転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第187話

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 今日は訓練所にやってきた、理由は製作開始からいろいろあり遅れていたキッドとエイダの武器のお披露目があるのだ。まぁ途中で起きた出来事のお陰で様々な追加加工がおこなわれた結果、普通の剣とは言えなくなってしまったけど。
「いいか、そいつらは刻まれた魔術の事しか実行しないし発動の度に魔力を食うから下手に使うと魔力切れを起こす。上手く加減して使うんだぞ」
「わかった!」
「あいよっ」
 エイダは早速武器を構える、元々長物を得意としていた彼女のために作られた武器は一言でいえば薙刀だ。柄は長く振り回す事を重視し、本人の癖に合わせてバランスが調整された専用魔剣……いや、魔槍というべきかな、それとも薙刀は刀っぽいし妖刀か?
「ミカ、やってくれ」
 ガンプの合図を受けたミカは魔法を発動させる。彼女も神の加護を失い勇者としての力は失っているが修練の結果、魔導士としての才能がしっかりとあるらしく前と比べると見劣りはするがそれでも十分な力を見せてくれた。
「はい、奴を倒せ! ウッドマン!」
 転がっていた丸太が魔力を受けて人型へと変化しエイダを囲む、ウッドマンは戦闘能力もそれなりにあるため練習台として持って来いなのだ。
「はぁぁ!!」
 エイダは早速ウッドマン相手に斬りかかる。今回はあえて一対多の乱戦を想定した、彼女の本領はそこにあるから。
「いいねぇ、振り回すのに丁度いいし強度もしなやかさも完璧!」
 流石冒険者というべきか初めて扱うはずの武器を見事なまでに使いこなしている。
「そして何より、この切れ味はヤバイ! 面白いくらい的がズタズタだ!」
 ウッドマンはそこそこの硬度があるはずなのだがバターでも切るようにバラバラにされていく。実際武器の核はエイダの魔力を使っているからすぐに馴染むしベースの素材も俺の素材やコボルト達の掘った質のいい鉱石が使われているし何よりガンプの腕が最高なのが大きいだろう。
「それじゃ準備運動はこの辺でっ、こいつの力、見せてもらおうか!」
 突然薙刀が光形が変わっていく、その形は柄の下部が分離し小型のナイフへと変わり刀身は小さく片手で振り回せる槍へとなった。
「ジャベリンか、いってきな!!」
 エイダが小型の投擲槍ジャベリンとなった部位を勢いよくウッドマンへ投げつけるとそれは瞬間的に加速し容易に貫くどころかその先に鎮座していた大岩すら砕いていった。
「すげぇ威力……」
「あの娘っ子は魔法に関して才能は無いし魔力も並みだ、正直魔道具と相性は良くない。しかし戦闘に関しては本物だ、ならば少量の魔力であらゆる戦況に対応できるように変化術式のみに特化させたんだ」
「ホノカの刀と同系か」
「嬢ちゃんも魔法の才能は無かったが仮にも勇者、素の魔力がなかなかに高いから自己強化系の魔術を刻み込んだ。それが違う点だな」
 ガンプと話していると投げたジャベリンがエイダの手元へと勝手に帰ってきた。
「ジャベリンは投擲槍、消耗品だがあれは左手で持っているナイフと対になっている。どんなに離れていようが絶対に引き合い一つに戻る、まぁ投げてる間は最低限の自衛しかできなくなる欠点はあるがそこは連携でどうにかしてもらおう」
 自身の作品なだけありガンプも楽しそうだ、ホノカの時は急ぎだったのもあり試し斬りなどができていなかったからなおさらなのだろう。
「次!」
 ジャベリンとナイフを繋げると再び形を変え、今度はシンプルな長槍へとなりウッドマンを近づけずに次々と貫いていく。
「斬、突、投を切り替えて戦えるのか」
「他にもまだ組み込める余地は残しているがそこは今後娘っ子の希望に合わせて改良って感じだな」
 そして話している間にウッドマンを全て倒し、エイダの試験運用が終了した。
「どうだった?」
「あたしさ、どんな状況にも対応するためにハルバードを使ってたんだけど、瞬時に各種特化した形態に変化できるこいつはホントに理想だよ」
「気に入ったなら良かった、修正や追加はガンプとやってくれ」
「おう!」
