秘術師見習い

火吹き石

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5.幻術

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 緊張と高揚感のために、突然、秘術師見習いは笑いたくなった。だがなんとかそれを堪えると、周りを見渡しながら、遠くまで聞こえるように、声を張り上げた。

「親愛なる町のみなさん。私はフブキの秘術工房で見習いをしている、コガタナと申します。どうも先輩方があんまりのばか者揃いで面白い事の一つも言えず、やんややんやと喧嘩するしかすることがないようですので、私が代わって、なにか面白い物をお見せしようと思います!」

 コガタナがそう言うと、近くにいた先輩たちは口々に罵りの声を上げた。若者の生意気な口ぶりに、遠くのほうから、まばらに拍手や笑い声が上がった。

 だが、そんなことにコガタナは気づいていなかった。それどころか、自分でなにを話しているかもよく分かっていなかった。勢いよくこうして即席の舞台に上がってしまったので、話など少しも準備していなかった。だが後悔しても遅かったし、後悔する余裕すら残っていなかった。コガタナは続けた。

「とはいえ、私も先輩方に並んで口下手ですので、前口上はなしにして、一つあっと驚くような奇術をやってみせましょう。旧年が去り、新年が来るまでの繋ぎに、どうぞご覧ください!」

 そう言って、秘術師見習いは腰に下がった元素の塩の袋の一つを素早く取って、その中身を手の平に乗せ、袋は投げ捨てた。

 それは、先に先輩秘術師が水差しを修理するのに使ったのと同じ、大地の元素の塩だった。コガタナはそれを両手に大まかに等分して握ると、腕を軽く広げ、ほんの少しずつ足下に零していった。そうしながら、呪文を大きな声で唱えた。

「新しい年がはじまる。日は最も低く、夜は長く、春はまだ遠い。だがきたるべき春よ、その先駆けをここに送れ。花よ、咲き誇れ。たとえ雪のように儚く散る定めとしても。新しい年がはじまる――」

 秘術師はそう繰り返し唱えながら、地の塩を少しずつ落としていった。

 人々は、いったいなにが起こっているか分からず、戸惑いながら顔を見合わせていた。下手な詩の朗読のようにしか聞こえなかったからだ。呪文そのものには決まった型はなく、コガタナがただ思うままに言葉を選んでいるに過ぎない。

 人々の間で、咳払いや、ひそひそとした話し声が聞こえはじめた。だが幾度か呪文が繰り返された後で、どこかで、あっ、と驚きの声が上がった。そしてその驚きの声は、池に投げ入れた石が円く波を広げるように、人々の間に広がっていった。

 だがコガタナは、そうした外界の出来事に気を向けてはいなかった。

 若者は目を瞑り、呪文を繰り返しながら、むせ返るような大地の香りに包まれていた。呪文を唱える度、目では見ることができないが、しかし血のように確かな命の息が漏れ、それが大地の元素と混ざって足下へと滴っていった。

 そしてコガタナは、自分の足に根が生え、地に広がっていくように感じた。その見えざる根は広場の隅々にまで広がっていき、やがて地の表に顔を出し、葉を広げ、色とりどりの花を咲かせる――。

 それらは、若き秘術師が心のうちで思い描き、心の目で見たものだった。だがコガタナがそろそろと目を開けると、まさしく自分が描き、心の目に見た通り、花々は咲き誇っていた。

 広場は、いまや草原となっていた。

 松明に照らされて、草は青々と輝き、風に揺れて波打ち、波の合間に白や赤や黄の花々が小さな星のように咲いていた。人々は驚き、戸惑い、感嘆の声を上げている。

 術を施し終えて、コガタナはくらっと目眩を覚えた。呪術は、どれだけ小さなものであっても、術者に消耗を強いるものだった。しかし、見習いはそれを表には出さなかった。それに気づいたのは、じっとコガタナを見守る、ヒスイくらいのものだっただろう。

 コガタナは、ヒスイが、この大勢の人々の中でヒスイだけが自分に目を注いでいることに気がつき、胸のうちにじわっと熱いものが広がった。すぐにでもヒスイに駆け寄って、抱きつきたかった。

 しかし、コガタナは次の術の準備に移った。いまおこなった術はただの目眩ましに過ぎず、儚いものだった。事実、草花に見惚れていた人々の中から、ぽつぽつと恐れの声が上がった。花がしぼみ、草葉が枯れ、塵になっていったからだ。しばらくすれば、この草原は消えてなくなることだろう。

