28 / 32
5章
5-4 オーレリアの選択(4)
しおりを挟む
聖アルメヌアス教会の修道院では、原則として院に入ったブラザーやシスターが外に出ることを認めていない。認められるのは、教区内の教会で働くことになった場合と、司教様が特別に外に出ることを許す場合だけだ。
神学者のサイード様に目をかけられ、司教様から好かれていない私に外出許可など出るわけもなく――私が修道院の外に出るということは、シスターを辞めることと同じ意味だった。
アルバートに私の計画を打ち明けた三日後の夕方、私は修道院を出ることをシスター・アメルに伝えに、院長室へとおとずれた。
シスター・アメルはいつもの無表情で私を出迎えた。
「行くのですね?」
私の顔を見た彼女は、ただ一言、私にそう言った。
「ご存知だったのですか?」
私は尋ねた。
シスター・アメルはうなずいた。
「院長というのはね、シスター達のことをよく把握していないと務まらないのですよ」
私はうなずいた。
「本当に、あなたはこの修道院を引っかき回してくれた子でしたね」
私はうなずいた。
「……おかげで、本当にいろいろと……苦労をさせられたわ」
その時、ふとシスター・アメルが嗚咽をもらす声が聞こえた。
私が顔を上げて彼女の顔を見ると、彼女はぼろぼろと涙を流しながら泣いていた。
「シスター・アメル」
私はシスター・アメルに近寄り、彼女の肩に手を触れた。
彼女はそんな私の手をそっと触れた。
「……本当に……、あなたって子は、がむしゃらで、無鉄砲で、実直で、真面目で……、あなたほど私に苦労をさせてくれたシスターは、院長になってから初めてだったわ」
「……シスター・アメル。私も、あなたほど自分にも他人にも厳しい人に会ったのは生まれて初めてでした。けれど、あなたほど優しい人に会ったのも……生まれて初めてでした」
私は、シスター・アメルの目を見た。
「四年間……、私のことを、見守ってくれて……本当に、ありがとうございました」
シスター・アメルは泣きながら、小さくうなずいた。
「……シスター・オーレリア。レーア、ここはあなたのもう一つの家ですからね。司教様は嫌がるでしょうけれど、何かあったらいつでもここに帰ってきなさい」
「はい……、シスター・アメル」
私はシスター・アメルに抱きついた。
彼女は私の背中に手を回し、ぽんぽんと私の背中を叩いてくれた。
「ファリンダ。やっぱり、あなたもついてくる気?」
荷造りを手伝うファリンダに、私はふと尋ねた。
「ええ。もちろんです。私は元々、それほど信仰心が厚いわけでもないですし、それに私には、レーア様がアーニャさんから借りた旅費を、ちゃんと返すのを見届けるという仕事がありますから」
うっ、と私は顔をうつむけた。
地下書庫番になってから、写本をして小遣い稼ぎをしていた私だけれど、私の故郷まで帰る馬車代や護衛代を払えるほどの手持ちはなく、結局、伯爵夫人に戻った元シスター・アーニャから旅費を借りたのだ。
「けれど私、ファリンダには地下書庫番を引き継いで欲しいんだけれどなぁ?」
私は言った。
すると、ファリンダは答えた。
「ああ、そのことだったら――」
ばたん、と開く部屋の扉。
「あ、シスター・オーレリア? ここから出ていくんだって? 持っていけないものがあったら箱にまとめて私の部屋に持ってきてよ。皆で分けるから」
現れたのは、シスター・マドレーヌ。
「……彼女に頼みました」
ファリンダはシスター・マドレーヌを手でさして言った。
「ええええええ……」
「ん、何? ああ、もしかして地下書庫番の話?」
「はい、そうです」
嫌そうな表情をしている私を完全無視して話を進めるファリンダ。
「私もどなたか良い方がいらっしゃらないかと、色々声をかけて回っていたのですが、そんな時、シスター・マドレーヌが、ぜひと」
