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2章 魔法の国ルクレイシア
魔法特訓 3 :討伐に向けて (セイルクside)
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「…………うん、昨日よりよくなってる。基礎ができてきたね」
「そうなのか?自分じゃあんまりわからないな………」
次の日。
学校終わりに俺とクレアはいつもの場所で今日も魔力のコントロールから始めていた。
クレアは上手くなっていると言うが、あまり実感はわかない。
でも、クレアは視えているから事実そうなのだろう。
クレアは何かを記録してから、立ち上がると、俺のほうを向いた。
「じゃあ今日は、違う魔法をやろうか」
「違う………魔法?」
「そう、攻撃魔法と防御魔法」
俺は少しだけ怖気付いた。
攻撃魔法は、俺の苦手分野だ。
魔法はどれもコントロールができていないから一括りにいえば全て苦手だが、中でも群を抜いているのが『飛行』と攻撃魔法だった。
俺の様子を見て、クレアは「大丈夫」と言った。
「セイルクよりは強いからね」
「それは、確かにそうだけど………」
俺は前に魔力暴走でクレアに助けてもらったことを思い出した。
あれだけで俺より強いのは十分わかっている。
俺が何の反論もできないうちに、クレアは話を進める。
「とりあえず、どんな魔法ができるか教えてほしいな」
俺は腹を括った。
どれだけ言っても、クレアは攻撃魔法の練習をさせるはずだし、俺もいつまでも苦手なままではいられない。
「『風檻』と『風盾』がでまだまともに使えるほう…………だと思う」
『風檻』は対象の周囲を風で囲み、発散させることで四方に攻撃を与える。
自分を囲んで外側に発散すれば、防御と攻撃の両方に使える優れものだ。
『風盾』はその名の通り風でできた盾だ。
練度があれば魔法を弾いたり、盾に取り込むことができる。
風の速さを増せば周りに強風を起こして吹き飛ばすことができる。
コントロールはさておき、俺がまともに使えるのはこの2つだ。
クレアは俺に質問する。
「『風刃』は?」
俺はその質問に、少し肩をこわばらせた。
『風刃』は攻撃特化の魔法だ。
風でできた無数の刃を対象に向けて放つことで攻撃する。
風の速さが速いほど威力を増す、一番使い勝手のある攻撃魔法だ。
俺も使える。
風魔法の基礎みたいな魔法だから。
ただ。
「『風刃』は…………….昔怪我をさせてから使ってない」
俺の言葉にクレアは黙ってしまった。
俺が里親に引き取られることになったきっかけでもあり、疎遠になったきっかけでもある『風刃』。
あの日まで俺の得意魔法のはずだった。
俺を引き取ったオルフェン家は風属性の家系だったが、当代に子どもができず、やむなく俺を引き取った。
俺の魔力が同年代に比べて多いことを知ると、大喜びで引き取ってくれた。
最初のうちは生活に慣れるために一緒に過ごすだけだったが、ある日、里親に魔法を見せてほしいと言われた。
そうして俺は孤児院にいたときから得意だった『風刃』を2人の前で披露した。
それで終わらせればよかったのに、俺は庭の草に向かって『風刃』を放って、コントロールが誤ってそのまま─────。
思い出すだけでも嫌になる。
夫人の顔に傷をつけた俺は里親に怖がられることになって、一緒に過ごすことはなくなった。
また独りになった。
あのとき魔法を使わなければ、まだ仲良くいられたかもしれない。
……………いや、いつかは傷つけることになったのだから、あの日でよかったのかもしれない。
そのおかげで先生に出会えたのだから。
でも、使いたくない。
また、誰かを傷つけるのはごめんだ。
俺もクレアも何も言わないまま何分か沈黙が流れる。
クレアがどうして黙っているのかはわからない。
違う方針を考えているのか、怒っているのか。
顔も見えないから全く見当がつかない。
しかし、クレアは予想だにしない言葉を放った。
「じゃあ、練習しようか。『風刃』」
「…………………は?」
俺は固まった。
聞いていなかったのだろうか。
俺が里親を傷つけてから使えないと言った『風刃』を練習するなんて、何を言っているのだろうか。