 コガタナは、また別の袋を手に空けた。それは大気の元素の塵だった。秘術師はそれを両手に取り、握り拳を肩の高さに持ち上げた。そして、目を瞑って、また呪文を唱えはじめた。

「風が吹く。大きな風が吹く。空を大いなる風が吹く。風は東から来て、古い年を吹き払い、新しい年をもたらすだろう。東のかたから太陽は昇り、古き年は西へと去るだろう。風が吹く――」

 呪文の合間に、コガタナは自分の手に吐息を吹きかけた。それを繰り返す度、秘術師の命が、その手中にある結晶に注ぎ込まれた。そうして、元素の決勝は音も熱も発することなく燃え、手の中から煙のように消えていった。

 すると、コガタナはあたりが鮮烈な大気の香りに包まれるのを感じた。それは特定の匂いというよりは、空の高みにあるであろう、純粋で清浄な空気の匂いだった。

 秘術師の呪力はその空気と混じり合い、広場にひしめく人々の上に広がっていった。そして大気の根源的な力を閉じ込めた塩がすべて燃え尽きてなくなると、コガタナは目を開けた。

 幻術でできた草原は、いまや半ばが枯れ、塵となり、消えていた。人々は足下でしなびていく草花を見たり、術者を見上げたりしていた。若い秘術師は視線を浴びながら、空いた両手をゆっくりと宙で動かした。きっと見ている者たちには、みょうな手遊びのように見えていることだろう。だがコガタナは、自分がなにをしているかをよく心得ていた。

 秘術師見習いは自分の手に、目に見えず、手に触れ得ない、無数の糸が結ばれているような感覚を覚えていた。その糸は、広場に満ちた呪的な空気に結び付けられていた。

 コガタナが静かに手を動かすと、空気もまた動き、ささやかな風が吹いた。若者は自分の術がしっかりとかかっていることに満足して笑みを浮かべ、両手をゆっくりと下ろした。

「みなさん、お手元の品を、しっかりと握っていてください! とくに、おれの仲間たち、松明を絶対に放すんじゃないぞ!」

 コガタナはそう叫んだ。人々は困惑して顔を見合わせたが、言われたとおりに手にしていた菓子やら松明やらをしっかりと握り、なにも手にしていない者も、心配そうに外套の端を掴んだ。

 そうして人々が準備できたと思うと、次の瞬間、秘術師は両手を荒々しく振り上げた。それに応じて、空気もまた動く。なんの前触れもなく、嵐のような風が吹き荒れた。

 人々は悲鳴を上げた。風は下から吹き上げ、いまだ地面に残っていた幻の草花を引きちぎり、おまけに果物の種とか芯とかを一緒に、宙に浮かせた。

 それから、コガタナは腕をぐるぐると回し、風を操った。人々は目を丸めて仰ぎ見た。最初の吹き上げはもう止んでいた。それに代わって、いまは人々の頭上で空気が渦巻き、しなびた草花や、草花が枯れてできた塵を振り回していた。――もっとも、そうやって浮かべていられるのは、術で作った草葉のような軽いものだけで、菓子の切れ端のような重いものは落っこちてしまっていたが。

 竜巻を作ってしまうと、コガタナはまた一息ついた。さっきまでよりも疲労はひどく、頭がずきずきと痛んだ。だが東の空を見て、まだ太陽が昇るまでにはしばし時間があると見て取ると、にやっと笑った。まだ最後に大きな見世物をしておきたかった。

 だが、ふとコガタナの目に、ヒスイが心細そうにこちらを見ているのが飛び込んできた。秘術師は自信満々の笑みを浮かべて見せた。ヒスイにこそ、とっておきの技を見せたかった。

 人々が頭上で吹き荒れる竜巻を見ている間に、コガタナはふたたび懐から術の材料を取り出した。今度のものは、大海の元素だった。深い紺碧の結晶を両手に取ると、腕をだらんと垂らして目を瞑り、呪文を唱えはじめた。

