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11号その後
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逃亡劇はあっけなく終了した
11号は向かいの島に到達することなく捕獲されたのだ
位置情報は首輪だけではなかった
実は貞操帯にもGPS機能は付いていた
普段は首輪から発信される電波から奴隷ボーイの居場所を特定しにいたが万一、首輪からの発信に違和感ある場合は貞操帯からの発信に切り替えることができる
11号の逃亡は当初はうまくいっていたが、休憩ゾーンの植え込みに隠してあった首輪が意外と早く見つけられてしまった
見つけたのは調教師の大輝と奴隷ボーイの37号だった
一般奴隷ボーイの37号は調教師の誘導がないと施錠室以外を歩くことはできない
この日、上客のお相手をしていた37号は1階ロービーまで大輝に伴われてお見送りした
接客用の制服を着る。詰襟後ろ側の下部にリード専用穴がある
ここにリードを付けて37号の後から戒護しながら移動した
もちろん手錠・足枷も装着されている。37号にとってこのような姿で人前を歩くのは屈辱以外の何ものでもない
「キレイに掃除が行き届いているだろう」
土足であるにもかかわらず毛足の長い絨毯は掃除も大変だろう。大輝は37号に自慢した
「そうですね。本当にキレイです」
37号もそう思った。奴隷島リゾートには清掃専門班がいる
「あっ、でもあそこにゴミが」
37号は余り上がらぬ手で指さした。手錠のため両手になるのと足枷と連結されているので余り上まで上がらない
黒い革製品の使い古しのようなものが落ちていた
果たして11号の首輪であった
首輪の施錠部位は腐食しており引きちぎったようだフックには18金のプレートに11の数字が書かれている
緊急事態発生として全奴隷ボーイは部屋に収容されやはり不在の11号が逃走中として緊急手配された
あとは11号の貞操帯から居場所を突き止め潜水から上がってきたところを身柄確保した
あっけない幕切れであった
それが誰かの首輪と知りそれを見つけたことを37号は悔やんだ
たとえ自分でなくてもこの境遇から逃げられるものなら逃げて欲しい
また成功したら羨ましいけど妬ましくは全然なかった。一人でも多くここから逃げて欲しい
身柄確保された11号はまず晒場(新人奴隷ボーイがお披露目されるところ)で晒された
亀甲縛りを受け、後ろ手拘束。天井から吊られた
普通、プレーでエムを釣る場合は手、腰、脚など数か所で吊る。体重が数か所に分散させるためである
しかし11号は一箇所で吊られた
皮膚に跡が残りにくいように保護はしている。殺すつもりはないのだ。商品を廃棄したくないからだ
しかし11号の苦痛は大きい
まず後ろ手拘束などそう長時間身体が保つものではない
動けない関節は悲鳴を上げて痛む。しばらんすると痺れてくる
吊られた部位はもっと苦しい。
11号の身体の数か所、アナルやペニス、乳首など敏感な部位や背中や腰などには電撃プラグが取り付けてあり、あるいは挿入されている
晒し場には逃亡の罪につき自由にスイッチを押せと書いてある
顧客の中には面白半分で押す
そのたびに11号は悲鳴を上げて痙攣する
面白い人には面白いらしい
何度かに一度は失禁する
「汚えヤツだなぁ。お前小便垂らしたら余計苦しくなるぞ」
調教師が憎々しげに言う。管理不行届で減俸処分を受けたので報復でもある
電撃は失禁した水分により拡散される
「もう殺してくれ」
11号はうめいた
吊り上げ電流は数時間に1回、中断される。ドクターストップがかかるのだ
中断後に再度、吊られるのが絶望的に苦しい
狭いゲージで休息する間も蝋を垂らされた
その様子は画像やここへ連れられて他の奴隷ボーイにも公開した。見せしめである
ゲージで垂らされた蝋は11号を苦しめるためでなくこれをみた奴隷ボーイに悲惨な思いをさせるためであった
夜になると晒し場からは解放されるが尋問が待っていた
この光景ももちろん奴隷ボーイにも見せた。
「せっかくスタッフの信用を集めながらなぜ、逃走を企った?」
ボスの尋問が始まる
昼間の懲罰ですっかり11号は精気を失っていた
「どうしても会いたい人がいました」
11号は押し殺すような声で応えた
数ヶ月前に11号の彼女が大きな事件に巻き込まれて大ケガをしたとお客様の持っていた週刊誌から知ったと
かなり大きな事件で11号の彼女以外にも多くの人が亡くなり、あるいは傷ついた
「殺されてもいい。その後のことだけは教えて下さい」
11号は泣くような声で言った
「なるほどな」
居並ぶ懲罰委員の一人が言った
「かわいそうだから教えてやる」
事件の被害者リストを他の職員に命じて用意してやった
「その件は残念だったみたいだなぁ」 リストを見ると11号の彼女は通り魔に刺された後、半年ほど植物状態だったが回復することなく虚しくなった
ボスが優しく説明してやった
11号の両眼に涙が溢れ、そして頬を濡らした
ひとしきり涙を流した11号はやがて
「俺を処刑して下さい。彼女の元に行きたい」
逃亡は死刑もありうると教えられている。それなら一緒に行きたい
生きていても理不尽にも拉致され奴隷ボーイとして何の希望もない。
それなら一層のこと組織に殺して欲しい
そしてあの世とやらではせめて普通にすごしたい