「だって地下書庫なんて、これほど密会に適した場所はないじゃない? でも、安心して。私、仕事はちゃんときっちりこなす方だから」
私の背中をぱんぱんと叩いて言うシスター・マドレーヌ。
たぶん、シスター・アメルはシスター・マドレーヌにブラザーの恋人がいるなんてことは知っているんだろう。そして、それを知った上で、シスター・マドレーヌに地下書庫番をやらせるんだろう。
全てはシスター・アメルの手のひらの上。
そう思い、私は思わず吹き出してしまった。
「なによ、気持ち悪い。何に笑ったの?」
怪訝な顔をして私を見るシスター・マドレーヌ。
私は彼女に微笑みながら言った。
「わかった。地下書庫のこと、あなたに頼むわ、シスター・マドレーヌ。ただし、あまりハメを外さないようにね」
そして、旅立ちの日。
私とファリンダは皆が朝の清掃をしている横で、自分達の荷物を荷馬車に積み込んでいった。
「……そういえば、ここに来た時も荷馬車だったわ、私」
荷物を全て積み終えて荷馬車に乗った時、ふとそんなことを私は思い返した。
前回は父の嫌がらせ、今回は旅費の節約のためだ。
「縁があるんじゃないですか? 荷馬車に」
そう言いながら、ファリンダも荷馬車へと乗り込み、私の隣に座った。
「さすがに嫌よ、そんな縁」
私は言った。
「まあ、前は冬だったけど、今回は夏だから、荷馬車の方が気持ち良いかもしれないわね」
「ですね」
「ところで、ファリンダ。本当に私について来て良かったの? 私はもしかしたら、あなたの人生をすごく不幸な人生にしてしまうかもしれない」
私はファリンダの顔を見ながら言った。
ファリンダはそんな私の手を握った。
「レーア様」
「なに?」
ファリンダが珍しく、昔のようなもじもじとした表情をする。
「私はレーア様のことを、実の姉のように思っています。ですから、レーア様は私の家族なんです。……唯一の。……ですから、ずっと一緒に居たいです。これからずっと」
私はファリンダの手を強く握り返した。
「そうね。私もあなたのことを姉妹だと思ってる――」
私がそう言った時。
修道院の窓から、シスター達が身を乗り出して私達に手を振った。
「シスター・オーレリア! シスター・ファリンダ! またいつでも戻ってきてくださいね!」
「今度こそ、ブラザーの落とし方を教えて下さい!」
「またいつか!」
笑顔で手を振ってくれるシスター達。
よく見れば、その中にはシスター・アメルやシスター・マドレーヌの姿もあった。
私達は彼女達に手を振り返す。
「ファリンダ。正直、私ね。父上と会うのが怖いの。きっと彼は、自分の意思とは関係なく里帰りをした私に罵声を浴びせてくるだろうから。けれど今、私は大丈夫だって思った。――私はもう、一人じゃないから。アルも、ファリンダも、シスター・アメルも、アーニャさんも、シスター・マドレーヌだって味方になってくれる」
「……いつかまた、ここに帰ってきましょうね。レーア様」
ファリンダの言葉に、私は首を縦に振る。
「また二人で一緒に、笑ってね」
そして、荷馬車はゆっくりと動き出した。
私の故郷である、アブドゥナー辺境伯領へと向かって――。
神学者のサイード様に目をかけられ、司教様から好かれていない私に外出許可など出るわけもなく――私が修道院の外に出るということは、シスターを辞めることと同じ意味だった。
アルバートに私の計画を打ち明けた三日後の夕方、私は修道院を出ることをシスター・アメルに伝えに、院長室へとおとずれた。
シスター・アメルはいつもの無表情で私を出迎えた。
「行くのですね?」
私の顔を見た彼女は、ただ一言、私にそう言った。
「ご存知だったのですか?」
私は尋ねた。
