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第二章 どうやら成人する前に色々と人生を詰んでいるみたいです
5 我が国の特産魔道具色々 (改)
しおりを挟む「何故貴方がここにいるのかが私にはどうしても理解出来ないのですが……」
そう、この場にそぐわない者がまたしても何故か現在ここにいる。
私は今私室でお気に入りの猫足のソファーで寛ぎつつアンとエリーサの三人でお茶を楽しんでいた。
勿論美味しい紅茶を淹れてくれるのはエリーサ。
私は王族専用のプライベートとは言ってもちゃんとした立派なキッチンで趣味のお菓子……因みに今日はブルーベリーのレアチーズタルトとサクサクのクッキーを前日に作っていた。
当然ながらクッキーは昨夜寝る前に下拵えを済ませて冷蔵庫で保管し先程焼き上げたばかりである。
でもローテーブルに所狭しと並べられた食べ物はそれだけじゃあないわ。
料理長から小さなレディ達へと様々な種類の一口サイズのサンドウィッチやスープとサラダ、そして可愛らしくカッティングされた果物を差し入れされたの。
成長期の私達にお菓子ばかりでは大きくなれないって、笑いながら大きな髭に何かのソースを付けたまま朗らかに笑っていたわ。
まあ私とアントン料理長とはある意味とても仲良しなの。
それもね、物心がつく頃より私が前世日本で食べていた美味しいお菓子達を思い出し、何時か絶対にまた食べてみたいと思っていたのよね。
でも前世では余り料理なんて事をしていなかったのもだけれど、そもそも私の身体はまだ幼い……今でもまだ7歳の女の子だもの。
とは言っても一度思い出してしまった食欲に抗いきれない私は、5歳になる前より御飯事だ何だと理由を付けてはキッチンへ出入りし、またなんとか人目を盗みつつ試行錯誤でお菓子作りを格闘していると、それに気づいたアントン料理長が私より情報を聞き出しながら何時しか二人で仲良く幾つかの御菓子やお料理を再現する事が出来たの。
本当に彼がいなかったら今日のケーキだってここには存在していなかったでしょうね。
なんと言っても私はこの国のたった一人の王女様。
そして世継ぎの姫の上にまだ稚い子供だもの。
私の周りには仕えてくれる多くの侍女や侍従に騎士……はっきり言って一人でいる時間は、ほぼほぼないと言っても過言ではない。
それに普通に考えても当時5歳の女の子がお菓子作りなんてあり得ないでしょ。
でもまあ時間に関しては兎も角、包丁や火を扱うのは当然ながら許されなかったと思うのよ。
そう、アントン料理長が気づいてくれなくて他の者であったのであればきっと今はなかったのだと思う。
これも……運が良いのかもしれないわね。
そうそう勿論その頃……二年前には冷蔵庫なんてモノはこの世界の何処にもなかったわ。
大体簡単に言えばこの世界に魔法は存在していても生活様式は中世ヨーロッパ時代に近いもの。
うん現代文明とは遠くかけ離れた世界と言ってもいい。
だから最初に冷蔵庫なるモノを説明しても通じなかったのは御愛嬌。
それでもアントン料理長と魔法長官のエギール・トゥーレソンは私の話を真剣に聞いてくれたし、後に三人でこれまた試行錯誤の上魔石を利用して冷凍冷蔵庫なるモノを頑張って完成させたのっっ。
世界初の冷凍冷蔵庫と言う魔道具は瞬く間に世界中へとその存在と必要性を尊ばれ、今では我が国の代表的な魔道商品でもあるのだっっ。
いやいや今では冷蔵庫だけじゃあないっっ。
自動洗濯乾燥機と食器洗浄機も中々に人気商品となっている。
世の中魔法が満ち溢れているとはいえ、全てを魔法に頼る訳でもないのだもの。
それに魔力は個人の能力で大きく異なるし、幾ら魔力が高くても生活魔法を扱えなければ日々の暮らしは大変でしょ。
またこれらは貴族だけが対象とするものでなく、平民……全ての人々が利用出来てこそのものだから価格設定はうんと下げている。
それでも赤字へと転じないのは偏に需要と供給のバランスが保てられているからと、これらの製造は我が国だけの門外不出としているところが大きい。
そこはやはり一番には我が国の利益を優先するのは御愛嬌。
後もう一つは他国と競争と言うか、折角安価設定したのに他国が絡むとどうしてもね、利益欲しさに値を釣り上げられるのは止めて欲しいもの。
だから輸出先にも信頼のおける紹介にしか卸してはいない。
まあそこの辺りは私よりもお父様がちゃんと心得て下さっているもの。
馬鹿がつく程娘と妻らぶな王様だけれどっ、中継ぎの王だと公言していらっしゃるのだけれども本当は誰よりも優秀な王様なの。
国民の幸せも十分考えていらっしゃるわ。
ただ本当に私とお母様を必要以上に溺愛するのが少々……うーんかなり、おまけして少しだけウザい――――かな。
そして忘れてはいけない。
冷凍冷蔵庫よりもダントツ人気商品が温水の出るウォシュレット!!
これこそ一年かけて何度も試作を繰り返す事○○回。
これが完成した時、そしてこれを使用した時のじんわりとお尻いやいや心までもほっこりと温かく包まれる様な多幸感は今でも忘れられない。
うん、そしてこの世界でも痔を患っていらっしゃる人々は多かったようだ。
今では注文が殺到して二年先まで予約で一杯なのだからね。
それ故我が国では失業者は現在0名。
毎日各々の仕事に取り組みつつ、でもちゃんと福利厚生は忘れてはいないわよ。
一番大切なのは身体と心の健康。
健康だからこそっ、魔道具だけじゃあなく様々なモノ作りにそれを支えるモノも完璧に作り出せるのだもの。
だからこそ我が国特性魔道具の品質は何処よりも素晴らしい。
そうして作り出されたのは環境に優しい木製の便座とそれに組み込ませた魔石で温め、公衆衛生の観点より水洗トイレの需要を増やしつつ、水洗タンクへ魔石を取り付ければ温水シャワーでマッサージ付きの、痔にも優しいウォシュレットの出来上がり~。
清潔保持の為ちゃーんと乾燥も付いていますわよ。
おっとっと話が大分逸れてしまったわ。
そういう訳で料理長とは……えぇエギールとも仲良しパートナーね。
そして私とアンとエリーサはそんな料理長からの差し入れもあって楽しい楽しい所謂女子会を楽しんでいたのだけれど……。
何故貴方はここにいるのでしょう。
そして声を大にして問いたいっっ。
一体どのようにっ、またどんな手を使ってここにっ、そう何で私の部屋に来てのいるのよ!!
*少々加筆させて頂きました。
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