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第一章 召喚された聖女のあれやこれ
2 是が非とも夢であって欲しい!! (ほんの少し改)
しおりを挟む目も眩まんばかりの光は徐々に収まると同時に見える景色は鮮明にその姿を現していく。
最初に茉莉花が思ったのはとても静かな場所。
それは深夜の病院……いやいや深夜の病院は結構騒がしい。
ただ起きている人が限られているだけで、生命を維持する為の機械音やスタッフの動きまわる音に痰を絡ませる音もあれば鼾や寝言、夜間不眠で叫ぶ患者もいない訳ではない。
そう言う意味では病院は二十四時間騒がしい場所である。
それに引き換えこの場所は何と言うか無音――――。
生きている人の気配もあまり感じない。
近寄りがたい……敢えて言うならばあまり近寄りたくはない。
天井の高さは約10mくらいはあるだろうか。
奥行きなんてわからない。
だだっ広い空間に茉莉花が両手を広げても後一人は必要なくらい太い大木の様な石?大理石みたいな模様の柱が等間隔で幾つも並んでいる。
そう、何に似ているかと言えば古代ギリシャやエジプトの神殿の様に高く太い円柱の柱が何本もあり、見上げる程に高い天井には色彩見事な壁画が描かれている。
なんともオリエントと西洋をミックスした不思議な建物らしい。
あぁそうだ、ここは神秘的な雰囲気を思わせる場所。
そして直感的に茉莉花の脳裏に浮かんだのは――――ここは絶対に日本じゃないっっ。
はあぁぁぁ……と、彼女は徐に大きく深い溜息を吐いた。
夢……だ。
いや、夢でなければあれか、幻か?
うんきっとやっぱり働き過ぎで脳まで疲れているに違いない。
さっきの幻聴といい、今度は幻覚、幻視?
う~ん先月の検診では何も異常はなかったと言うのに……。
あぁそうだ、こういう時はアレだ。
開けた扉をもう一度閉めればいい。
うんうん、そうそうぜーんぶなかった事にして、頭の中をしっかりと切り替えて直ぐに仕事へ戻ろう。
それで以って深夜明けにコンビニで思いっきり甘いスイーツを幾つか買って帰って食べよう。
何と言っても疲れている時は甘いものに限るものね。
そうして茉莉花は自身の首を何ともコクコクと、何度も自身へ言い聞かせる様に頷くが、そこである事をふと思い出す。
あ、確かあの扉って目の前で天に召されちゃったような……ってっ、アレはもしかしてあの扉がなくちゃダメな奴???
未練がましくも茉莉花は再度扉がないかを見廻してしまう――――がやはりない。
おまけに彼女が押していたワゴンもなければ、電子カルテや諸々の小道具も見当たらない!!
大切な仕事道具が〰〰〰〰っっ!!
本当に一体何が起ったの!?
それとも何処かで頭でもぶつけた拍子に見ている夢の中だろうか……と思い込みたい。
だが悲しいかなここは白い壁の病院ではない。
そしてこの場所は彼女の全く知らない所だと言うのも何となくだが理解した。
それにしても夢にしてはかなりスケールが大きいと思わず自身の事を感心してしまうが、そんな茉莉花を更に状況は追い詰める。
「よく来た、待ちかねたぞ我が世界を救いし聖女よ。そして我が運命の半身よ」
はい???
一体人の夢の中で何愉快な事を言っているんですかって、えっ、ええええええ――――っっ!!
い、生きている人間いたんだっっ。
全然気がつかなかったというか、もしもし今迄完全に気配を消していましたよね。
本当に何者なんですか。
いやいや聖女や運命の半身なんて言葉を言う辺り、かなり頭が湧いているとしか思えないです。
そしてやっぱり是が非とも夢であって欲しい!!
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