転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第176話

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「ははは、はっはっはっはぁ!! いくぜぇ!!」
 シャザールは今までのがまるで遊びだったかのような速さで距離をつめて剣で斬りかかる。しかし今まで通りなら甲殻以上の強度がある部位なら弾けるはず……ダメだ!!
「ぐあっ!?」
 理由はわからない。しかし避けろと本能が叫び、体が後方へと下がる、しかし避け切れないっ……振り下ろされた剣は俺の体を簡単に斬り裂いた。
「ヴリトラっ!?」
 左肩から胸にかけて縦に……まるで紙を切るように簡単に体が斬られた。
「大丈夫だ……皮だけで骨までは届いていない」
 腕の感覚も問題ない、まだ戦える……しかし、この姿でやられたのは初めてかもしれない。死ぬほど消耗したことはあってもこの体を斬られたことは無かった……そしてあの剣、斬られてわかったが間違いなく。
「神滅剣か……」
 俺の持つ剣が共鳴しているようなそんな気がする。そしてあの切れ味、神具ですらあの程度なら間違いなく最強格の武器……神滅剣しかない。
「正解だ……てめぇもトカゲの癖に持ってやがるな? 斬った時に感じたぜ……その力をよ」
 神滅剣は引き合うだったか? 今までそんな感覚なかったんだが。
「お察しの通りこいつら神滅剣だ。しかも二刀一対の珍しい一品だぜ? 名前は何だったかな……正式名称は忘れたが俺はゲキ・メツって呼んでる。シンプルでいいだろ?」
「神が神殺しを使うというの?」
 確かに、魔王の言う通り神が神殺しを使えるのか。神滅と言うくらいだし神は使用できないと思ってた。
「なんだ、魔王の癖に何も知らねぇのか? 元々神滅剣は神が神を殺すために作った武器だぜ? 俺が眠る前、楽しい楽しい神々の戦の時代にな!!」
 初耳すぎる……てかそもそもあのオヤジから神滅剣一本貰ったばっかじゃん……
「まぁ今じゃ統一されて俺の楽しめる戦いなんて存在しないと思っていたが……お前みたいな誤算が居てくれてホントに感謝してるぜ!! ゲキ・メツを出したからには俺様の勝利は決定的だが、精々足掻くんだな!!」
 シャザールは再び距離を詰めてくる、もうあの剣を喰らうわけにはいかない。
「魔王すまない!」
「ぬおっ!?」
 俺は頭を振り上げ鼻先に乗っていた魔王を上空へと放り投げシャザールを迎え撃つ。
「いいねぇ! そういうの大好物だぜ!!」
 翼が潰された以上こうするしかない。狙うのは剣を握る手、そこに攻撃を当ててパリィするように戦うしかないっ!
「残念、トカゲ頭の考えなんて見え見えだぜ?」
 腕を掴もうとした瞬間軌道を反らされ空をつかまされ、剣を振り下ろしてくる。
「このっ!?」
 咄嗟の出来事、本能的な動きだったと思うが俺は鼻先の角で剣を反らすことができた。
「神滅剣に耐えるのかよ……いいねぇ、テメェを殺したら俺の武器にしてやる」
「お断りだよっ」
「がっ!?」
 尻尾の一撃が脇腹に綺麗に決まった、流石に体制が崩れてお互い距離をとり仕切り直しとなった。
「やってくれる……」
 楽しそうな顔しやがって……角なら剣の一撃を受け流せる、しかし直撃したら一撃でへし折れるだろうし下手な受け方はできない。打開策を考えなければジリ貧になってヤられる……
「どんどん行くぜぇ!!」
 シャザールの剣が迫る。腕自体を弾いて攻撃を反らし、失敗したら角で受け流す……隙を見て尻尾の一撃を狙いたいがチャンスが無いし下手に撃って切断なんてされたらシャレにならん。
「どうしたどうしたぁ!! もっと楽しませろ!!」
「この戦闘馬鹿がっ!」
 受けるだけじゃ埒が明かない、多少無茶でもやるしかないか……斬撃をギリギリで避け、無理なものは角で弾き爪で攻撃を仕掛ける。一手ミスれば即死確定の真正面からの殴り合い、いや斬り合いと言うべきか。
「っ!?」
 ニヤリと笑うのが見えた、何かを見つけた? 次の瞬間剣が水平に迫り来る、隙を見つけられたっ!? 違う、こいつワザと攻撃を誘ってこのチャンスを作りやがった……この角度じゃ角で受けれないっ!
「なっ!?」
 シャザールは驚いた、完全に決まったはずの剣が届かなかったのだから……正確には届いている受け止められたのだ、剣に噛みつく形で。
「てめぇ、ホントに楽しませてくれるな……」
 牙が何本か折れたけど受け止められた……もうこれは使えない、次は顎から上が飛ぶ、だけどこのチャンスは逃さないっ!! 体中に魔力を集め圧縮、そして一気に解放する。
「ぐおっ!?」
 俺を中心とした強烈な衝撃波が広がりシャザールごと周囲を吹き飛ばす。名づけるならインナーバーストとかそんな感じかな……今の乱闘でお互い体中にいくつもの傷ができた、角や牙もボロボロになっていつまでもつかわからない。
「ヴリトラ殿」
「魔王、無事みたいだな」
 丁度いいタイミングで魔王が降りてきた。てかこのおっちゃん狙ってただろ!
「貴殿ほどボロボロではないな……まだいけるか?」
「正直物凄くキツイんだが、何か策でも?」
「禁術を使う。もう魔力も残り少なくこれが最後になるだろうが、当てれれば確実に……しかし、発動まで時間がかかる」
「つまり俺はその時間を稼げばいいんだな?」
「頼めるか?」
「やってやる、だからちゃんと決めてくれよ」
「任された!」
 魔王は再び上空へと飛び立ち詠唱を開始、吹き飛ばされたシャザールも体制を立て直し起き上がってくる。
「っ痛……やってくれたな」
 こうなったら何が何でも魔王の一撃の時間を稼いでシャザールをぶっ倒す。
「そのまま倒れてろ!」
 俺は放射熱線を浴びせ起き上がるのを妨害する。
「ふんっ!!」
 しかしまぁ神滅剣を溶かすような出力は無く多少の邪魔はできても受け流されてしまった。
「やっぱ通用しないか……」
「ゲキ・メツはそんなゲロじゃびくともしねぇよ」
 剣を突き出してシャザールはニヤリと笑う、まるで挑発しているようだ。
「ならこっちも出し惜しみは無しだ!」
 ぶっつけ本番だがここでやらなきゃやられる。
「形態変異、ガラムタ解放!!」
 俺は咆哮を上げ全身に魔力巡らせていく。
「なんだぁ!? まだ隠し玉を持っていやがったのか!!」
「見せてやるよ、ドS精霊のお陰で覚えた取って置きをなっ!」
 練習では成功しなかった、しかしもうこれしか方法がない。やってやる!! 正面にドラゴンサイズに変化している神滅剣ガラムタが現れ、咆哮と共に俺の体とガラムタは光に包まれていくのだった。
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