プロンプト一行分のミステリ――ChatGPTに「ミステリ小説を書いて」と言っただけの小説

髙橋P.モンゴメリー

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プロンプト一行分のミステリ――ChatGPTに「ミステリ小説を書いて」と言っただけの小説

第7話 消えたブログの残響

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インターネットの底を漁る作業は、

想像していた以上に、地味で、そして少しだけ気味が悪かった。



次の日の昼、

僕と由利は、それぞれのPCの前に座ったまま通話をつなぎ、

黙々とキーボードを叩いていた。



「どうです? そっちは何か出ました?」



スピーカー越しに聞こえる由利の声は、

カチャカチャというタイピング音に少しだけ埋もれている。



「“消えゆく図書室の影 ブログ”で検索して、

 それっぽいのはランキングサイトのキャッシュだけ。

 中身は全部飛んでる」



「こっちも似たようなもんです。

 アーカイブ系のサービス、いくつか当たってるんですけど……」



由利が溜息をついた。



「個人ブログって、本当にあっさり消えるんですね。

 十年前の高校生が書いた文章なんて、

 世界から見たら誤差みたいなもんだってことですか」



「でも、その“誤差”に今、振り回されてるわけだしな」



画面の中の検索結果は、

どれも似たようなタイトルで瞬く間に増えては消えていく。



「図書室」「影」「ミステリ」「遥」――

キーワードを入れ替え、組み合わせ、

それでも目当ての文章にはなかなかたどり着けない。



「先生の方は?」



一段落ついたところで、

僕は桐生先生からのメールを確認する。



昨夜遅くに送った「如月のブログに心当たりがないか」という問い合わせに、

昼前に返事が来ていた。



件名:Re: 如月さんのブログについて



成瀬くん



 “消えゆく図書室の影”というタイトルのブログは、

 当時、僕も何度か覗いたことがある。

 ただ、彼女が自分のものだと明言したことはなかったから、

 教師としては踏み込みすぎない方がいいと思っていた。



 君たちから連絡をもらってから、

 古いPCのローカルフォルダや、

 当時のブックマークを一通り探してみたが、

 URLそのものは残っていなかった。



 ただ、一つだけ気になったことがある。

 昔、授業で扱った短編の感想レポートを、

 彼女が自分のブログで再構成したいと言ってきたことがあった。

 そのとき送ってもらった下書きのファイルが、

 まだ学校のサーバに残っているかもしれない。



 後で管理職に頼んで、古いデータを掘り出してみる。

 見つかったらまた連絡するよ。



桐生



「先生、ちゃんと動いてくれてるみたいだな」



僕が読み上げると、

通話の向こうで由利が「さすがです」と小さく感心した声を出した。



「“感想レポートをブログ用に再構成”って、

 如月先輩っぽいですね。

 あのノートの書き方も、どこかブログっぽかったし」



「問題は、その下書きが残ってるかどうか」



「ですね。

 学校のサーバって、だいたい雑に整理されがちですし」



それは市立図書館のホワイトボード問題を見たあとだと、

妙に説得力がある。



「……ねえ、先輩」



由利が、少しだけ声のトーンを変えた。



「一個だけ、怖いこと言ってもいいですか」



「今さらだな」



「このチャットAIにさ、

 “十年前にあったミステリブログの文章を復元して”って頼んだら、

 どれくらいそれっぽいのが出てくるんでしょうね」



一瞬、椅子の背にもたれていた身体が前のめりになる。



「さすがに、“このURLの中身を出してください”みたいなのは無理だろう。

 そんな機能があったら、それこそ情報漏洩だし」



「そうですね。

 でも、“当時インターネットにあった文章の癖”みたいなのを、

 このAIはなんとなく知ってるわけじゃないですか」



「まあ、傾向みたいなものはな」



「それで試しに、さっきちょっと遊んでみたんですよ」



「勝手に相棒を使うな」



僕が半分冗談でそう言うと、

由利は悪びれもせず続けた。



「“高校の図書室を舞台に、

 無名のミステリ小説を静かに褒める感じの、

 ちょっと背伸びした女子高生のブログ風の文章を書いて”って」



「ああ、悪い客だな、それは」



「出てきた文章がですね……

 なんか、すごく“らしかった”んです」



由利の声に、

少しだけぞくりとするものが混ざる。



