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3章
3-5 人生の分岐点(5) 許し
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執務室の中には、部屋の主である司教様はおらず、サイード様一人だけだった。
来客用のソファに座っていたサイード様は、なぜかにこにこと私に笑顔を向け続けた。
「シスター・オーレリア、立ったまま話をするのは疲れるだろう。座りなさい」
私は突然のサイード様の出現に、完全に頭が真っ白になってしまっていた。
私は言われるがまま、返事を忘れて無言でサイード様の対面のソファに腰かけた。
「夕食の前に話を済ませてしまいたい。要件から入ろう」
そう言って、サイード様がテーブルの上にペンと、一枚の白紙の紙を置いた。
サイード様はその紙をそっと指さした。
「この紙に、自分の名前を書いてご覧なさい」
ほら早く、と妙に楽しげな表情を浮かべるサイード様。
彼の意図は全くわからなかった。
けれど私はおそるおそる、その紙に自分の『オーレリア・アブドゥナー』という名前を、なるべく綺麗に書いた。
「……ふむ」
サイード様はと興味深そうに私が書いた文字を眺める。
それから、サイード様は法衣の中から、私が写本の作業中に書き殴るように写字した紙を取り出した。
そして、私がきれいに名前を書いた紙と、私が書き殴った写字の紙を並べ、私に見せた。
「お前も知ってのとおり、この二枚は、同じ人物が同じ日に、同じペンと紙で書いた文字だ。書いた者の名はオーレリア・アブドゥナーという」
私はうなずいた。
「はい」
「では、オーレリア・アブドゥナーは、どうしてこれほど綺麗な文字が書けるにもかかわらず、写字の時はこれほど汚く文字を書いたのか……、シスター・オーレリア、これを説明できるかな?」
サイード様は口元をゆるませながら、私に尋ねた。
私は自分が感情のままに書き殴った文字を見せられ、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
「申し訳ありません。気が散っていました」
私は謝った。
サイード様は笑った。
「いや、違う。私は謝罪を求めているわけではない。私は単純に興味があるのだ。お前はなぜ、写本の作業というおそろしく退屈極まりないことをしている時に、ここまで感情を昂ぶらせたのだろうかと」
サイード様は笑みを浮かべたまま尋ねた。
瞬間、私の頭の中に神父様やブラザー達の顔が浮かんだ。
私はいっそ、ここでサイード様に告げ口をしてしまおうかと思った。
けれど、私の理性がそれを拒んだ。
「それは……。私の私的な話になりますので、申し上げられません」
「ふむ……私的な話。その言葉、嘘ではないと神に誓えるか?」
サイード様がじっと私の目を見て尋ねた。
私は何か試されているのだろうか……。
けれど、サイード様の瞳の奥には、そういった意図は全くないようだった。
本当に、ただ純粋な好奇心だけで聞いている感じだ。
「……誓えません。今言ったことは嘘です。けれど、理由は言えません」
私は答えた。
すると、サイード様は大笑いをした。
「嘘だが、言えん、か。面白い」
そんな言葉に、私はどう反応していいかわからず困ってしまった。
そんな私を見て、サイード様はますます明るくなる。
「よし、わかった。字の件はもう良い。だが、あと一つだけ私の質問に答えてくれないか?」
「……どうぞ」
私は答えた。
すると、サイード様は腕を組んで、私にする質問を考え始めた。
(……え? 質問、一つだけって、何を質問するかは考えてなかったの?)