シスター・アメルはうなずいた。
「院長というのはね、シスター達のことをよく把握していないと務まらないのですよ」
私はうなずいた。
「本当に、あなたはこの修道院を引っかき回してくれた子でしたね」
私はうなずいた。
「……おかげで、本当にいろいろと……苦労をさせられたわ」
その時、ふとシスター・アメルが嗚咽をもらす声が聞こえた。
私が顔を上げて彼女の顔を見ると、彼女はぼろぼろと涙を流しながら泣いていた。
「シスター・アメル」
私はシスター・アメルに近寄り、彼女の肩に手を触れた。
彼女はそんな私の手をそっと触れた。
「……本当に……、あなたって子は、がむしゃらで、無鉄砲で、実直で、真面目で……、あなたほど私に苦労をさせてくれたシスターは、院長になってから初めてだったわ」
「……シスター・アメル。私も、あなたほど自分にも他人にも厳しい人に会ったのは生まれて初めてでした。けれど、あなたほど優しい人に会ったのも……生まれて初めてでした」
私は、シスター・アメルの目を見た。
「四年間……、私のことを、見守ってくれて……本当に、ありがとうございました」
シスター・アメルは泣きながら、小さくうなずいた。
「……シスター・オーレリア。レーア、ここはあなたのもう一つの家ですからね。司教様は嫌がるでしょうけれど、何かあったらいつでもここに帰ってきなさい」
「はい……、シスター・アメル」
私はシスター・アメルに抱きついた。
彼女は私の背中に手を回し、ぽんぽんと私の背中を叩いてくれた。
「ファリンダ。やっぱり、あなたもついてくる気?」
荷造りを手伝うファリンダに、私はふと尋ねた。
「ええ。もちろんです。私は元々、それほど信仰心が厚いわけでもないですし、それに私には、レーア様がアーニャさんから借りた旅費を、ちゃんと返すのを見届けるという仕事がありますから」
うっ、と私は顔をうつむけた。
地下書庫番になってから、写本をして小遣い稼ぎをしていた私だけれど、私の故郷まで帰る馬車代や護衛代を払えるほどの手持ちはなく、結局、伯爵夫人に戻った元シスター・アーニャから旅費を借りたのだ。
「けれど私、ファリンダには地下書庫番を引き継いで欲しいんだけれどなぁ?」
私は言った。
すると、ファリンダは答えた。
「ああ、そのことだったら――」
ばたん、と開く部屋の扉。
「あ、シスター・オーレリア? ここから出ていくんだって? 持っていけないものがあったら箱にまとめて私の部屋に持ってきてよ。皆で分けるから」
現れたのは、シスター・マドレーヌ。
「……彼女に頼みました」
ファリンダはシスター・マドレーヌを手でさして言った。
「ええええええ……」
「ん、何? ああ、もしかして地下書庫番の話?」
「はい、そうです」
嫌そうな表情をしている私を完全無視して話を進めるファリンダ。
「私もどなたか良い方がいらっしゃらないかと、色々声をかけて回っていたのですが、そんな時、シスター・マドレーヌが、ぜひと」
「だって地下書庫なんて、これほど密会に適した場所はないじゃない? でも、安心して。私、仕事はちゃんときっちりこなす方だから」
私の背中をぱんぱんと叩いて言うシスター・マドレーヌ。
たぶん、シスター・アメルはシスター・マドレーヌにブラザーの恋人がいるなんてことは知っているんだろう。そして、それを知った上で、シスター・マドレーヌに地下書庫番をやらせるんだろう。
全てはシスター・アメルの手のひらの上。
そう思い、私は思わず吹き出してしまった。
「なによ、気持ち悪い。何に笑ったの?」
怪訝な顔をして私を見るシスター・マドレーヌ。
私は彼女に微笑みながら言った。
「わかった。地下書庫のこと、あなたに頼むわ、シスター・マドレーヌ。ただし、あまりハメを外さないようにね」
