最強術師、転生して学園へ。

白百合・ラピスラズリ・蘭

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01:白樺の木と白㛲の少女

5話:入学試験②

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 ファルノモキアは観客席からフィールドに降りて体を伸ばしていく。
 初戦の相手はさっきララリエールに絡んだ貴族の取り巻きの壱人だった。

「ふん。お前みたいな弱そうなやつ壱瞬で片付けてやるぜ!!」

 と意気揚々とあざける様に言ってきたが、ファルノモキアは何事も無かったかのようにスルーした。

 取り巻きは無視された事にカンカンに怒りながら準備していく。両者準備が整ったところで、試験官の男が先程と同じ方法で試合を開始させた。

 コインが落ちた瞬間、取り巻きは詠唱を開始し、水の呪法を発動させた。ファルノモキアは無詠唱で、その呪法とついとなる魔法を発動させて、相殺させた。

 取り巻きは壱瞬動きを止め驚きの表情を露わにしていたが、どんどん詠唱して呪法を放っていく。だが、ファルノモキアも全て相殺していく。

 そしてついに、取り巻きは呪法の詠唱を辞め、膝に手を付き、荒々しく息を吐く。過呼吸気味な呼吸と青ざめた表情から呪力切れを起こしたのだろう。

「な……何故だ………なんで俺の……呪法が効か……ない……んだ……」

 悔しげに涙を浮かべながら取り巻きは言うが、またしてもファルノモキアは無視である。 

 ファルノモキアは現在、未完成の面白い技。その名も、咒法じゅほうについて考えていて、取り巻きの声などはなから聞こえてなどいなかったのだ。

「『Ó magia,O· M·a·g·i·e·,une-te e mistura-te,v·e·r·e·i·n·t· u·n· d ·  v·e·r·s·c·h·m·o·l·z·e·n·, e dá-me dois poderes,g·i··m·i·r· d·i·e· M·a·c·h··d·e·r· Z·w·e·i·.
Vermelho,duzentos-e-quarenta-e-um,R·o·t·,z·w·e·i·h·u·n·d·e·r·t·-e·i·n·s·-u·n·d·-v·i·e·r·z·i·g·.
Verde,quarenta-e-três,G·r·ü·n·,d·r·e·i·-u·n·d·-v·i·e·r·z·i·g·.
Azul,zero,B·l·a·u·,n·u·l·l·.』『Fogo Feuer  bala aufzählung赫火の魔弾』」

 長い、そして不気味で理解の出来ない詠唱らしき物を終えたファルノモキアは赤く。只々赤く燃える禍々しい弾丸を、取り巻きに放った。

 膝に手をつきゼェゼェ言っていた取り巻きは最早、尻餅をつき、地面を黄色く濡らしてしまっていた。

 試験官の男もこれは危険と判断したのか試験を止めるよりも早く、弾丸と取り巻きの間に盾になるように出てきた。

 男は結界呪法が何より得意であったが、あったがために、気づいてしまっていた。今の自分の持てる全てを使ったとてこの弾丸を止めることは不可能だと。ならば、自分自信が怯えている少年を、未来ある子供を助けるべきだと、自分に自分の限界の結界呪法をかけ、取り巻きの前に踊り出た。

 弾丸が男に当たった瞬間、男が自身に張っていた結界はパリーンと音を立てて壊れた。だが、弾丸は止まらず男を焦がしていく。と、その時、突如火は消え、男の怪我も壱瞬で治った。

「すみません。つい興奮しちゃって試験官の先生がいるのに気づきませんでした。すいません。」

 ファルノモキアが、治したのだった。先程の様な興奮した表情ではなく、いつも通りのどこか退屈気な表情に戻っていた。

「あ、あぁ……大丈夫だ。この試合お前の勝ちだ。だから観客席に戻っている様に。」

「分かりました。」

 ファルノモキアは男に言われた様に席に戻って行った。

 な、なんだあの少年は……あんな禍々しい呪法見たこともなければあんな詠唱聞いたことも無い。俺が聞き取れたのが半分だけ……だと……

 男はこんななりだが、この学園を首席で卒業し、数年は宮廷呪法師として働き、最後には呪法師長にまでなっていた。得意呪法が結界呪法な事もあり、国の結界をより強固にした事で、巷では有名であった。
 そんな彼が止められず、あまつさえ理解できない詠唱。ファルノモキアの正体を知らない者は皆、恐怖に震えていた。

 そんな事とは露知らず、ファルノモキアは実験が成功し、咒法の威力を確認できたことに内心とても喜んでいた。席に戻りララリエールの隣に座ると、ララリエールは少し驚きながら話しかけてきた。

「ファルノモキア様。先程の呪法は何だったのでしょうか?差し支えなければ教えて頂けると……」

「さっきのは俺がこの壱ヶ月ずっと練っていた新技だよ。ララに教えて貰ってある程度の知識を身に付けてから、入試まで壱週間近く間が合ったからね。少し試してみたくて色々やってたんだ。Fogo Feuer  bala aufzählungって言って意味は赤い火の弾って意味だね。」

「赤い火の弾ですか……確かに先程のはただただ赤いって感じでしたね。ですが威力がおかしくないですか?呪法名聞いた限りFogo bala火の弾と同種の物ですよね?」

「んーまぁ、それについてはおいおいね。たぶん今話しても理解は出来ないだろうから」

「はあ……」

 何故かはぐらかされてしまったことに疑問を持ちながらも、これ以上は答えてくれないと思ったのかララリエールは質問を辞めた。

 しばらくして再び試験は再開されたが、ファルノモキアの相手になる人は皆棄権していった。
 そうして、滞ることなく、実技試験は終了した。

 もう壱つのグループの方も終わったらしく、ファルノモキア達は筆記試験の会場である、第六訓練場に向かった。

 第六訓練場は室内訓練場になっていて、そこに沢山の机を並べた形になっていた。

「えー、自分の受験番号と同じ番号が書いてある席に座ってください。本日は、公用語、呪法文、数学、歴史の順番で行います。」

 訓練場に入ると、ピシッとしたスーツを着て、眼鏡をかけた女性が指示を出していた。

 皆が席に着いたのを確認すると、それでは、公用語のテストを始めると言って、問題用紙と解答用紙を配り出した。

「それでは、始め!」

 女性の合図とともに壱教科壱時間の筆記試験が始まった。
 ファルノモキアは問題を開き、眺める。

 ララリエールに習っている時に気づいたことだが、この世界の共通語が前世のものと全く同じだったのだ。
 前世で世界壱の大学を主席で卒業しているファルノモキアにとって、そうなれば独擅場。開始十分で全ての問題を解き、眠りにつく。

 試験官が横を通り過ぎるが、眠っているファルノモキアを見て、あっ、こいつ諦めたなと思っていたが、起こすのもめんどくさかったのか、試験官は彼をスルーしていた。

 続いて呪法文のテストもファルノモキアは十分で終わらせ寝る。それを他の弍つの教科でもやる。

 ファルノモキアからすれば、睡眠時間が沢山ある程度に思っていたが、他の人からすれば、泣きたくなるほど難しいテストだった。

 試験官が試験終了を告げ解答用紙を回収する。

 試験が完全に終わり、ファルノモキアとララリエールは帰路についていた。

「ファルノモキア様。筆記試験は難しかったですか?」

「いや、簡単だったよ。開始十分で全部終わっちゃったからずっと寝てたし」

「そうですか。それは良かったです。」

 ララリエールは、心配の表情から壱転嬉しそうな表情をしていた。

 そこから弍人は筆記試験の感想を言い合いながら家に帰った。
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