「らしい?」



「図書室の窓から見える夕焼けの描写とか、

 本の背表紙を服のように擬人化するところとか、

 言い回しが、私の記憶の中の“あのブログ”に妙に近くて」



「たまたまじゃないのか」



「たまたまかもしれないです。

 でも、感覚としては――

 “別の人が書いた二次創作”を読んでいるような感じでした」



それは、僕にもよく分かる感覚だった。



誰かが誰かの文章の癖を真似るとき、

完全なコピーにはならない。

でも、特定の比喩や、文のリズム、

やたら頻出する好きな単語――

そういう「癖」が、うっすらと浮かび上がる。



「で、その“二次創作”の中に、

 決定的に引っかかるフレーズが一個あって」



由利が、紙をめくる音を立てた。



「ここ、読みますね」



『図書室の窓は、

  外へ出るための出口じゃなくて、

  本の中へ潜っていくための入口だと思う。

  だから、ときどきここで消えたくなる。

  靴箱の方じゃなくて、

  こっち側から。』



読み終わると、しばらく沈黙が続いた。



「……それ、覚えがあるのか?」



「あります」



由利の声は、はっきりしていた。



「たぶん一語一句同じじゃないですけど、

 意味としてはほとんど、そのまんま。

 “図書室の窓は出口じゃなく入口だ”って表現、

 あのブログの常套句だったんですよ」



窓は出口じゃなく入口。

外ではなく、本の中に向かって開いている。



如月遥が好みそうな比喩だと思った。



「AIは、あのブログ本文そのものを覚えてるわけじゃないかもしれないけど、

 たぶんどこかで“似たような文章”を大量に読んでる。

 その中に、如月先輩の文章が紛れ込んでた可能性はあると思ってます」



「“訓練データの海の中の一滴”ってやつか」



「はい。

 だから、変な話ですけど――

 このAIに“如月先輩っぽい文章”を書かせれば書かせるほど、

 彼女の声に近づいていく気がするんです」



それは、

便利なようでいて、かなり危うい感覚だった。



「亡くなった作家の文体で“新作”を書かせる、みたいな話と似てるな」



「そうですね。

 倫理の問題は山ほどあると思いますけど」



僕はノートパソコンの画面を見つめながら、

ゆっくりと息を吐いた。



十年前にネットに書き散らされた文章を、

AIが細かく覚えているわけではない。

ただ、その残響のようなものが、

今もどこかで揺れている。



それを「呼び出す」のは、

本当にいいことなんだろうか。



――でも。



既に僕は、

それをやってしまっている。



「如月遥が消える話を書いて」と、

AIに頼んでしまった瞬間から。



夕方、

桐生先生から二通目のメールが届いた。



件名:例のファイル、見つかったよ



成瀬くん



 学校のサーバを情報担当に調べてもらったところ、

 十年前の卒業生が提出したレポートの一部が、

 まだバックアップフォルダに残っていた。



 中に『読書レポート_如月』という名前のワードファイルがあり、

 そのコピーを今、添付している。

 本文の一部に、君たちが言っていた“図書室で消える生徒”のアイデアが出てくる。



 これはもともと、授業で扱ったある短編の感想レポートとして書かれたものだが、

 彼女は後半を大きく改稿して、“自分の物語”のプロローグにしていたようだ。



 教員として、これをどこまで君たちに見せるべきか少し迷ったが、

 すでにノートも読んでいるということなので、

 今回は信頼して託すことにした。



 扱いには十分気をつけてくれ。



桐生



メールには、

ワードファイルが一つ添付されていた。



由利と画面共有をしながら開くと、

シンプルな文書が立ち上がる。



冒頭は、授業で扱った海外短編への真面目な感想だった。

主人公の孤独について、

図書館の描写の巧みさについて、

十代にしてはよく読み込んでいるな、と思わせる文章。



だが、中盤からの調子が、少しずつ変わっていく。



『たぶん私は、この短編の主人公みたいに、

  ちゃんと家出をする勇気はないと思う。

  でも、図書室から消えることなら、できるかもしれない。』



『図書室から消えると言っても、

  誰かに見つからないように裏口を使うとか、

  変なトリックを使って物理的に姿を消すとか、

  そういう話じゃない。

  “物語の中から、現実側の自分を消す”みたいなことがしたい。』



『もしも私が本当に図書室から消えるとしたら、

  それは“人生の主人公としての自分”を

  一回降りる、ということだと思う。

