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第一章 召喚された聖女のあれやこれ
3 これは夢……だよね 茉莉花Side (改)
しおりを挟むあれれ、今何か物凄く変な事を言われた?
えーっとそれにこの声ってもしかしなくても……。
『そなたこそ世界の綻びを紡ぐ乙女、そして俺の、俺だけの運命の半身!!』
いやいやいやいやもしかしなくってもこれって病室の前で聞こえたあの謎の幻聴と同じ声!?
そうなのっっ!?
あれは本当に気の所為じゃあないの?
うーんでも出来る事ならば気の所為って事にっ、そう是が非ともなかった事にして貰いたい!!
そして私は一刻も早くこの夢から目覚めなければいけないのだっっ。
しかしもう一方の私の心が不思議にもそれは絶対に無理だろうと、何故か私の本能が声にならない声で思いっきり叫んでいる。
目の前の問題と向き合いなさいって……。
そんな殺生な……と、これもじ部自身へ突っ込みを入れながらも仕方なく、そう本当に致し方なくその聞き覚えのある声の方へゆっくりと、態と時間を掛けて振り返る。
そうね、譬えるならギギギ……と能面のこけし様の首がゆっくりと360度廻る感じにね。
現実は廻りませんよ。
でもそうして振り返った先には二人の男性が、これまた私をじっと見つめる体で立っていた。
一人は緩やかなウェーブがかったの長い、うんとても……そうあれは何処かの学校の校長先生ときっといい勝負になるくらい、ううん、それより少し長いかもしれない白金の髪に、また年齢からのものもあるのかな。
少し濁りはあるけれど青みがかった紫色、アスターの瞳をした穏やかな表情をした60歳前後の男性。
それにその姿は聖職者なのかもしれない。
何故なら一般ピープルの私でさえわかるくらい上質な白い生地に、胸元と袖や裾に金と青糸で刺繍を施された、学生の頃興味本位で見た事のある宗教画集に描かれていたリサヤの様なだぼだぼでゆったりとした祭服らしい服を身に纏い、頭には白地に金の縁取りをした円錐形の帽子を被っている。
多分60歳前後らしいとは思うのだけれどそれにしては背筋がピンと伸びているし、また彼より醸し出される雰囲気は日本で言えば皇族方?
いやいやどう見ても日本人には100%見えないでしょ。
瞳と髪の色は兎も角、彫りの深い容貌にすっきりとした鼻梁、ほんの少しも脂ぎった所なんてものを感じさせない爽やかイケオジサマ?
う~ん外国人みたいだからね、また凛とした佇まいからしてイケメン王族若しくはお貴族様???
はぁ、このイケオジサマとこの建物だけでも十分にここが日本でない事を物語っている……か、若しくは私は今自身の願望で造り上げた夢のテーマパークにでもいるのかしらん。
先ず第一に日本では絶対に見ない格好だ。
それともう一人は若い男性――――とは言っても、私よりきっと幾つか年上なのは何となく理解した。
それに彼はイケオジサマと何処となく似ているわ。
家族、それとも親戚関係?
やはり同じく流れる様な白金の長い髪とこちらは生命力溢れる青みがかった紫色、アスターの瞳。
然もとんでもなく野性味溢れる男性的な魅力を放つ見目麗しい男性。
同じ瞳と髪の色を有していても、これ程印象が違うのってありなのかしら。
どちらにしても甲乙つけ難いイケメンだよっっ。
万歳、私の夢!!
それにしても私ってば想像力が豊かだよね。
若い男性の方は中世ヨーロッパのお貴族様が来ている様な上質な青藍の生地に金色の刺繍を施したジュストコール。
薄藍のジレと白のトラウザース姿がこれまたとてもよく似合っている。
おまけに薄っすらとぼやけている訳でもなく何処までもクリアに見える。
こんなにしっかりとした色彩とイケメンの夢を見たのは生まれて初めてじゃない?
くうぅぅっ、夢じゃあなく何時かリアルでこんな男達がいたらいいのに〰〰〰〰。
本当に夢限定って……ん、冷たい?
そう、そこで私は初めてお尻と足からひんやりと冷えていく感覚を感じ取ったの。
そこでよく見ればって訳でもないけれど、そんな二人を前にして私は冷たい床に直接座っていた。
それも多分きっと床も大理石だろうね。
だからこんなに冷えたのかって、気にするのはそこじゃあないっっ。
如何して夢の筈なのに、私ってば温度までも感じているの???
いやいや温度だけじゃないってばっっ。
その大理石の床はよく見なくっても小説や漫画に出てくる円形の、そう魔法陣らしいものがしっかりと描かれているし、当然私はその中央に当たり前の様に座っている!?
嘘嘘嘘嘘っ、何やら嫌な予感めいたものしか感じないっっ。
これって本当に私の夢――――よね?
夢……だよね。
お願いっ、誰か本当に夢だと言うなら今直ぐ私を叩き起こして!!
多少殴っても許すからっっ。
お仕事中に寝落ちたのなら先輩っ、是が非とも起こして下さい!!
お願いします!!
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