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第二章 どうやら成人する前に色々と人生を詰んでいるみたいです
8 修正は不可能……そして魔王がっっ!? 後編 *割り込みⅡです
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キスヲシロ――――っっ!?
な、なななんなのコイツ!!
一体その頭の中はどうなっているのっっ!?
それとも中に入っているだろう脳ミソは、もしかしなくても既に萎縮し切って穴凹だらけのカスッカスなのっっ!?
うーわーもうコイツは私の理解の範疇を完全に振り切っていると言ってもいいっっ。
そして私は甘かったのだと深く猛省する。
何故なら最初からコイツを理解し尚且つより良い関係を構築する等無理だったのだっっ。
そう幾らたった四歳違いとは言え成人後ならまだしもっ、私達はまだまだ立派な子供!!
おまけに私の精神は兎も角、身体は稚い7歳のものなのだっっ。
その私へ慾情?
いやいやいやいやぜーったいにあり得ないでしょって言うか、ジャ○アン通り越してのまさかの幼女趣味の変態様ですかっっ。
うわっ、考えただけでもめっちゃキモいっっ。
そんな奴に私の大切なファーストキスなんて……もしかしなくとも遠い未来に私はキスだけでなく、自身の身体を差し出そうとこの七年もの間考え実行へ移そうと画策していたのっっ!?
嫌っ、嫌だっ、絶対にコイツルートを選ばなければ色々死亡フラグが立とうともそれだけは――――……嫌だと拒絶する事が出来る?
万が一コイツのルートを選ぶ事でアンやエリーサ、この国の……ううん過去にラングハイムにいた頃親しくした者達全ての運命が好転するのだとすれば、私一人の心を殺し身体を差し出せば全てが上手く収まるのであれば……私は今度こそコイツ……アンセルムを受け入れ、そうしてより良い関係を構築し遠い将来夫婦として国を守ればいいのだとするのであれば私は――――今彼を拒絶する事は出来ない。
そう、そうよリーナ、最初から自身の幸せよりも過去を繰り返さない。
そしてエヴェリーナの為に皆の運命を狂わせてしまった償いと言うべきか、同じ轍を踏まないようにするためのものでしょ。
アンセルムとは来年婚約を交わし、私自身の心……彼を愛すると言う事はないのかもしれないけれども夫婦としてこの国を護る事はこの七年の間ずっと考えていたでしょ。
エドお兄様の不可解な行動はこの際何処かとーっても高い棚の上にでも置いておいて……。
だから少し……いやいやかなり変態性の強いアンセルムだけれど、この際キス一つで大人しくなるのであればするに越した事じゃあないわ。
うん、ちょっと毒性の強い蚊にでも刺されたと思えばキスの一つや二つくらい、それに将来結婚すればキスよりももっと凄い経験をするのでしょ。
生憎と私は過去七回の人生に置いてまっさらさらの処女を否応なしに貫いてしまったのだけれど、きっと今回は違うと思う。
そう今度こそはきっと脱処女をする様な気がするのだもの。
その為にも私は死亡ルートを選ばない。
さあそうと決めたのであればここはドンと女の生き様をご披露し様じゃあないのっっ。
「「姫姉様(リーナ様)っっ」」
一生懸命にアンセルムの行動を阻止しようとしてくれたアンとエリーサを視線で制し、私は逃げる事を止めて彼と正面より向き合う。
そして弱冠表情筋が強張るのは許してもらおう。
決心したとしてもやはりそこはファーストキスなのだ。
それに私だってほんの少しだけれども乙女心となるモノは存在しているのだもの。
うん、やはり最初は好きな人に捧げたかったな。
そんな私の心を知らずに逃げる事を止めた私にアンセルムは大層気を良くしたのか、堪え切れない笑みをなんとか必死に抑え込む様相が何とも……気持ち悪い。
でも一度決めた事だし、それとこれに皆の幸せの一端が懸かっているかもしれない可能性がある今、私には彼を拒む事は絶対に出来ないのだ。
そうして時間がじわりじわりと非常にゆっくりと流れる中で漸くお互いの吐息が直ぐ近くで感じられ、私は心の中で『なむさんっっ!!』と咄嗟に真の仏教徒でもない癖に思わずそう叫んでしまうのは過去の日本人であった悲しい性なのだろうか。
それと同時に触れ合う唇と彼の顔を見たくないとばかりにギュッと思いっきり両目を閉じて嵐が過ぎ去るのを待つ荒野にぽつんと立つ一軒家の中で震える子供の様な気持でいたまさにその瞬間だった。
今この場にいない人物の、然もあり得ないくらい寒々しく冷気を纏う怒気を孕んだ恐ろしく低い声音が、私の私室一杯に轟いている。
「何をしている。そして誰の許しを得て俺の可愛いリーナに何をしようとしている」
「ひっっ」
ふわりと感じたのは一陣の風?
