奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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恋の行方(20号と88号)

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淡い恋の始まり
しかし行く手はまだまだ大変そうな道だ

その日のオープニング、サロンには20号はいなかった
2時間コースの予約が入っていてあと半時間もしないうちに終わる予定だ
88号は心穏やかではなかった。しかしお互い奴隷ボーイ、ここでは性奴隷なのだから何ともならない

20号は30分もしないうちに帰ってきた。行為後、余韻を楽しみ、奴隷ボーイと多くを語るお客様と行為後しばらくしてすぐに立ち上がり服を着替えて帰ろうとするお客様がいる
どちらかと言えば後者の方が奴隷ボーイとしては楽である。お客様とお話しするのは次のご予約を頂いたり、親密を深めたり、次回の抱かれ方を学んだりするのに必要だが気を使う
恐らく早々に終わらせたいお客様なのであろう
が、少し20号の様子が違っていた
泣きべそをかいていてお尻をさすっていた
「どうかしたの?」
88号が尋ねる
20号は制服のズボンを下ろし88号に見せた
ミミズ腫れがあちこちにできている 
先ほどの客にムチ打たれたと言う
客が20号を縛り上げたあたりまでは店側も容認していた。20号は淫乱Мの要素を兼ね備えている
しかしムチ打ちは別である
奴隷島リゾートですら滅多に奴隷ボーイをムチ打ちすることはない
身体に跡が残ると回復まで商品にならないからだ

許されない
88号は思ったがどうしてやることもできない
20号を守ってやれない自分の立場が悔しいかった
薬も持ち合わせてないので頭を撫でてやるしかできなかった
「20号来い」
調教師が20号を呼び治療のため下がらせた。今日は休ませるとのことで88号も少し安心した

数日後、20号はティーラウンジのシフトに現れた
88号はそれを見てホッとした
「もうお尻、痛くない?」
「大丈夫。もう跡も残ってないよ」
20号はこの間のことなど無かったような口ぶりだった
「良かった。本当に良かった」
そのあまりにも崩れた表情に却って20号が驚いた
「どうしたの?心配してくれてたの?」
20号はからかうように言った
「当たり前だ!オレ、お前のことが好きだから」
88号は勢いで言ってしまった
「お前は迷惑だろうけど」
と、付け加えた
「んなことないよ」
即座に20号が言う
「‥‥‥え?」
88号は鈍感だから20号の想いには気づいていない
「僕なんか、もっと前から君のことが好き」
たまらない!
88号は思わず20号の唇を奪った
軽くキスするつもりだったが20号から舌を絡ましてきた
奴隷ボーイ同士のカップルが出きた瞬間だった

この後、ふたりきりの瞬間を作ってはキスを重ねた
食事時間に物陰で抱き合ったこともある
お互いの乳首を舐めたり88号が20号のアナルを触ったりした
立ち位置的には88号が20号を愛する形になる
20号は誰かのアナルを犯すことはできないけど88号は大丈夫だ。実際、お客様の要望で自分のペニスでお客様を犯したことも何度かある
が、それは奴隷ボーイ同士では不可能であった
なぜなら奴隷ボーイには通常、貞操帯が装着されているからである
20号も88号に抱かれたい
88号も抱いてやりたい
しかし貞操帯が外されるのはお客様か調教師が必要だと認めた時でその管理の元でしかない 
二人がひと目を忍んで愛しあうことは不可能だと思われた

それが不可能ではなくなる
そんな事態が起きた

次回、お話ししますね
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