  誰か別の人に、続きを書いてもらうために。』



「……これ、授業レポートで出してくるあたり、すごいですね」



由利が、小さく笑いながら言う。



「先生、添削するの大変だっただろうな」



僕も苦笑する。



ページの後半には、

例のプロットノートと同じような文章が続いていた。



『二月の図書室で、一人の生徒が消える話を考えている。

  最後に彼女を見たと証言する男子生徒は、

  ミステリ研究会に属していて、

  “これは現実の事件じゃなくて、物語の一部だ”と思い込もうとする。』



『でも、彼にとってはそのどちらでもいい。

  現実でも物語でも、

  彼が“続きを書かされる読者”になることだけは確定しているから。』



その一文に、

僕は息を呑んだ。



「“続きを書かされる読者”……」



「先輩」



由利が、画面の前で顔をしかめる。



「これ、明らかに先輩のことじゃないですか」



「いや、当時はミス研の男子なんて何人もいたし」



「でも、今こうしてAIに続きを書かせながら、

 事件の真相まで追いかけてるの、

 世界でたぶん先輩だけですよ?」



反論の余地は、ほとんどなかった。



十年前、如月遥は

“読者に続きを書かせる物語”の仕掛けを組み立てていた。



十年後、その読者役に指名されたのは、

よりにもよって僕だった。



「運命って言葉で片づけるなよ、って言いたくなりますけど」



由利が肩をすくめる。



「でも、如月先輩が

 “誰かが続き書いてくれたら最高”ってノートに書いてたことを思うと、

 こうなる未来を、ある程度想定してたのかもしれないですね」



「十年後、誰かがAIにミステリを書かせる時代になってる、ってところまで?」



「そこまではさすがに無理でしょうけど」



由利が少し笑ってから、

真顔に戻る。



「このレポートに、“犯人”のヒントはないですかね」



彼女の言う「犯人」は、

失踪事件そのものの実行者、というよりも、

「十年後のラストショットを実装した人間」のことだ。



僕たちは、ファイルの後ろの方まで目を通す。



『もしもこの話に犯人がいるとしたら、

  それは“私を物語の主人公から降ろした人”じゃなくて、

  “私に続きを書かせようとした人”だと思う。

  犯人はまだ登場していない。

  だって、読者が読み終わるまで、

  物語はずっと現在進行形だから。』



「犯人はまだ登場していない、か」



僕は、その一文を声に出す。



「十年前の時点でこう書いてるってことは――」



「“十年後の誰か”を、

 最初から犯人候補にしてたってことじゃないですか」



由利の推理は、

あまりにも自然に聞こえた。



「十年前のブログの読者、

 図書室の利用者、

 先生、友人、後輩。

 その中から“十年後に動き出す誰か”がいれば、

 その人こそがこの物語の犯人」



「じゃあ、今のところの候補者リストは、

 きれいに三人に絞れるな」



「三人?」



「先生と、由利と、僕」



自虐込みで言うと、

由利は苦笑した。



「その三人、

 全員“自分は犯人じゃない”って思ってるところが、

 ミステリとしては一番ややこしいですね」



「読者から見たら“こいつら全員怪しい”だろうけどな」



「現実としては、もう少し広いですよ」

由利が真面目な声に戻る。

「前任のシステム担当とか、

 館長とか、

 当時のミステリ研の他のメンバーとか。

 でも――」



「でも?」



「やっぱり、

 “十年前のノートやブログに一番近かった人”が、

 このラストショットを実行した可能性が高いと思うんです」



ノートを預かっていた桐生先生。

ブログを読んでいた由利。

そして今、AIと一緒に小説を書き始めた僕。



「……自分の胸に手を当てて、“やってない”って言い切れるか?」



突然、由利が妙なことを訊いてきた。



「何をだよ」



「この貸出処理です。

 2月3日の夜、SYSTEMユーザーで如月先輩の名前をログに残す操作。

 先輩、本当にやってないですよね」



「おい」



さすがに笑えなかった。



「やってたら、こんなふうに一緒に推理してないだろ」



「ですよね」



由利は、あっさりと引き下がった。



「ただ、“自分すら疑う”くらいのスタンスでいないと、

 この話、たぶん途中でどこかに甘さが出ますよ」



如月のノートが、

また頭の中で頷いている気がした。



――犯人を雑に決めないでください。



通話を切ったあと、

僕はまたチャットAIの画面を開いた。



僕:

 「図書室の窓は出口じゃなく入口だ」って比喩を使う、

 高校生のブログっぽい短い文章を書いて。



AI:

 了解しました。

 以下のような文章はいかがでしょうか。



『放課後の図書室の窓は、

  校庭に向かって開いているくせに、

  私にとってはいつも“外への出口”じゃなくて

  本の世界への入口みたいに見える。

  サッカー部の掛け声も、

  帰り支度をするクラスメイトのざわめきも、

  ガラス越しに遠くに聞こえるだけで、

  ここだけ別の時間が流れているみたいだ。

  だからたまに、

  この窓から外に出るんじゃなくて、

  ページの隙間の方に消えてしまえたらいいのに、と思う。』



モニタの光の中に浮かんだ文章は、

やっぱり“それっぽかった”。



如月遥がこれを書いたわけじゃない。

でも、もし彼女が今もどこかで元気に生きていて、

相変わらず図書室だのページの隙間だのを比喩にしていたら、

こういう文章を書きそうだ、という感覚があった。



「お前、本当に何をどこまで覚えてるんだ」



思わず、画面に向かって呟いてしまう。



僕:

 仮にの話だけど、

 十年前に“消えゆく図書室の影”って名前のブログを書いてた人がいて、

 その人の文章が、お前の訓練データのどこかに紛れ込んでる可能性ってある?



AI:

 私は、個別のサイトやユーザーのデータを

 特定して参照することはできません。

 また、特定の個人の文章を

 そのまま再現することもできません。



 ただし、

 インターネット上に公開されていた文章の

 一般的なパターンや表現傾向を学習しているため、

 似たようなテーマ・文体の文章を

 “それらしく”生成することはできます。



模範的な回答だ。

分かってはいる。



けれど、

“それらしく生成された文章”を前にして、

僕は少しだけ背筋が冷たくなる。



十年前、

図書室から消えた同級生。

その声は、

今もネットのどこかに微量に残っていて、

AIの中でかすかに反響しているかもしれない。



その残響を拾い集めて、

無理やり“新しい声”として組み立て直すこと。



それは、

果たして“続きを書く読者”の仕事なのか、

それとも“勝手に喋らせる犯人”の仕事なのか。



僕:

 この話、

 ちゃんと“犯人”を決めて終わるミステリにできると思う?



ほんの気まぐれでそう打ち込むと、

AIは少しだけ長めの沈黙のあとで答えた。



AI:

 「犯人」を一人に決めて終える構成も可能ですし、

 あえて“誰が犯人だったのか”を

 読み手に委ねる構成も考えられます。



 ただし、

 どちらを選ぶかによって、

 この物語が「事件の真相」を扱う話になるのか、

 それとも「物語の続きを誰が書くか」を扱う話になるのかが変わります。



 あなたがどちらを大事にしたいかによって、

 最適な終わり方は変わるでしょう。



「質問に対して質問で返してくるなよ」



そう言いかけて、

やめた。



今は、終わり方のことを考えるには早すぎる。



まだ僕たちは、

如月遥という一人の高校生が

十年前に書きかけた物語の、

ほんの数ページ目を読み返したところに過ぎない。



犯人を決める前に、

やるべきことは一つだ。



――この物語の“書き手”が何を望んでいたのかを、

 できる限り正確に聞き取ること。



そのための手がかりは、

まだ図書室と図書館と、

そしてネットの底に散らばっている。



第七章は、そこでいったん幕を引く。



十九時四十二分のログも、

SYSTEMユーザーのアカウントも、

すぐには白黒つかない。



その代わり、

十年前のワードファイルと、

AIが生成した“それっぽいブログ文”と、

如月遥のノートの最後の一文が、

同じ方向を指し始めている。



『どうか、犯人を雑に決めないでください。

  これは、ちゃんとしたミステリなんだから。』



その注文に、

どこまで応えられるか。



それが、

この長編のいちばんやっかいな謎なのかもしれない。




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