そしてアン達の悲鳴からの――――やはりふわりと私を抱きしめる温かくも優しい檻。
「エドお兄……様?」
嗅ぎ慣れた爽やかな香りの優しい檻は私をその逞しい胸の中へ囲い込み、決して私に何も見せないし聞かせたくない様にしているように思えたけれどもお兄様、貴方と身体を密着させられているお陰でしっかりと声は聞こえているのですよ。
「貴様……俺のモノにちょっかいを出すと言う事は今更だと思うが、お前はその命をこの俺へ差し出す覚悟があるのだろうな」
ひえっっ。
俺のモノっっ!?
命を差し出す??
何それっっ!?
めっちゃ怖いと言うか物凄く物騒な物言いにしか聞こえませんっっ。
怖いもの見たさではないけれども、兎に角ここは何としてもエドお兄様には落ち着いて欲しいし、これ以上は余り介入して欲しくもないのだ。
私の将来が懸かっているのだとばかりに私はエドお兄様の優しい檻の中で身動ぎし自己主張をアピールしてみせるも、何故か更に力強く抱きしめられてしまった。
後になってアン達より聞いた話ではこの時のお兄様は恐ろしい魔人達が住むと言う魔界の王の如く、一欠けらの表情すらも見られない程に氷笑を湛えたままアンセルムを見下ろしていたらしい。
まさに魔王降臨とはこの事だと私は思った。
な、なななんなのコイツ!!
一体その頭の中はどうなっているのっっ!?
それとも中に入っているだろう脳ミソは、もしかしなくても既に萎縮し切って穴凹だらけのカスッカスなのっっ!?
うーわーもうコイツは私の理解の範疇を完全に振り切っていると言ってもいいっっ。
そして私は甘かったのだと深く猛省する。
何故なら最初からコイツを理解し尚且つより良い関係を構築する等無理だったのだっっ。
そう幾らたった四歳違いとは言え成人後ならまだしもっ、私達はまだまだ立派な子供!!
おまけに私の精神は兎も角、身体は稚い7歳のものなのだっっ。
その私へ慾情?
いやいやいやいやぜーったいにあり得ないでしょって言うか、ジャ○アン通り越してのまさかの幼女趣味の変態様ですかっっ。
うわっ、考えただけでもめっちゃキモいっっ。
そんな奴に私の大切なファーストキスなんて……もしかしなくとも遠い未来に私はキスだけでなく、自身の身体を差し出そうとこの七年もの間考え実行へ移そうと画策していたのっっ!?
嫌っ、嫌だっ、絶対にコイツルートを選ばなければ色々死亡フラグが立とうともそれだけは――――……嫌だと拒絶する事が出来る?
