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01:白樺の木と白㛲の少女
6話:スフェーンの魔女
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ララリエールは現在、ファルノモキアの部屋にいた。今朝の話をするためだ。
ファルノモキアはララリエールが部屋に入ると同時にちょっと待っててと言って出てしまった。
緊張する。この咄噺をすればファルノモキアに嫌われるかもしれない。そんな不安が拭えず、ララリエールの心臓の音は徐々に速さを増していた。
ドアが開き、数冊の本を持ったファルノモキアが帰ってきた。
「お待たせ。それじゃあ聞かせて。あの金髪少年が言ってた忌み子って何?」
ララリエールは少し俯き気味だったが、意を決して話し始めた。
「忌み子について説明するにはまず、壱つ。昔咄をさせてください。神話や絵本にすらなった。厄災の話を。」
五百年前。まだ、帝国が帝国となる前の、壱つの領地だった頃、普通の農家の家に壱人の女の子が産まれました。
女の子は世にも珍しい純白の㛲でした。彼女は成長する毎に両親や周りの人を驚かすことをし続けました。
彼女が怪我しても壱瞬で治り、彼女が念じると、相手の怪我はみるみるうちに治っていきました。
ある日、その噂を聞いた領主が、無理やりに彼女を連れていきました。
これは後から分かった事ですが、彼女の両親に多額の見舞金が送られていたようで、彼女は売られた形だったようです。
連れて行かれた彼女は当時領地と戦争していた別の土地に連れていかれて、味方を延々と回復させていたそうです。そして、戦争が終わると、兵士達の慰み者として、地獄のような日々を過ごしていたようでした。
そんな生活が数年続いたある日、彼女に異変が起きました。彼女の持つ翡翠の瞳が森のような深緑になっていたのです。そして、彼女に触れた騎士達が次々に爆散していったのでした。
怖がった騎士たちは彼女に近づくのを辞めました。そして、復讐を恐れた領主が彼女を地下牢に幽閉しました。
時は流れて百年後。
今年新しく領主に着いた人が、昔の記録を読んで驚いたらしい。彼女の事は当時の人達に箝口令が敷かれていて、今の人は誰も知らなかったのです。
新領主はその記録が本当か確認するべく地下牢に行った。けど、そこはもはや地下牢じゃ無くなっていました。
そこは数秒で腐り果てて崩れては元の綺麗な状態に戻るなんていう今の呪法でもできないような超常な事が起きていました。
新領主が勇気を持って奥に進むと、そこには齢十七ぐらいの……拐したときとなんら変わらない見た目の少女が壁に持たれる様に座っていたのでした。まるで屍のような風貌で、それでも僅かの呼吸だけはわかる。そんなボロボロな彼女を見て、新領主は腰を九十度曲げて謝ったそうでした。
それを見た彼女は、きっと許せなかったのだろう。当たり前だ。あんな事をされて、ましてや幽閉されて何十年と経っているのだから。
彼女は新領主を殺して、街に出ました。
彼女はたしょう痩けていたが髪色と相まって注目された。男からは厭らしい目で見られ、女からは汚らわしそうに見られました。
その事に絶望した彼女は街中に力を発動させました。
彼女の能力は過剰回復。元の呪縛もあって、彼女の回復はどんな怪我でも死んでいなければ治せました。そんな彼女が、怪我のない相手に只々回復の魔法を過剰に与えることで、相手の体はどんどん回復され過ぎて爆散するようになるそうでした。
百年間の憎しみが溜まりに溜まった力は街中に広がり、街は壱瞬で地獄と化しました。
彼女は、その深緑の目と変わらぬ容姿から、永久不変の魔女と呼ばれるようになりました。
そこから更に百年ほどたったある日、勇者と呼ばれる少年が彼女を封印しました。彼が何者なのかも封印の方法も何も分からないそうです。
話を聞いて、ファルノモキアは深く昔のことを思い出していた。まだ前世でも、サイキョウと言われて間もない頃。とある悪魔が討伐されたという噂が流れたことがあった。
でも、前世の世界には悪魔などと呼ばれる生き物も、超常的な力を持つ人間もいなかった。あの時は気にも止めなかったが、異世界からの大きな噂が巡り巡ってあの世界にも来たのだろうと思った。だが、そこまで回復の呪法を極めた存在を封印か……アレの可能性も、、いやそれはないか。
ファルノモキアは思考を止めてララリエールに向き合った。
「それで、その忌み子って言うのはそのスフェーンの魔女と同じ姿をした人を指す差別用語みたいなものと捉えていいのかな?」
「まぁ、そうですね。私みたいな白㛲の女性だったり、他の悪魔だったりと特徴が酷似している人を忌み子と呼ぶんです。」
ララリエールは少し俯き気味で訊いた。
「ファルノモキア様も私を気持ち悪いと思いますか?」
「なんで?別にララがした訳じゃないし、そのスフェーンの魔女も彼女が悪いわけじゃない。だから、ララを嫌う理由が壱つもないんだけどなぁ」
そう言うと、ララリエールは泣き出してしまった。
「不安だったよな。怖かったよな。大丈夫だ。俺は理不尽なことで、ララを嫌わないから。だから、安心して、心を開いてもいいんだ。」