うーむ、と頭を悩ませるサイード様。
どうやら彼は、私との会話をゲームとして楽しんでいるらしかった。
私はそんな神学者らしくないサイード様の振る舞いに、少しだけ笑みをこぼした。
やがて、「よし」と膝を叩いて質問を決め、サイード様は言った。
「シスター・オーレリアは教会が好きか? 嫌いか? どちらかで答えよ」
聞かれた瞬間、私は一瞬で笑みが凍りついた。
それは、私がサイード様に嘘をつけないことを見越しての二択の質問だった。
私は答えるしかなかった。
「……嫌いです」
答えて、私は深い溜め息をついた。
「なぜ、嫌いかね?」
サイード様は少し真面目な顔をして私に尋ねた。
「……あの……さっき、質問はあと一つだけって仰られてました」
「……あ。バレた?」
一切悪びれる素振りも見せず、ははは、と明るく笑うサイード様。
何なんだろう、この人は。
私は少し苛立った。
「実はだな、神や教会を嫌っている人間達が、なぜ嫌いかを理解することも私の研究の一つなのだ。無理に答えろとは言わん。答えられる部分までで良い。答えたことでお前を悪く扱わないと神に誓う。私を助けると思って、答えてはくれまいか?」
サイード様は穏やかな表情を私に向けて言った。
彼は嘘を言っていないようだった。変わらず、その瞳は好奇心にあふれていた。
私は少し考え、小さくうなずいた。
「私は、一部の教会の在り方が間違っていると思います。人々のためではなく、一部の人間の私利私欲のために権力を拡大している。私はそれに自分が利用されることが許せません」
「……だから、教会が嫌い、と」
サイード様は何かを考えながら尋ねた。
「はい」
私は答えた。
「もう一つ質問することを許してくれないか、シスター・オーレリア」
「……何でしょう?」
「お前のその、『教会が嫌い』という言葉の『教会』とは、いったい何を指している?」
サイード様は、私の顔をじっと覗き込みながら尋ねた。
明るいおじいさんから、突然、神学者の顔になったサイード様に、私は少し気後れしてしまった。
「……『教会』という言葉の定義について、ということですか?」
「うん。まあ、それでよい。答えよ」
サイード様はうなずいた。
私は答える。
「教会とは……、同じ神様を信じている人々の集まりで……、お互いに助け合うためにつくられた組織で――」
「長いな」
サイード様は、私の発言を手で御して言った。
「お前はそんな回りくどく言わないと説明できないものを嫌いなのか?」
「……」
「私の長年の研究によればな……、好きの理由は複雑になることが多い。なぜなら、好きになればそれに近づこうと思うからだ。しかし、嫌いの理由は常に単純だ。なぜなら、嫌いになれば人はそれから遠ざかり、嫌いになった一面ばかりを見て避けようとするからだ」
そう言われて、私の頭に浮かんだのは神父様やサイード様の姿だった。
「……一面だけを見ずに、もっとそのものをよく見ろということですか」
私は尋ねた。
「それは、わからん」
サイード様は平然と言った。
「多くを知ればそれが好きになることもある。嫌いだからと避けることで危険を回避できることもある。そして、何を基準に良かったと考えるかなんて、人それぞれではないかね?」
「……それは、そうかもしれないですけど」
不満そうな表情を続ける私に、サイード様は微笑む。
「お前は私が正しい答えを教えてくれるとでも思ったのか? 残念ながら、それを知っていれば苦労をして研究などせんよ。正しい答えを知っているのは神だけだ。しかし、人は神にはなれん。あらゆる選択を間違いながら生きていくしかないのだ。……私も、お前も、シスター・アメルも、お前の嫌いな『教会』もな」
「……だから、人は誰かに……神に許しを乞うのでしょうか?」
私は尋ねた。
「さあ。わからん」
サイード様は答えた。
「しかし、お前がもし、私の言葉を聞いて『教会』を少しでも許す気になったのなら――」