俺が眉をひそめてクレアを見ると、クレアは俺の眉間に指を当てながら話をする。
「話は聞いていたよ。人を傷つけたから使いたくない。
たしかにもっともな意見だけど、苦手なままだと生きづらいままだよ」
俺が眉間に当ててきている指をどかすと、クレアは隣に座った。
苦手なままだと生きづらいまま。
でも、どうすればいいのかわからないのに、どう克服すればいいのだろうか。
俺が黙りこくっていると、クレアはそのまま続ける。
「私は少し違うけど、似たような経験があるから。
嫌厭してずっと過ごしてきて、大事なときに必要だった魔法が使えなかった。
魔物討伐をするために『風檻』と『風盾』だけだと、今のセイルクじゃあすぐにやられちゃうから、最大の防御として、『風刃』を覚えたほうがいいよ」
「クレアも……あるんだ。そういうこと」
俺が少し気になって聞くと、クレアは答えをはぐらかすように立ち上がった。
「まあ、やってみようよ。一回。
それに、私にそう簡単に傷をつけられると思ったら大間違いだよ」
そう言われて、俺も立ち上がって、前へ出た。
十分に距離をとって、壊して困るものが周りにないことを確認する。
手先が震える。
寒さじゃなくて緊張だ。
わかりきっているのに、おさまらない震えに、俺は深呼吸した。
最初からできないと思わないで、恐れない。
成功したときの自分を想像する。
『хичзруеокюквыс колб』
俺が唱えた『風刃』によって足元に魔法陣が現れて、十数個の風の刃が現れた。
クレアは俺の『風刃』をひとつひとつ見てうなずいた。
「ちょっと偏ってるけど…………そのまま前に放ってみて」
俺は前を向いて、飛ばすイメージをする。
一度深呼吸をしてから、俺は前に放ってみる。
『風刃』は最初のうちは前に飛んでいくが、俺から離れていくうちにだんだんとおかしな方向へ飛んでいくものが現れ始めた。
前に放ったはずの『風刃』はほとんどが横にそれる。
そのうちのひとつが、近くの『風刃』を巻き込んで横というより、俺の後ろ───クレアのほうに飛んでいった。
また傷つけてしまう。
ガガガガガッ
何かが削れる音がした。
思わず俺が振り返ると、何事もなかったようにクレアが立っていた。
「怪我………は」
俺が恐る恐る聞くと、クレアは明るい声で答えた。
「ないよ。言ったでしょ、簡単には傷つけられないって」
クレアがそう言って空中をノックすると、時空の歪みのような透明な膜が見えた。
クレアがノックした箇所から波紋を広げるように膜が見えてきて、クレアの全身を包んでいるのがわかる。
風景に同化している膜は見た目では弱そうに見えるが、クレアのノック音が金属を叩いたときみたいに硬くて、不思議に見える。
『結界』だ。
支援属性や聖属性などの限られた属性しか使えない魔法。
まさか見られるとは思っていなかったが、クレアが使えるとは知らなかった。
クレアは氷属性のはずなのに。
「『結界』………使えるんだな」
「あ…………そうなの。支援属性の魔法でこれだけ練習してできたの」
俺の問いに驚いたのか、少し間を置いてからそう答えたクレアは、『結界』を解除して「それよりも」と話を逸らした。
「『風刃』はいい筋いってるよ。
私に飛んできたやつは他と比べて魔力が少なかったから、コントロール外になったんだと思う。
横にそれたやつはその逆で、多すぎるからコントロールが不安定になってた。
偏り、といってもそんなにひどいわけじゃないから、『飛行』とか『浮遊』よりは簡単に習得できるかもね」
クレアはそこで言葉を切ると、俺の手を握った。
握られた手から魔力が送られてくる。
じんわりと、ティーポットから注がれるように、少しずつ体に染み渡るような暖かさをもった魔力が流れ込んでくる。
「今のセイルクが扱える強さはこれくらいなんだよ」
暖かい魔力に馴染んでいると、突然そんなことを言われた。
こんなに少量ずつなのかと、少し気になってしまった。
俺の考えていることがわかったかのようにクレアは笑った。
「さっきの『風刃』でちゃんと前に飛んだやつはこのくらいの強さだったんだよ。ちゃんと飛んだってことは、ちゃんとコントロールできたってこと。
それに、魔法を使うとき、深呼吸してるよね?