「水よ、空気と交われ。吹き荒れる風と戯れろ。濡れた白い翼を広げ、空を駆けろ。お前は力ある者、大いなる水よ。水よ、空気と交われ――」

 コガタナは呪文を唱えながら、両腕をゆっくりと波打たせるように動かした。すると、あたりに雨の時に感じるような、湿った空気の匂いが立ち込めた。

 秘術師は両手をゆらゆら動かしながら、徐々に上に向け、最後には空に突き上げていた。手中にあった粒が、風にでもなったかのように消えていった。

 人々は、また驚きの声を上げた。コガタナは一度目を開けた。あたりはだんだんと濃くなっていく白い霧に包まれていた。誰にも見られぬ霧の中で、秘術師はにやっと笑って、ふたたび目を瞑った。まだ術は完成していなかったのだ。

 コガタナは胸の中で、ある形をはっきりと、目で見え、手で触れ得るほどに強烈に思い描いた。そうしながら、粘土でも成形するように、中空で両手を動かす。

 すると、人々が、恐れと称賛の入り混じった声を上げた。

 コガタナは目を開けて、自分の作品を眺めた。人々の頭上を、白い霧でできた竜が翼を羽ばたかせて、気ままに旋回しているのが見えた。白い竜が翼を打つたび、風が巻き起こり、人々の間で感嘆の声が上がった。

 コガタナは、目をヒスイに向けた。ヒスイは目を見開いて、飛び回る竜を見上げていた。その様を見て、コガタナは会心の笑みを浮かべた。ヒスイが、自分の作品を見て、感じ入ってくれている。その喜びは、何事にも代えがたかった。

 だが、その喜びと同時に、コガタナはひどい消耗を味わっていた。秘術師は顔を下げ、歯を食いしばった。まだ最後の仕上げが残っているのだ。

 そうして顔を上げると、コガタナはヒスイがこちらを見ているのに気づいた。ヒスイは、またしても、若い秘術師の苦しみに気づいたただ一人の人物のようだった。

 ヒスイは近づいてきて、言った。

「休んだほうがいい。顔が真っ青だ。降りてこい。」

 ヒスイは両手を広げた。だが、コガタナは頭を振った。

「まだ、最後の術があるんだ。」

「だめだ。休め。降りてこい。一緒に休もう。いまならみんなお前の竜を見ている。誰も気づきやしないよ。おれの部屋に来なよ。」

 コガタナは、笑みを浮かべた。ほとんど、ヒスイの言うことを聞きたいと思った。一緒に広場を離れて、肩を並べて休めれば、この上なく幸せだろう。

 だがその思いを、秘術師は振り切った。

「まだ、最後の術があるんだ。お前に、見て欲しい。それが終わったら、一緒に行こう。」

 ヒスイはまだなにか言おうとした。しかし、コガタナは術の準備をはじめた。この竜も、一時の見世物、紛い物に過ぎなかった。まだ形を保ってはいるが、もう少し時間が経てば、形が崩れ、霞となり、消えてしまうだろう。それまでに、最後の仕掛けをしたかった。

 師にもらった五つの元素塩のうち、もう三つを使っていて、残るは二つだった。すなわち、光と闇、太陽と夜の二つだ。コガタナは二つの袋の口を緩めると、左右の手に乗せ、胸元に近づけた。そうして、まず光の力を秘めた結晶に向けて呪文を唱えた。

「お前は光。お前は火。お前は太陽の冠にして、竜の息。お前は黒雲の抱くいなずま、空を割って輝く。燃え上がり、そして灰を残して消える。お前は光――」

 呪文を唱えながら、コガタナは手にした袋が熱くなり、焦げたような匂いが漂うのを感じた。もちろん、それは実際の匂いや熱ではなく、呪術師としての感覚に過ぎない。しかしコガタナは確かに、袋に収められた結晶が熱くなるように感じた。

 呪文を唱えるたびに、命の息吹が元素の塩に注ぎ込まれ、燃えるように熱くなっていく。だがそれに伴って、術者であるコガタナは、自分の体が冷えていくのを感じた。

 十分に呪力を籠めたと思ったら、コガタナは、今度はもう一つの袋に向けて呪文を唱えた。

「冬が、新しい年の冬がはじまる。お前は家々の屋根を、すべての道を、雪で飾ることだろう。白い雪が灰のように降り積もり、すべてを白く彩るだろう。しかしお前は儚い者。太陽は昇り、闇は退く。お前は光の前に、花のように儚く散るだろう。冬が、新しい年の冬がはじまる――」

 あたりに凍るような闇の匂いが漂った。それは夜の空気のように澄んでいるが、氷のように冷たく、石のように不毛だった。きっと夜中に地を這い、冷たい石を舐めたら、こんな匂いが感じられるのではないかというような、そんな物寂しい匂いだった。