万が一コイツのルートを選ぶ事でアンやエリーサ、この国の……ううん過去にラングハイムにいた頃親しくした者達全ての運命が好転するのだとすれば、私一人の心を殺し身体を差し出せば全てが上手く収まるのであれば……私は今度こそコイツ……アンセルムを受け入れ、そうしてより良い関係を構築し遠い将来夫婦として国を守ればいいのだとするのであれば私は――――今彼を拒絶する事は出来ない。
そう、そうよリーナ、最初から自身の幸せよりも過去を繰り返さない。
そしてエヴェリーナの為に皆の運命を狂わせてしまった償いと言うべきか、同じ轍を踏まないようにするためのものでしょ。
アンセルムとは来年婚約を交わし、私自身の心……彼を愛すると言う事はないのかもしれないけれども夫婦としてこの国を護る事はこの七年の間ずっと考えていたでしょ。
エドお兄様の不可解な行動はこの際何処かとーっても高い棚の上にでも置いておいて……。
だから少し……いやいやかなり変態性の強いアンセルムだけれど、この際キス一つで大人しくなるのであればするに越した事じゃあないわ。
うん、ちょっと毒性の強い蚊にでも刺されたと思えばキスの一つや二つくらい、それに将来結婚すればキスよりももっと凄い経験をするのでしょ。
生憎と私は過去七回の人生に置いてまっさらさらの処女を否応なしに貫いてしまったのだけれど、きっと今回は違うと思う。
そう今度こそはきっと脱処女をする様な気がするのだもの。
その為にも私は死亡ルートを選ばない。
さあそうと決めたのであればここはドンと女の生き様をご披露し様じゃあないのっっ。
「「姫姉様(リーナ様)っっ」」
一生懸命にアンセルムの行動を阻止しようとしてくれたアンとエリーサを視線で制し、私は逃げる事を止めて彼と正面より向き合う。
そして弱冠表情筋が強張るのは許してもらおう。
決心したとしてもやはりそこはファーストキスなのだ。
それに私だってほんの少しだけれども乙女心となるモノは存在しているのだもの。
うん、やはり最初は好きな人に捧げたかったな。
そんな私の心を知らずに逃げる事を止めた私にアンセルムは大層気を良くしたのか、堪え切れない笑みをなんとか必死に抑え込む様相が何とも……気持ち悪い。
でも一度決めた事だし、それとこれに皆の幸せの一端が懸かっているかもしれない可能性がある今、私には彼を拒む事は絶対に出来ないのだ。
そうして時間がじわりじわりと非常にゆっくりと流れる中で漸くお互いの吐息が直ぐ近くで感じられ、私は心の中で『なむさんっっ!!』と咄嗟に真の仏教徒でもない癖に思わずそう叫んでしまうのは過去の日本人であった悲しい性なのだろうか。
それと同時に触れ合う唇と彼の顔を見たくないとばかりにギュッと思いっきり両目を閉じて嵐が過ぎ去るのを待つ荒野にぽつんと立つ一軒家の中で震える子供の様な気持でいたまさにその瞬間だった。
今この場にいない人物の、然もあり得ないくらい寒々しく冷気を纏う怒気を孕んだ恐ろしく低い声音が、私の私室一杯に轟いている。
「何をしている。そして誰の許しを得て俺の可愛いリーナに何をしようとしている」
「ひっっ」
ふわりと感じたのは一陣の風?
そしてアン達の悲鳴からの――――やはりふわりと私を抱きしめる温かくも優しい檻。
「エドお兄……様?」
嗅ぎ慣れた爽やかな香りの優しい檻は私をその逞しい胸の中へ囲い込み、決して私に何も見せないし聞かせたくない様にしているように思えたけれどもお兄様、貴方と身体を密着させられているお陰でしっかりと声は聞こえているのですよ。
「貴様……俺のモノにちょっかいを出すと言う事は今更だと思うが、お前はその命をこの俺へ差し出す覚悟があるのだろうな」
ひえっっ。
俺のモノっっ!?
命を差し出す??
何それっっ!?
めっちゃ怖いと言うか物凄く物騒な物言いにしか聞こえませんっっ。
怖いもの見たさではないけれども、兎に角ここは何としてもエドお兄様には落ち着いて欲しいし、これ以上は余り介入して欲しくもないのだ。
私の将来が懸かっているのだとばかりに私はエドお兄様の優しい檻の中で身動ぎし自己主張をアピールしてみせるも、何故か更に力強く抱きしめられてしまった。
後になってアン達より聞いた話ではこの時のお兄様は恐ろしい魔人達が住むと言う魔界の王の如く、一欠けらの表情すらも見られない程に氷笑を湛えたままアンセルムを見下ろしていたらしい。
まさに魔王降臨とはこの事だと私は思った。
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