サイード様は私に近寄り、私の額へ指をさした。
「……どうすれば許せるのか、その答えはお前のここにしかない」
「……」
「自分の部屋に戻ってから、ゆっくり自分に問うてみなさい。自分が嫌いなものが何なのか、それを許したいと思っているかどうか、どうすれば許せるか。それが、お前の心のもやを晴らすために、私が提案できる唯一の方法だ」
サイード様のそんな言葉の後、私達は一緒に執務室を出た。
別れ際にサイード様は私に言った。
「私はもう少しだけここに滞在する。もし『教会』を許す方法を見つけたら、私のところへ来てお前の答えを教えておくれ」
来客用のソファに座っていたサイード様は、なぜかにこにこと私に笑顔を向け続けた。
「シスター・オーレリア、立ったまま話をするのは疲れるだろう。座りなさい」
私は突然のサイード様の出現に、完全に頭が真っ白になってしまっていた。
私は言われるがまま、返事を忘れて無言でサイード様の対面のソファに腰かけた。
「夕食の前に話を済ませてしまいたい。要件から入ろう」
そう言って、サイード様がテーブルの上にペンと、一枚の白紙の紙を置いた。
サイード様はその紙をそっと指さした。
「この紙に、自分の名前を書いてご覧なさい」
ほら早く、と妙に楽しげな表情を浮かべるサイード様。
彼の意図は全くわからなかった。
けれど私はおそるおそる、その紙に自分の『オーレリア・アブドゥナー』という名前を、なるべく綺麗に書いた。
「……ふむ」
サイード様はと興味深そうに私が書いた文字を眺める。
それから、サイード様は法衣の中から、私が写本の作業中に書き殴るように写字した紙を取り出した。
そして、私がきれいに名前を書いた紙と、私が書き殴った写字の紙を並べ、私に見せた。
「お前も知ってのとおり、この二枚は、同じ人物が同じ日に、同じペンと紙で書いた文字だ。書いた者の名はオーレリア・アブドゥナーという」
私はうなずいた。
「はい」
「では、オーレリア・アブドゥナーは、どうしてこれほど綺麗な文字が書けるにもかかわらず、写字の時はこれほど汚く文字を書いたのか……、シスター・オーレリア、これを説明できるかな?」
サイード様は口元をゆるませながら、私に尋ねた。
私は自分が感情のままに書き殴った文字を見せられ、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
「申し訳ありません。気が散っていました」
私は謝った。
サイード様は笑った。
「いや、違う。私は謝罪を求めているわけではない。私は単純に興味があるのだ。お前はなぜ、写本の作業というおそろしく退屈極まりないことをしている時に、ここまで感情を昂ぶらせたのだろうかと」
サイード様は笑みを浮かべたまま尋ねた。
瞬間、私の頭の中に神父様やブラザー達の顔が浮かんだ。
私はいっそ、ここでサイード様に告げ口をしてしまおうかと思った。
けれど、私の理性がそれを拒んだ。
「それは……。私の私的な話になりますので、申し上げられません」
「ふむ……私的な話。その言葉、嘘ではないと神に誓えるか?」
サイード様がじっと私の目を見て尋ねた。
私は何か試されているのだろうか……。
けれど、サイード様の瞳の奥には、そういった意図は全くないようだった。
本当に、ただ純粋な好奇心だけで聞いている感じだ。
「……誓えません。今言ったことは嘘です。けれど、理由は言えません」
私は答えた。
すると、サイード様は大笑いをした。
「嘘だが、言えん、か。面白い」
そんな言葉に、私はどう反応していいかわからず困ってしまった。
そんな私を見て、サイード様はますます明るくなる。
「よし、わかった。字の件はもう良い。だが、あと一つだけ私の質問に答えてくれないか?」
「……どうぞ」
私は答えた。
すると、サイード様は腕を組んで、私にする質問を考え始めた。
(……え? 質問、一つだけって、何を質問するかは考えてなかったの?)
