると服を選ぶ。
「まる、パンツはなにがいい?」
俺は極めて真剣な表情で答えた。
やはり嫁には相応の下着を履いてもらわないと困る。嫁の下着を選ぶ。それは良い旦那の務めだ。
「くまさんー」
狐がくまをはくのか……。
「うむ。いいな」
俺は言った。
カゴに気に入ったパンツ(白無垢)を次々入れていく。
「あ、これながいのうー」
まるがかぼちゃパンツを掴んだ。
「はっーー!!」
そうか。
それをわすれていた!!
「まる、これも買おう」
俺は言った。
「うむ」
まるは頷く。
そして、靴下も買った。
ブルマも買った。
勿論、黒のスパッツもだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

処理中です...