見つけた、いこう

かないみのる

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冷たいせせらぎの音。

身体の表面を滑る流水。

俺はずっと川の中を揺蕩っている。



身体はもう動かない。

俺の魂が身体を抜けるのも時間の問題だろう。



奈菜は誰かに見つけてもらっただろうか。

きっと大丈夫。

奈菜には皆ついている。

たくさんの人に見守られながらお別れをしてもらえるに違いない。

拓也、健吾、公佳さん、奈菜を頼んだ。

どうか温かく見送ってあげてくれ。



ふと、後悔が頭に浮かんできた。

優実ちゃんの誤解を解けなかったのは心残りだ。

奈緒さんの彼氏にサンカヨウを見せてあげられなかった。

忠士の勉強、もっと見てあげたかったな。

トオルとの幸せな顔を見たかった。



でも、俺の人生は決して悪いものじゃなかったな。


父と母に愛されて。

拓也と健吾と友達になって。

恭平と喧嘩して。

公佳さんに叱咤されて。


奈菜と出会えて。

奈菜と一緒に過ごせて。

奈菜の事を好きになれて。



こんな身体でも、出会った人に恵まれて、最高の時間を過ごせた事は紛れもない事実だ。

だから、俺は心の底から幸せだったと言える。



みんな、ありがとう───。



首が苦しく感じた。

もう呼吸が止まっているのに、不思議だ。

そういえば、奈菜からもらったネックレスを付けていたんだった。

───トパーズは大切な人と会わせてくれる効果があるんだよー



そうだ、奈菜だったらきっと俺を見つけてくれるだろう。

俺が透明でもすぐに分かってくれた奈菜なら、俺を見つけ出して一緒にあの世へ連れて行ってくれるはずだ。


それまでの間、少し眠らせて。
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