うーむ、と頭を悩ませるサイード様。
どうやら彼は、私との会話をゲームとして楽しんでいるらしかった。
私はそんな神学者らしくないサイード様の振る舞いに、少しだけ笑みをこぼした。
やがて、「よし」と膝を叩いて質問を決め、サイード様は言った。
「シスター・オーレリアは教会が好きか? 嫌いか? どちらかで答えよ」
聞かれた瞬間、私は一瞬で笑みが凍りついた。
それは、私がサイード様に嘘をつけないことを見越しての二択の質問だった。
私は答えるしかなかった。
「……嫌いです」
答えて、私は深い溜め息をついた。
「なぜ、嫌いかね?」
サイード様は少し真面目な顔をして私に尋ねた。
「……あの……さっき、質問はあと一つだけって仰られてました」
「……あ。バレた?」
一切悪びれる素振りも見せず、ははは、と明るく笑うサイード様。
何なんだろう、この人は。
私は少し苛立った。
「実はだな、神や教会を嫌っている人間達が、なぜ嫌いかを理解することも私の研究の一つなのだ。無理に答えろとは言わん。答えられる部分までで良い。答えたことでお前を悪く扱わないと神に誓う。私を助けると思って、答えてはくれまいか?」
サイード様は穏やかな表情を私に向けて言った。
彼は嘘を言っていないようだった。変わらず、その瞳は好奇心にあふれていた。
私は少し考え、小さくうなずいた。
「私は、一部の教会の在り方が間違っていると思います。人々のためではなく、一部の人間の私利私欲のために権力を拡大している。私はそれに自分が利用されることが許せません」
「……だから、教会が嫌い、と」
サイード様は何かを考えながら尋ねた。
「はい」
私は答えた。
「もう一つ質問することを許してくれないか、シスター・オーレリア」
「……何でしょう?」
「お前のその、『教会が嫌い』という言葉の『教会』とは、いったい何を指している?」
サイード様は、私の顔をじっと覗き込みながら尋ねた。
明るいおじいさんから、突然、神学者の顔になったサイード様に、私は少し気後れしてしまった。
「……『教会』という言葉の定義について、ということですか?」
「うん。まあ、それでよい。答えよ」
サイード様はうなずいた。
私は答える。
「教会とは……、同じ神様を信じている人々の集まりで……、お互いに助け合うためにつくられた組織で――」
「長いな」
サイード様は、私の発言を手で御して言った。
「お前はそんな回りくどく言わないと説明できないものを嫌いなのか?」
「……」
「私の長年の研究によればな……、好きの理由は複雑になることが多い。なぜなら、好きになればそれに近づこうと思うからだ。しかし、嫌いの理由は常に単純だ。なぜなら、嫌いになれば人はそれから遠ざかり、嫌いになった一面ばかりを見て避けようとするからだ」
そう言われて、私の頭に浮かんだのは神父様やサイード様の姿だった。
「……一面だけを見ずに、もっとそのものをよく見ろということですか」
私は尋ねた。
「それは、わからん」
サイード様は平然と言った。
「多くを知ればそれが好きになることもある。嫌いだからと避けることで危険を回避できることもある。そして、何を基準に良かったと考えるかなんて、人それぞれではないかね?」
「……それは、そうかもしれないですけど」
不満そうな表情を続ける私に、サイード様は微笑む。
「お前は私が正しい答えを教えてくれるとでも思ったのか? 残念ながら、それを知っていれば苦労をして研究などせんよ。正しい答えを知っているのは神だけだ。しかし、人は神にはなれん。あらゆる選択を間違いながら生きていくしかないのだ。……私も、お前も、シスター・アメルも、お前の嫌いな『教会』もな」
「……だから、人は誰かに……神に許しを乞うのでしょうか?」
私は尋ねた。
「さあ。わからん」
サイード様は答えた。
「しかし、お前がもし、私の言葉を聞いて『教会』を少しでも許す気になったのなら――」
サイード様は私に近寄り、私の額へ指をさした。
「……どうすれば許せるのか、その答えはお前のここにしかない」
「……」
「自分の部屋に戻ってから、ゆっくり自分に問うてみなさい。自分が嫌いなものが何なのか、それを許したいと思っているかどうか、どうすれば許せるか。それが、お前の心のもやを晴らすために、私が提案できる唯一の方法だ」
サイード様のそんな言葉の後、私達は一緒に執務室を出た。
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