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序章 (改)
しおりを挟む私…アンフィリアン・ユージェニー・レクストンもう直ぐ40歳になる。
一応このレクストン王国第一王女という肩書等というものがある。
だけど…その肩書は一体何になると言うのだろう…。
いや…この肩書こそ今は私の人生において、余計なお荷物となっているのだから…。
この肩書がなかったら…私はもう少し自由でいられたかもしれない。
それに結婚なんてモノに縛られる事もなかったかもしれない。
そう…全てはこの王女という肩書が私の人生を邪魔しているのだから…。
私は自室のソファーに腰掛けてふぅーっと深い溜息をつく。
今日もまた1日が終わろうとしている――――という事は、40歳まであと…。
あ゛あ゛……考えたくもないわね。
大体この国の女性が皆…晩婚なのではない。
通常女性の結婚適齢期は大体何処の国でも18歳~23歳くらいまで。
誰が如何してそう決めたのかは謎だけど…。
勿論18歳以下なんてのもざらだし…寧ろそっちの方が多いのかって感じだわ。
何処の世界…そしていつの時代も、男性は若くて可愛い娘を好むと言う。
だから早婚が善しとされているのかもしれないわね、とんだ男尊女卑…だわ。
だけど…私も昔…そう昔ね、そんな若い頃が…あったわね。
現在はその結婚適齢期よりも折り返している真っ最中だけど…まるでマラソンランナーかっていうのっっ!!
だけど我がレクストン王国は私が結婚しなくても問題はないわ。
だって4つ年上のお兄様…そうこの国の王太子には正妃もいて、子供もちゃんといる。
王子と王女…つまり私の甥と姪だ。
その子達も今は大きくなって姪は結婚適齢期の18歳となり、今は彼女を何処へ嫁がせるのか…とお兄様とお義姉様の悩みの種となっている。
王族の結婚なるモノとは本人の自由で決められる事なんて殆ど…全くと言っていい程ない。
きっと国益に通じる何処かの王族か公爵家等に、私の愛する姪は嫁がされるのだろう。
私の例があるから…彼女は幼い頃から両親へ口答え等しない様に厳しく躾けられた。
私のいい被害者だわね…その点は。
でも彼女…姪のルーレシアは叔母の私から見ても、お義姉様譲りの美しい顔立ちにキュートな唇…それがまたレクストン王家より受け継がれる青みがかった濡れた様に艶やかな黒髪に、アメジストを思わせる紫に輝く瞳。
また…やや小振りな胸も形よく…そして何より細く括れた腰。
ほっそりとした華奢で可憐な美少女なのだ。
同じ王家の出身で同じ材料なのに…こうも姿形が違うといっそ清々しい。
そして今夜はその姪のルーレシアのデビュッタントの舞踏会。
国中の貴族や他国方も王族方がこれでもかとやってくる。
そして私はまた溜息を漏らす。
10人並みの容姿に体型もめちゃくちゃ太ってはいないが、どうみてもふくよかだわ…ね。
ホント…若い頃はそれなりにお見合いも来ていたわ。
でも…誰も私を見て…選んでなかったの、私というフィルターを通して豊かなレクストンを見ていたのよね。
だからお父様やお母様が持ってきたお見合いの全てを悉く断っていた。
上っ面だけの私を見て…そしてあわよくば我がレクストンを手に入れようなんて、虎視眈々と狙っている男性へ嫁ぐ気なんか起こりっこないのよ。
幾ら王族の務めだとしても…不思議と私にはそれがわかってしまって、何だかんだと理由つけては結婚に応じなかった。
嘆く家族と国民には申し訳ない…とは思うのだけど…。
それでも時々ふと願ってしまう。
何時か…私の事を真剣に愛して結婚を申し込んでくれる男性が現れる事を…。
でも…世の中そんなに甘くはないわね、だってもう直ぐ40歳。
こんなおばさん…誰が貰ってくれると言うのだろう。
確かにヨボヨボのヒヒジジイだったらあるかもしれない…だけど、初めての結婚でそれはないだろうっっ!!
私だって…選ぶ権利はあるのだから…。
それにもう…私の事は周辺の国でも有名なんだよね…。
行き遅れの王女って。
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