「審査は後日行う」
懲罰委員会は閉会した
少し長くなったので
続きます
11号は向かいの島に到達することなく捕獲されたのだ
位置情報は首輪だけではなかった
実は貞操帯にもGPS機能は付いていた
普段は首輪から発信される電波から奴隷ボーイの居場所を特定しにいたが万一、首輪からの発信に違和感ある場合は貞操帯からの発信に切り替えることができる
11号の逃亡は当初はうまくいっていたが、休憩ゾーンの植え込みに隠してあった首輪が意外と早く見つけられてしまった
見つけたのは調教師の大輝と奴隷ボーイの37号だった
一般奴隷ボーイの37号は調教師の誘導がないと施錠室以外を歩くことはできない
この日、上客のお相手をしていた37号は1階ロービーまで大輝に伴われてお見送りした
接客用の制服を着る。詰襟後ろ側の下部にリード専用穴がある
ここにリードを付けて37号の後から戒護しながら移動した
もちろん手錠・足枷も装着されている。37号にとってこのような姿で人前を歩くのは屈辱以外の何ものでもない
「キレイに掃除が行き届いているだろう」
土足であるにもかかわらず毛足の長い絨毯は掃除も大変だろう。大輝は37号に自慢した
「そうですね。本当にキレイです」
37号もそう思った。奴隷島リゾートには清掃専門班がいる
「あっ、でもあそこにゴミが」
37号は余り上がらぬ手で指さした。手錠のため両手になるのと足枷と連結されているので余り上まで上がらない
黒い革製品の使い古しのようなものが落ちていた
果たして11号の首輪であった
首輪の施錠部位は腐食しており引きちぎったようだフックには18金のプレートに11の数字が書かれている
緊急事態発生として全奴隷ボーイは部屋に収容されやはり不在の11号が逃走中として緊急手配された
あとは11号の貞操帯から居場所を突き止め潜水から上がってきたところを身柄確保した
あっけない幕切れであった
それが誰かの首輪と知りそれを見つけたことを37号は悔やんだ
たとえ自分でなくてもこの境遇から逃げられるものなら逃げて欲しい
また成功したら羨ましいけど妬ましくは全然なかった。一人でも多くここから逃げて欲しい
身柄確保された11号はまず晒場(新人奴隷ボーイがお披露目されるところ)で晒された
亀甲縛りを受け、後ろ手拘束。天井から吊られた
普通、プレーでエムを釣る場合は手、腰、脚など数か所で吊る。体重が数か所に分散させるためである
しかし11号は一箇所で吊られた
皮膚に跡が残りにくいように保護はしている。殺すつもりはないのだ。商品を廃棄したくないからだ
しかし11号の苦痛は大きい
まず後ろ手拘束などそう長時間身体が保つものではない
動けない関節は悲鳴を上げて痛む。しばらんすると痺れてくる
吊られた部位はもっと苦しい。
11号の身体の数か所、アナルやペニス、乳首など敏感な部位や背中や腰などには電撃プラグが取り付けてあり、あるいは挿入されている
晒し場には逃亡の罪につき自由にスイッチを押せと書いてある
顧客の中には面白半分で押す
そのたびに11号は悲鳴を上げて痙攣する
面白い人には面白いらしい
何度かに一度は失禁する
「汚えヤツだなぁ。お前小便垂らしたら余計苦しくなるぞ」
調教師が憎々しげに言う。管理不行届で減俸処分を受けたので報復でもある
電撃は失禁した水分により拡散される
「もう殺してくれ」
11号はうめいた
吊り上げ電流は数時間に1回、中断される。ドクターストップがかかるのだ
中断後に再度、吊られるのが絶望的に苦しい
狭いゲージで休息する間も蝋を垂らされた
その様子は画像やここへ連れられて他の奴隷ボーイにも公開した。見せしめである
ゲージで垂らされた蝋は11号を苦しめるためでなくこれをみた奴隷ボーイに悲惨な思いをさせるためであった
夜になると晒し場からは解放されるが尋問が待っていた
この光景ももちろん奴隷ボーイにも見せた。
「せっかくスタッフの信用を集めながらなぜ、逃走を企った?」
ボスの尋問が始まる
昼間の懲罰ですっかり11号は精気を失っていた
「どうしても会いたい人がいました」
11号は押し殺すような声で応えた
数ヶ月前に11号の彼女が大きな事件に巻き込まれて大ケガをしたとお客様の持っていた週刊誌から知ったと
かなり大きな事件で11号の彼女以外にも多くの人が亡くなり、あるいは傷ついた
「殺されてもいい。その後のことだけは教えて下さい」
11号は泣くような声で言った
「なるほどな」
居並ぶ懲罰委員の一人が言った
「かわいそうだから教えてやる」
事件の被害者リストを他の職員に命じて用意してやった
「その件は残念だったみたいだなぁ」 リストを見ると11号の彼女は通り魔に刺された後、半年ほど植物状態だったが回復することなく虚しくなった
ボスが優しく説明してやった
11号の両眼に涙が溢れ、そして頬を濡らした
ひとしきり涙を流した11号はやがて
「俺を処刑して下さい。彼女の元に行きたい」
逃亡は死刑もありうると教えられている。それなら一緒に行きたい
生きていても理不尽にも拉致され奴隷ボーイとして何の希望もない。
それなら一層のこと組織に殺して欲しい
そしてあの世とやらではせめて普通にすごしたい
「審査は後日行う」
懲罰委員会は閉会した
少し長くなったので
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