そして、旅立ちの日。
私とファリンダは皆が朝の清掃をしている横で、自分達の荷物を荷馬車に積み込んでいった。
「……そういえば、ここに来た時も荷馬車だったわ、私」
荷物を全て積み終えて荷馬車に乗った時、ふとそんなことを私は思い返した。
前回は父の嫌がらせ、今回は旅費の節約のためだ。
「縁があるんじゃないですか? 荷馬車に」
そう言いながら、ファリンダも荷馬車へと乗り込み、私の隣に座った。
「さすがに嫌よ、そんな縁」
私は言った。
「まあ、前は冬だったけど、今回は夏だから、荷馬車の方が気持ち良いかもしれないわね」
「ですね」
「ところで、ファリンダ。本当に私について来て良かったの? 私はもしかしたら、あなたの人生をすごく不幸な人生にしてしまうかもしれない」
私はファリンダの顔を見ながら言った。
ファリンダはそんな私の手を握った。
「レーア様」
「なに?」
ファリンダが珍しく、昔のようなもじもじとした表情をする。
「私はレーア様のことを、実の姉のように思っています。ですから、レーア様は私の家族なんです。……唯一の。……ですから、ずっと一緒に居たいです。これからずっと」
私はファリンダの手を強く握り返した。
「そうね。私もあなたのことを姉妹だと思ってる――」
私がそう言った時。
修道院の窓から、シスター達が身を乗り出して私達に手を振った。
「シスター・オーレリア! シスター・ファリンダ! またいつでも戻ってきてくださいね!」
「今度こそ、ブラザーの落とし方を教えて下さい!」
「またいつか!」
笑顔で手を振ってくれるシスター達。
よく見れば、その中にはシスター・アメルやシスター・マドレーヌの姿もあった。
私達は彼女達に手を振り返す。
「ファリンダ。正直、私ね。父上と会うのが怖いの。きっと彼は、自分の意思とは関係なく里帰りをした私に罵声を浴びせてくるだろうから。けれど今、私は大丈夫だって思った。――私はもう、一人じゃないから。アルも、ファリンダも、シスター・アメルも、アーニャさんも、シスター・マドレーヌだって味方になってくれる」
「……いつかまた、ここに帰ってきましょうね。レーア様」
ファリンダの言葉に、私は首を縦に振る。
「また二人で一緒に、笑ってね」
そして、荷馬車はゆっくりと動き出した。
私の故郷である、アブドゥナー辺境伯領へと向かって――。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
追放された令嬢ですが、隣国公爵と白い結婚したら溺愛が止まりませんでした ~元婚約者? 今さら返り咲きは無理ですわ~
ふわふわ
恋愛
婚約破棄――そして追放。
完璧すぎると嘲られ、役立たず呼ばわりされた令嬢エテルナは、
家族にも見放され、王国を追われるように国境へと辿り着く。
そこで彼女を救ったのは、隣国の若き公爵アイオン。
「君を保護する名目が必要だ。干渉しない“白い結婚”をしよう」
契約だけの夫婦のはずだった。
お互いに心を乱さず、ただ穏やかに日々を過ごす――はずだったのに。
静かで優しさを隠した公爵。
無能と決めつけられていたエテルナに眠る、古代聖女の力。
二人の距離は、ゆっくり、けれど確実に近づき始める。
しかしその噂は王国へ戻り、
「エテルナを取り戻せ」という王太子の暴走が始まった。
「彼女はもうこちらの人間だ。二度と渡さない」
契約結婚は終わりを告げ、
守りたい想いはやがて恋に変わる──。
追放令嬢×隣国公爵×白い結婚から溺愛へ。
そして元婚約者ざまぁまで爽快に描く、
“追い出された令嬢が真の幸せを掴む物語”が、いま始まる。
---
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる