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『本日、1件お荷物をお届け予定です』
スマホに通知が届いた。
よく利用しているショッピングサイトからの発送の様だ。
なんか注文したっけ? 注文履歴を確認するが身に覚えはなかった。
カスタマーセンターに電話する男。
「頼んでもいない商品が配達中となってるんですが」
「今、お調べします。注文番号はお分かりですか」
「いや、だから、注文していないから注文番号なんて知らないよ、注文履歴もないし」
「失礼いたしました。では、お名前と発送番号からお調べします」
男は電話番号と先程通知があった発送番号を告げる。
「お調べしましたところ、確かに商品が配達されていますね」
「注文していないのでキャンセルしてください」
「それが、現在、配達中となっておりますのでキャンセルできません。そのまま商品を受け取らなければ、販売者まで返送されますので。そのように対応して頂いてもよろしいでしょうか」
「あーあ。面倒くさいですね。因みに中身はなんですか?」
「そうですね。今、お調べします。何か最近、買われた物などで、心あたりはありませんか?」
「いや、だから、ないですよ。さっきから何も買ってないと言っているじゃないですか」
「失礼いたしました。今、お調べしましたところ、お客様、一年前に確かに買われているみたいですよ」
「一年前!?一年前に買ったものが今日、届くのか?どう言う事だ。それは」
「記録にはそうありますね。一年前、本当に覚えていませんか? お客様は【恨み】を買われたみたいですが」
「……!」
一年前に恨みを買う。男には身に覚えがあった。
一年前、登校中の児童の列に車が突っ込んで大勢亡くなった。
運転手の男は加重労働による寝不足が原因だった。
罪を悔いた運転手は獄中で首を吊って死亡。
運送業者の社長にも責任の追求が及んだが、裁判の結果、無罪になった。
男はその会社の社長だった。
「あんた、遺族の者か?俺は無罪なんだ。変ないいがかりはやめろ。それに恨みを買ったってなんだ恨みが届くっていうのか」
「いえ、私は遺族の方では御座いませんが。配達しているものは【恨み】ではありません。【死】みたいです」
「ふざけるな」
男は電話を切った。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
男はドアスコープを覗き込む。
そこには血だらけの男が大きめのダンボールを抱えて立っていた。
顔を見ると、獄中で首を吊った運転手だった。
「おいおい。嘘だろ。なんでお前が。お前が起こした事故だろ。逆恨みもいいところだ」
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ドアを開けずにいると、何度もインターホンが鳴る。
男はさっきの電話を思い出した。
『そのまま商品を受け取らなければ、販売者まで返送されますので』
男は居留守を装うように息を潜めてじっと動かずに待った。
しばらくすると、インターホンが鳴り止んだ。
ドアスコープを覗き込むとそこには誰もいなかった。
男はドアを恐る恐る開け、隙間から顔をだす。
「ふー。誰もいない」
ポケットに入っていたスマホに通知が入った。
『商品の配達が完了しました』
「いや、俺は受け取ってないぞ。はっ! もしや」
男はドアをおもいっきり開く。ドアの影に隠れて見えなかったが、そこには大きなダンボールが置かれていた。
「置き配!!」
大きなダンボールがひとりでにゆっくりと開いていった……。
スマホに通知が届いた。
よく利用しているショッピングサイトからの発送の様だ。
なんか注文したっけ? 注文履歴を確認するが身に覚えはなかった。
カスタマーセンターに電話する男。
「頼んでもいない商品が配達中となってるんですが」
「今、お調べします。注文番号はお分かりですか」
「いや、だから、注文していないから注文番号なんて知らないよ、注文履歴もないし」
「失礼いたしました。では、お名前と発送番号からお調べします」
男は電話番号と先程通知があった発送番号を告げる。
「お調べしましたところ、確かに商品が配達されていますね」
「注文していないのでキャンセルしてください」
「それが、現在、配達中となっておりますのでキャンセルできません。そのまま商品を受け取らなければ、販売者まで返送されますので。そのように対応して頂いてもよろしいでしょうか」
「あーあ。面倒くさいですね。因みに中身はなんですか?」
「そうですね。今、お調べします。何か最近、買われた物などで、心あたりはありませんか?」
「いや、だから、ないですよ。さっきから何も買ってないと言っているじゃないですか」
「失礼いたしました。今、お調べしましたところ、お客様、一年前に確かに買われているみたいですよ」
「一年前!?一年前に買ったものが今日、届くのか?どう言う事だ。それは」
「記録にはそうありますね。一年前、本当に覚えていませんか? お客様は【恨み】を買われたみたいですが」
「……!」
一年前に恨みを買う。男には身に覚えがあった。
一年前、登校中の児童の列に車が突っ込んで大勢亡くなった。
運転手の男は加重労働による寝不足が原因だった。
罪を悔いた運転手は獄中で首を吊って死亡。
運送業者の社長にも責任の追求が及んだが、裁判の結果、無罪になった。
男はその会社の社長だった。
「あんた、遺族の者か?俺は無罪なんだ。変ないいがかりはやめろ。それに恨みを買ったってなんだ恨みが届くっていうのか」
「いえ、私は遺族の方では御座いませんが。配達しているものは【恨み】ではありません。【死】みたいです」
「ふざけるな」
男は電話を切った。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
男はドアスコープを覗き込む。
そこには血だらけの男が大きめのダンボールを抱えて立っていた。
顔を見ると、獄中で首を吊った運転手だった。
「おいおい。嘘だろ。なんでお前が。お前が起こした事故だろ。逆恨みもいいところだ」
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ドアを開けずにいると、何度もインターホンが鳴る。
男はさっきの電話を思い出した。
『そのまま商品を受け取らなければ、販売者まで返送されますので』
男は居留守を装うように息を潜めてじっと動かずに待った。
しばらくすると、インターホンが鳴り止んだ。
ドアスコープを覗き込むとそこには誰もいなかった。
男はドアを恐る恐る開け、隙間から顔をだす。
「ふー。誰もいない」
ポケットに入っていたスマホに通知が入った。
『商品の配達が完了しました』
「いや、俺は受け取ってないぞ。はっ! もしや」
男はドアをおもいっきり開く。ドアの影に隠れて見えなかったが、そこには大きなダンボールが置かれていた。
「置き配!!」
大きなダンボールがひとりでにゆっくりと開いていった……。
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