息を整えるのはすごく効果的だから、これからも継続していってね。
今から練習すればもっと強くなるよ」
「……………ありがとう」
褒められて俺が素直に礼を言うと、クレアはまた笑った。
「…………さて、と。
『風刃』とかの攻撃魔法や防御魔法の習得のほうが簡単そうだから、学校での練習?の時間や朝の時間を使って練習してきてね。
練習したかどうか毎日チェックするから。
それじゃあ、もう一回、やってみよう」
「わかった」
俺はもう一度、『風刃』の練習を始めた。
「そうなのか?自分じゃあんまりわからないな………」
次の日。
学校終わりに俺とクレアはいつもの場所で今日も魔力のコントロールから始めていた。
クレアは上手くなっていると言うが、あまり実感はわかない。
でも、クレアは視えているから事実そうなのだろう。
クレアは何かを記録してから、立ち上がると、俺のほうを向いた。
「じゃあ今日は、違う魔法をやろうか」
「違う………魔法?」
「そう、攻撃魔法と防御魔法」
俺は少しだけ怖気付いた。
攻撃魔法は、俺の苦手分野だ。
魔法はどれもコントロールができていないから一括りにいえば全て苦手だが、中でも群を抜いているのが『飛行』と攻撃魔法だった。
俺の様子を見て、クレアは「大丈夫」と言った。
「セイルクよりは強いからね」
「それは、確かにそうだけど………」
俺は前に魔力暴走でクレアに助けてもらったことを思い出した。
あれだけで俺より強いのは十分わかっている。
俺が何の反論もできないうちに、クレアは話を進める。
「とりあえず、どんな魔法ができるか教えてほしいな」
俺は腹を括った。
どれだけ言っても、クレアは攻撃魔法の練習をさせるはずだし、俺もいつまでも苦手なままではいられない。
「『風檻』と『風盾』がでまだまともに使えるほう…………だと思う」
『風檻』は対象の周囲を風で囲み、発散させることで四方に攻撃を与える。
自分を囲んで外側に発散すれば、防御と攻撃の両方に使える優れものだ。
『風盾』はその名の通り風でできた盾だ。
練度があれば魔法を弾いたり、盾に取り込むことができる。
風の速さを増せば周りに強風を起こして吹き飛ばすことができる。
コントロールはさておき、俺がまともに使えるのはこの2つだ。
クレアは俺に質問する。
「『風刃』は?」
俺はその質問に、少し肩をこわばらせた。
『風刃』は攻撃特化の魔法だ。
風でできた無数の刃を対象に向けて放つことで攻撃する。
風の速さが速いほど威力を増す、一番使い勝手のある攻撃魔法だ。
俺も使える。
風魔法の基礎みたいな魔法だから。
ただ。
「『風刃』は…………….昔怪我をさせてから使ってない」
俺の言葉にクレアは黙ってしまった。
俺が里親に引き取られることになったきっかけでもあり、疎遠になったきっかけでもある『風刃』。
あの日まで俺の得意魔法のはずだった。
俺を引き取ったオルフェン家は風属性の家系だったが、当代に子どもができず、やむなく俺を引き取った。
俺の魔力が同年代に比べて多いことを知ると、大喜びで引き取ってくれた。
最初のうちは生活に慣れるために一緒に過ごすだけだったが、ある日、里親に魔法を見せてほしいと言われた。
そうして俺は孤児院にいたときから得意だった『風刃』を2人の前で披露した。
それで終わらせればよかったのに、俺は庭の草に向かって『風刃』を放って、コントロールが誤ってそのまま─────。
思い出すだけでも嫌になる。
夫人の顔に傷をつけた俺は里親に怖がられることになって、一緒に過ごすことはなくなった。
また独りになった。
あのとき魔法を使わなければ、まだ仲良くいられたかもしれない。
……………いや、いつかは傷つけることになったのだから、あの日でよかったのかもしれない。
そのおかげで先生に出会えたのだから。
でも、使いたくない。
また、誰かを傷つけるのはごめんだ。
俺もクレアも何も言わないまま何分か沈黙が流れる。
クレアがどうして黙っているのかはわからない。
違う方針を考えているのか、怒っているのか。
顔も見えないから全く見当がつかない。
しかし、クレアは予想だにしない言葉を放った。
「じゃあ、練習しようか。『風刃』」
「…………………は?」
俺は固まった。
聞いていなかったのだろうか。
俺が里親を傷つけてから使えないと言った『風刃』を練習するなんて、何を言っているのだろうか。
俺が眉をひそめてクレアを見ると、クレアは俺の眉間に指を当てながら話をする。
「話は聞いていたよ。人を傷つけたから使いたくない。
たしかにもっともな意見だけど、苦手なままだと生きづらいままだよ」