ララリエールはファルノモキアの胸に顔を押付け、眠りに着くまで泣いたのでした。
ファルノモキアはララリエールが部屋に入ると同時にちょっと待っててと言って出てしまった。
緊張する。この咄噺をすればファルノモキアに嫌われるかもしれない。そんな不安が拭えず、ララリエールの心臓の音は徐々に速さを増していた。
ドアが開き、数冊の本を持ったファルノモキアが帰ってきた。
「お待たせ。それじゃあ聞かせて。あの金髪少年が言ってた忌み子って何?」
ララリエールは少し俯き気味だったが、意を決して話し始めた。
「忌み子について説明するにはまず、壱つ。昔咄をさせてください。神話や絵本にすらなった。厄災の話を。」
五百年前。まだ、帝国が帝国となる前の、壱つの領地だった頃、普通の農家の家に壱人の女の子が産まれました。
女の子は世にも珍しい純白の㛲でした。彼女は成長する毎に両親や周りの人を驚かすことをし続けました。
彼女が怪我しても壱瞬で治り、彼女が念じると、相手の怪我はみるみるうちに治っていきました。
ある日、その噂を聞いた領主が、無理やりに彼女を連れていきました。
これは後から分かった事ですが、彼女の両親に多額の見舞金が送られていたようで、彼女は売られた形だったようです。
連れて行かれた彼女は当時領地と戦争していた別の土地に連れていかれて、味方を延々と回復させていたそうです。そして、戦争が終わると、兵士達の慰み者として、地獄のような日々を過ごしていたようでした。
そんな生活が数年続いたある日、彼女に異変が起きました。彼女の持つ翡翠の瞳が森のような深緑になっていたのです。そして、彼女に触れた騎士達が次々に爆散していったのでした。
怖がった騎士たちは彼女に近づくのを辞めました。そして、復讐を恐れた領主が彼女を地下牢に幽閉しました。
時は流れて百年後。
今年新しく領主に着いた人が、昔の記録を読んで驚いたらしい。彼女の事は当時の人達に箝口令が敷かれていて、今の人は誰も知らなかったのです。
新領主はその記録が本当か確認するべく地下牢に行った。けど、そこはもはや地下牢じゃ無くなっていました。
そこは数秒で腐り果てて崩れては元の綺麗な状態に戻るなんていう今の呪法でもできないような超常な事が起きていました。
新領主が勇気を持って奥に進むと、そこには齢十七ぐらいの……拐したときとなんら変わらない見た目の少女が壁に持たれる様に座っていたのでした。まるで屍のような風貌で、それでも僅かの呼吸だけはわかる。そんなボロボロな彼女を見て、新領主は腰を九十度曲げて謝ったそうでした。
それを見た彼女は、きっと許せなかったのだろう。当たり前だ。あんな事をされて、ましてや幽閉されて何十年と経っているのだから。
彼女は新領主を殺して、街に出ました。
彼女はたしょう痩けていたが髪色と相まって注目された。男からは厭らしい目で見られ、女からは汚らわしそうに見られました。
その事に絶望した彼女は街中に力を発動させました。
彼女の能力は過剰回復。元の呪縛もあって、彼女の回復はどんな怪我でも死んでいなければ治せました。そんな彼女が、怪我のない相手に只々回復の魔法を過剰に与えることで、相手の体はどんどん回復され過ぎて爆散するようになるそうでした。
百年間の憎しみが溜まりに溜まった力は街中に広がり、街は壱瞬で地獄と化しました。
彼女は、その深緑の目と変わらぬ容姿から、永久不変の魔女と呼ばれるようになりました。
そこから更に百年ほどたったある日、勇者と呼ばれる少年が彼女を封印しました。彼が何者なのかも封印の方法も何も分からないそうです。
話を聞いて、ファルノモキアは深く昔のことを思い出していた。まだ前世でも、サイキョウと言われて間もない頃。とある悪魔が討伐されたという噂が流れたことがあった。
でも、前世の世界には悪魔などと呼ばれる生き物も、超常的な力を持つ人間もいなかった。あの時は気にも止めなかったが、異世界からの大きな噂が巡り巡ってあの世界にも来たのだろうと思った。だが、そこまで回復の呪法を極めた存在を封印か……アレの可能性も、、いやそれはないか。
ファルノモキアは思考を止めてララリエールに向き合った。
「それで、その忌み子って言うのはそのスフェーンの魔女と同じ姿をした人を指す差別用語みたいなものと捉えていいのかな?」
「まぁ、そうですね。私みたいな白㛲の女性だったり、他の悪魔だったりと特徴が酷似している人を忌み子と呼ぶんです。」
ララリエールは少し俯き気味で訊いた。
「ファルノモキア様も私を気持ち悪いと思いますか?」
「なんで?別にララがした訳じゃないし、そのスフェーンの魔女も彼女が悪いわけじゃない。だから、ララを嫌う理由が壱つもないんだけどなぁ」
そう言うと、ララリエールは泣き出してしまった。
「不安だったよな。怖かったよな。大丈夫だ。俺は理不尽なことで、ララを嫌わないから。だから、安心して、心を開いてもいいんだ。」
ララリエールはファルノモキアの胸に顔を押付け、眠りに着くまで泣いたのでした。
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