 秘術師は、自分の精気が弱まるのを感じていた。力が呪文のために消耗されていく。自分の胸のうちに、大きくて白々とした、冷たい空白が穴を空けたように感じられた。

 だが、これでいちばん大変な最後の仕事が終わった。コガタナは上を向き、輪郭を失いはじめた竜に大声で呼ばわった。

「霧の竜よ、お前は水と空気でできている。お前は死んでいるようだ。その体に、火が宿っていないからな。だが、いまから火をくれてやる。存分に暴れるがいい。」

 コガタナは、袋の一つを空に放り投げた。霧の竜は大きく口を開け、袋を目がけて低く飛んだ――もちろんそれは、コガタナが操ってそうさせたのだが。

 すぐ頭上を竜が飛んだので、その下にいた一群の人々は悲鳴を上げ、頭を抱えた。

 竜は袋を口に収めると、翼を打ち、ふたたび上空に昇った。そうして飛び上がっているうちに、竜はみるみるうちに膨れ上がり、その白い体は暗い色に変わり、やがて暗雲の色になった。竜の身の内から、ごろごろという雷鳴とともに、青白い光が漏れ、口から赤い火が煙のようにたなびいた。

 黒雲でできた竜は火を吹き、轟き、光を発しながら、広場の上空を旋回した。人々は竜を仰ぎ見て、恐れの声を上げた。みな一歩、二歩と退こうとするが、周りに人がいて、逃げることができないでいる。いちばん気の毒なのは、おそらく鐘塔の番人だろう。誰よりも竜に近いところにいるというのに、日の出を見て鐘を打たなければならないので、逃げることもできないのだ。

 コガタナは、思った通りに人が反応しているので、得意になった。もっと長い間、この楽しみを続けていたいと思った。しかし火を入れられた竜は、火を吹き、雷光を閃かせるたびに、どんどん形を崩し、小さくなっていった。それに、もうじき日も昇るだろう。

 どのみちコガタナには最後の手品が残されているだけだったし、なにより疲れ切っていたので、もう終わりの仕事をするべきだと思った。

 秘術師は、闇の元素塩を入れた袋を握り、竜に呼びかけた。

「さあ竜よ、もう存分に暴れただろう。これから新年のお祝いがはじまるんだ。ばりばり唸ったり、火を吹いたりするのは、もうおしまいだ。こいつを食って、休むんだ!」

 コガタナは、袋を空に放った。竜は燃え上がり、輝きながら、広場に向かってほとんど垂直に急降下する。人々は悲鳴を上げ、顔を覆った。そして竜が袋を口に収めると、その体は大きく膨れ上がり、白くなって、弾けた。

 人々は恐る恐る顔を上げると、竜は跡形もなく消え去り、代わりに、真っ白な雪が空に舞い散り、広場へと降り注ごうとしているのを見た。

 みな言葉を失い、空に浮かぶ雪を見つめていた。しかし徐々に気を取り直すと、人々はコガタナの名を叫び、称賛の声を上げ、手を打ち鳴らし、雷鳴のように音を響き渡らせた。その夜の行進で、若者たちが喉を枯らして叫んだ騒ぎよりも、いっそう大きな音で、それは町の端から端まで響いた。

 コガタナは人々の声を聞きながら、しかし、なによりもまずヒスイに目を向けた。ヒスイは、まったく心配しきって、青白い顔をしていた。

 コガタナは疲れた笑みを浮かべながら、薪の山から降りようとして、転びかけた。ヒスイが走ってきて支えてくれなかったら、顔から地面に落っこちることになっていただろう。

 秘術師見習いは息を荒げながら、友人に笑いかけた。

「……すごかっただろ。おれ、こんなの、初めてしたよ。見てくれたかい。」

「すごかったよ。けど、休まなきゃな。お前、本当に真っ青な顔してる。」

 ヒスイは心配そうに言った。しかし、コガタナはそれを聞いていなかった。ただ、繰り返した。

「見てくれたかい。すごかっただろ。おれ――こんなの――初めて――」

 言いながら、周りの音が遠のき、あたりが暗くなっていくのを感じていた。コガタナにはっきりと分かるのは、自分の体を支えてくれている友人の腕と肩、そしてその息遣いだけだった。

 やがて、鐘の鳴り響く音が遠くで聞こえたような気がした。
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