 ニコッとエイダは笑ってみせた。ちなみにこの武装が形を変えれるのは俺の素材の持つ独自の特性らしくそれが無ければ作れなかったとのことだ、なんでも俺が人や竜の姿を自由に変えることができる能力を素材もしっかりと維持しているらしく魔力を吸って形を変えれると判明し、実験的に術式として組み込んだのがこの魔槍らしい。
「じゃあ次はキッドだな」
 エイダがバシッとキッドの背中を叩いて広場へと送り出す。
「いっ!? たぁ……」
 キッドが装備している物はシンプルな赤い片手剣と手甲一体型の腕部を覆う盾ガントレットシールドとか呼ばれてた居たものだ。これは普通の盾と違い小型ではあるが左腕の動きに合わせて柔軟に動く使い勝手のいい物となっている、ちなみに防御力も高くそう簡単には傷すらつかない代物に仕上がったらしい。
「キッド、準備はいいか?」
「はい!」
「ミカ、やってくれ!」
 ミカは頷き、再びウッドマンを生成して試し斬りが開始した。
「はぁ!!」
 ウッドマンの攻撃を受け流し次々と切り裂いていく赤い剣と盾、今のところ特に変わった魔剣というようなところは見当たらない。それよりもキッドの動きが凄くよくなっている方が驚きだ、皆にボコボコ……訓練を受けていた成果がしっかりと出ているようだ。
「ガンプ、あれの能力は無いのか?」
「あの剣と盾は魔法攻撃を受けた時に本領を発揮する。ああいう単純な相手なら最高級の武具と変わりないな」
「ふ~ん、どの位までなら耐えれる?」
「盾が砕けない限り理論上、制限はないぜ」
 ガンプは俺が何を考えているかわかっている、というよりそれをやってほしくて期待しているみたいだ。
「キッド、死にたくなければしっかり受け止めろ!」
「え? ……うそだぁぁぁぁ!?!?」
 俺はキッドに向けて火の息を吐いた。ウッドマンは魔法は使わない、ならばこうしてあげるのが手っ取り早い。
「キッド、避けずに盾で受け止めろ! その魔剣の性質は説明しただろ!!」
 ガンプの声を聞きキッドは盾を構える、まぁそもそも逃げ切れない範囲に吐いてるからそれしかできる事が無いんだけど。
「へぇ、すごいな」
 驚いた、広範囲にまき散らす炎の息を盾が吸収していく、加減してるとはいえこの広範囲を焼くブレスを阻害して全てを飲み込んでいくのだからあの小さな盾には自分だけでなく味方を守る大きな力があるのは明白だった。
「魔力で作られた現象ならほぼすべてを吸収できるぜ」
 ブレスを辞めるとキッドの盾にはめ込まれた宝玉が一つ光輝きだした。
「エンチャント!」
 キッドはその宝玉に刀身の腹を擦り付けていく。すると剣本体が炎を纏い赤々と燃え上がりだした。
「はぁぁぁ!!」
 剣を振ると炎も敵を焼き切らんと暴れだす、それはまるで炎の竜が敵を破壊するかのようだった。
「キッドは、魔法の才能が全くないくせに魔力は勇者並みに高い変な力だった。こいつはその力を存分に発揮させるための武具、並みの奴にゃ盾で吸収した瞬間に魔力を食い尽くされてぶっ倒れる」
 せっかくある膨大な魔力を存分に活かすための魔剣ってところかな。相手が用意した魔法を自分の力として行使する相手が魔法に特化してればしてるほど強くなるらしい。
「ただし溜めれる魔法は三種類までだ。それ以上は吸収すらできないから気を付けな」
「まぁこれなら魔術の才能が無くても自分のこうしたい、ああしたいという意思を受け取った魔剣が再現してくれる。魔法の使えない者の魔法って感じかな?」
「よくわからんが、キッド専用なのはわかったよ」
 ガンプが嬉しそうに見ている、あの剣は形を変えはしないが本人の力を最大限引き出す専用武器として最高の完成をしているのは伝わってくる。
「後は精度を上げてもらいつつ微調整をすれば完璧だな!」
「皆の装備も考えているんだろ?」
「勿論、最高の装備を作ってみせるぜ!」
 ガンプはそう言うと大笑いしてお酒を一気に煽っていく……ちょっとまて、その酒はどこから持ってきた? 後ろを振り向くと答えはあった、この試験運用を見世物にちょっとした宴会が開かれていた。まぁ最近こういうのやってなかったし、幸か不幸か余興もある。
「とりあえず、もう好きにしてくれ」
 そしてこの後魔剣のテストを兼ねて興味のある強者達がガンプのデータ収集もこみでド派手な演習を何度も繰り返し宴会はますます盛り上がっていくのであった。
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