俺が眉間に当ててきている指をどかすと、クレアは隣に座った。
苦手なままだと生きづらいまま。
でも、どうすればいいのかわからないのに、どう克服すればいいのだろうか。
俺が黙りこくっていると、クレアはそのまま続ける。
「私は少し違うけど、似たような経験があるから。
嫌厭してずっと過ごしてきて、大事なときに必要だった魔法が使えなかった。
魔物討伐をするために『風檻』と『風盾』だけだと、今のセイルクじゃあすぐにやられちゃうから、最大の防御として、『風刃』を覚えたほうがいいよ」
「クレアも……あるんだ。そういうこと」
俺が少し気になって聞くと、クレアは答えをはぐらかすように立ち上がった。
「まあ、やってみようよ。一回。
それに、私にそう簡単に傷をつけられると思ったら大間違いだよ」
そう言われて、俺も立ち上がって、前へ出た。
十分に距離をとって、壊して困るものが周りにないことを確認する。
手先が震える。
寒さじゃなくて緊張だ。
わかりきっているのに、おさまらない震えに、俺は深呼吸した。
最初からできないと思わないで、恐れない。
成功したときの自分を想像する。
『хичзруеокюквыс колб』
俺が唱えた『風刃』によって足元に魔法陣が現れて、十数個の風の刃が現れた。
クレアは俺の『風刃』をひとつひとつ見てうなずいた。
「ちょっと偏ってるけど…………そのまま前に放ってみて」
俺は前を向いて、飛ばすイメージをする。
一度深呼吸をしてから、俺は前に放ってみる。
『風刃』は最初のうちは前に飛んでいくが、俺から離れていくうちにだんだんとおかしな方向へ飛んでいくものが現れ始めた。
前に放ったはずの『風刃』はほとんどが横にそれる。
そのうちのひとつが、近くの『風刃』を巻き込んで横というより、俺の後ろ───クレアのほうに飛んでいった。
また傷つけてしまう。
ガガガガガッ
何かが削れる音がした。
思わず俺が振り返ると、何事もなかったようにクレアが立っていた。
「怪我………は」
俺が恐る恐る聞くと、クレアは明るい声で答えた。
「ないよ。言ったでしょ、簡単には傷つけられないって」
クレアがそう言って空中をノックすると、時空の歪みのような透明な膜が見えた。
クレアがノックした箇所から波紋を広げるように膜が見えてきて、クレアの全身を包んでいるのがわかる。
風景に同化している膜は見た目では弱そうに見えるが、クレアのノック音が金属を叩いたときみたいに硬くて、不思議に見える。
『結界』だ。
支援属性や聖属性などの限られた属性しか使えない魔法。
まさか見られるとは思っていなかったが、クレアが使えるとは知らなかった。
クレアは氷属性のはずなのに。
「『結界』………使えるんだな」
「あ…………そうなの。支援属性の魔法でこれだけ練習してできたの」
俺の問いに驚いたのか、少し間を置いてからそう答えたクレアは、『結界』を解除して「それよりも」と話を逸らした。
「『風刃』はいい筋いってるよ。
私に飛んできたやつは他と比べて魔力が少なかったから、コントロール外になったんだと思う。
横にそれたやつはその逆で、多すぎるからコントロールが不安定になってた。
偏り、といってもそんなにひどいわけじゃないから、『飛行』とか『浮遊』よりは簡単に習得できるかもね」
クレアはそこで言葉を切ると、俺の手を握った。
握られた手から魔力が送られてくる。
じんわりと、ティーポットから注がれるように、少しずつ体に染み渡るような暖かさをもった魔力が流れ込んでくる。
「今のセイルクが扱える強さはこれくらいなんだよ」
暖かい魔力に馴染んでいると、突然そんなことを言われた。
こんなに少量ずつなのかと、少し気になってしまった。
俺の考えていることがわかったかのようにクレアは笑った。
「さっきの『風刃』でちゃんと前に飛んだやつはこのくらいの強さだったんだよ。ちゃんと飛んだってことは、ちゃんとコントロールできたってこと。
それに、魔法を使うとき、深呼吸してるよね?
息を整えるのはすごく効果的だから、これからも継続していってね。
今から練習すればもっと強くなるよ」
「……………ありがとう」
褒められて俺が素直に礼を言うと、クレアはまた笑った。
「…………さて、と。
『風刃』とかの攻撃魔法や防御魔法の習得のほうが簡単そうだから、学校での練習?の時間や朝の時間を使って練習してきてね。
練習したかどうか毎日チェックするから。
それじゃあ、もう一回、やってみよう」
「わかった」
俺はもう一度、『風刃』の練習を始めた。
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