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第74話『喰われるの意味』*R18
しおりを挟む継母は部屋に入ってくるなり私の腕を絡め取り、そのままベッドにダイブさせた。
「うわっ」
体がベッドの上でバウンドする。
なんてふかふかなんだろう、このベッド‥
それにしても、継母のこの甘ったるい匂いが鼻の奥を刺激して何とも言えない気持ちになる。
すぐ目の前に迫る継母の顔は、目尻にも口元にもセクシーなホクロがあって、私は思わず顔を逸らした。
殺人を犯したり‥
ましてや人肉を食べるなんていうサイコパスな雰囲気はない。
けど‥なんて言うんだろう。
一言で言うと‥そう、『女』だ。
この継母はいま、全開で『女』なのだ。
まるで女豹のよう。その波打つ黒い髪の毛で絡み取られてしまいそうな、そんな不安に襲われる。
「大丈夫よ、心配しないでくださいな。
貴方を蕩けさせて差し上げますわ、ネロさん‥
今日がベストタイミングなのよ。あの人も今夜は帰らないんだから」
あの人というのは‥
ネロさんの父親のことだろうか。
継母は耳元にキスをしてきた。
ぼわっと耳が熱くなったのがわかった。くすぐったくて、なんとも気色悪くて、全身に一気に鳥肌が立つ。
ーーーなんて変態なの‥!
こうしてスキンシップを取ったあとに殺すつもり‥?
早く殺しにきてくれないと、証拠も何も掴めないのに‥!
首筋に舌を這わされ、身体中がぞくぞくと震え上がる。
継母は私の首筋を音を立てて吸いながら、パジャマのボタンを1つずつ外していった。
「ぬっ、脱ぎたくないです!」
ぐいっと継母の体を押すと、継母はにんまりと妖艶な笑みを浮かべた。
「脱いだ方が燃えるでしょう?」
そういうものなの?!
なんて女‥。幼きネロさんの服をこうして剥ぎ取ろうとするなんて‥。
「ぬ、脱がなくてもいいのではないですか‥?!」
「い・や・よ」
継母の顔が私の胸元に沈んだ。
私の‥といっても、いま私の体は幼きネロさんの姿をしている。
あぁ、どうしよう。なんて母親なの‥!この人!
「うわぁっ」
突然、身体中の毛が逆立つような刺激を感じた。思わず裏返ったような声が出た。
音を立てながら、継母が私の胸に吸い付いている。
この姿を、本物のネロさんがこの部屋のどこかから見ているのだ。
なんていう状況‥!
「はぁ、可愛い‥可愛いわ、ネロさん!
そんな声聞かされたら目眩がしちゃいますわ」
ーーーいよいよね?!
いよいよ殺しにかかってくるのね?
継母が未だに刺激を続けてくるせいで、私は無意識に腰を浮かせていた。ぼうっとする頭をはっきりさせようと、継母の頭を両手で掴んで胸元から引き離そうとする。
だが。
「もうっ、暴れないの。ネロさん」
「んんっ!い、いやっ!」
継母の手が、私の股に触れた。
パジャマの上から、執拗にこねくり回される。
私はまた腰を浮かされながら、感じたことのない刺激に体をくねらせた。
「や、やめっ!やめてくださいっ!!」
「女の子みたいに声を上げるんですね、ネロさん。
ああ、堪らないわ‥」
「も、もうっ、回りくどいことは要らないです!
やるならとっととやって!!」
早く殺しにきてよ!
息子にこんな変態プレイしないで、やるなら早く‥!
「あらあら、我慢できないんですね」
うふふ、と継母の唇が妖艶に弧を描いた。
私の体から離れた継母に、ホッと息を吐く。
さて‥何で殺しに来るつもりなんだろう。
ナイフ?縄?それとも素手‥?
まさか生きたまま食べれるわけもないでしょう。百歩譲っても、それなら私の手足を縛るはず‥。
継母は私の体の上に馬乗りに跨った。
いよいよ来る‥!
魔法を掛けるタイミングを見失わないよう継母の動向に意識を集中していると、ぐいっとズボンとパンツを降ろされた。
ーーー?!?!
「念願の、ネロさんのチェリー‥
いただきます♡」
「へっ?!えっ?!ーーーんあっ」
まるで、飲み込まれたのかと思った。
突然継母によって包み込まれたソレは、私を酷く悶えさせた。
継母は私の反応を心底楽しみながら、腰を激しく動かしている。
「はぁ、はぁ、ネロさん‥可愛いわ‥」
「いっ、いやっ!や、やめてっ!やめてよっ」
卑猥な音が室内に響いて、温かく絡みつくような継母のそれは私の脳を真っ白にさせた。
腰をくねらせて逃れようとするけど、そんな私の反応は継母を喜ばせるだけらしい。
そして、ここにきてやっと気が付く。
『喰われる』とはこういう意味だったのだと‥。
「あっ、いやっ、ああぁぁっ」
「うふ、逝き方も可愛いわぁ」
私は訳がわからないまま‥
処女を失うよりも先に、あろうことかネロさんに見られながら、ネロさんの姿で童貞を失ったのだった。
「私はまだ満足できてないんだけどぉ、ネロさんが限界そうだから‥今日のところはこれくらいにしておきますわ。ごちそうさまでした♡」
「‥‥」
何たる失態‥‥
ショックがあまりにも大きすぎる。
私は‥いつ殺しにかかってくるのかとそればかりに気を取られて‥。結局、ネロさんを救えていないじゃないか‥。
明日以降、また機会があればネロさんは『喰われて』しまうのだから。
好きな人の貞操を守ってあげられないなんて‥‥
部屋から出て行く継母を横目で見ながら、私は顔を両手で覆って溜息を吐いた。
そこで、ふと気が付く。
ネロさんが童貞を捧げた相手は、金髪の女性って言ってなかったっけ‥?
あの継母ではないということ?
私がこうして代わりに『喰われた』ことで、正しい未来へ導くことができたのかな‥?
‥‥それにしても‥童貞を守れただけで、またネロさんが襲われる可能性は大いにあるし、私が処女よりも先に好きな人の姿で童貞を失ったことには変わりない。
「はぁ‥‥」
よりによっておそらくまだピュアな心であろうネロさんに、こんな悍ましい姿を見せてしまったなんて‥
ーーーあれ?
これがもし、正しい未来へ繋がる正解なのだとしたら‥
大人になったネロさんは、私がこうして童貞を奪われた姿を見ていたということ‥‥?
「な‥なんてこと‥‥‥」
出会った頃から、この私の人生最大の醜態を‥
知っていたなんて‥
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