54 / 191
第54話
しおりを挟む
終焉の森、そこに住まう生き物は桁違いの強さを誇り外からの侵入を拒絶する大陸中央の領域。少し前、ここに魔竜が住みついたと聞いた。その魔竜は二つの国に致命的な支障を与えた危険な存在、しかし周囲の領地には庇護を与え繁栄を約束するという。
「北の領地では守護竜と呼ばれているようだが所詮ドラゴン、気まぐれで危険な存在だ。何としても討伐するぞ」
派手な装飾の付いた白銀に煌めく甲冑を纏う青年は先頭を歩きながらドラゴン退治に絶対の自信を持っている。
「勇者様の力があれば勝利は間違いないでしょう。ドラゴンといえど好き勝手動いてるのを見るにたいしたものではないでしょうしね」
戦闘の青年の後ろで馬に跨り好き勝手話している。衣服もなんか高級で偉そうだ。
「宰相様までついて来てよかったんですか?」
戦闘の少年の隣を歩く弓を背負った女性、多分仲間のレンジャーという感じだろうか。
「私も戦いには自信がありますし、ドラゴンの住処を奪えばこの大陸中央に拠点を築けるかもしれません。これは我が王国にとってとてつもない利益になります」
「元々は珍しいリザードマンの捕獲だったのにそれが逃げてドラゴン退治ってか? まったく退屈しないねぇ」
巨大な斧を背負ったガタイのいい男性が腕を回しながら楽しそうに話している。
「強大な名立たるドラゴンは自身の住処で余裕もって動かぬもの、好き勝手に動き回っていることを考えるにたいしたドラゴンではないでしょう。しかしドラゴンはドラゴン、竜殺しの名誉は勇者様の名と共に大陸に響き渡るでしょう」
「俺は勇者として国を守るだけだ、今までもたくさんの化け物を倒してきたんだ。今回だって倒して見せるさ!」
「流石勇者様です。それに今回は国王様のお陰でこのような大規模な軍勢をそろえることができました、負けることなどありえませぬ」
確かに先頭の勇者パーティっぽい人達の他、後ろにすごい数の兵士がついて来ている。こんだけいたら問題なく終焉の森も越えられるんだろうなぁ。
「行軍開始からしばらく経つ、距離的にもそろそろ魔竜の住処ですよ」
「皆、気を引き締めろ!」
「まって、誰かいる!」
女レンジャーの声で勇者一団は正面の人影に気づき停止した。冒険者だろうか? こんな危険な森の中に一人というのもおかしなことだが正面に居るのはたった一人だった。
「お前は誰だっ!」
得体のしれない人物に緊張が走る。どうやら男のようだ、剣を腰に装備しているようだが衣服は布装備、とてもじゃないがこの森を一人で抜けれるような装備ではない。だからこそ違和感を感じるし怪しい、一気に緊張が走る。
「お前が勇者? 突然で申し訳ないが一手お手合わせをお願いします」
「何を馬鹿な、我々はこれから大事な用事がある貴様のような木っ端の相手などしてられぬ」
宰相とか呼ばれてた奴がそう言っているが関係ない。
「問答無用だ!」
俺は刀を抜刀し居合の如く勇者を斬りつける。いろいろ言ってくれてたし、ちょっとだけ遊んでもらおう。
「くっ、やむおえん! 皆、行くぞ!」
俺の刀をギリギリで躱して勇者は剣を抜く、しかしその剣は刀身がない。見えない剣なのかな?
「はぁぁぁぁぁ! 抜刀! オーラシオン!!」
勇者がそう叫ぶと光るオーラのような刀身が現れた。なんというかあれだ、たぶん魔法のライトセーバーとかビームソードみたいな剣なんだと思う。
「せぃ!」
勇者は思い切り踏む込み一撃を撃ってくる。切れ味はいいらしく掠めた髪の端が空を舞う、確かにこの剣ならドラゴンにもダメージを与えられそうかな。
「どぉりゃあぁぁぁぁ!」
勇者の攻撃を避けると間髪入れずに大男が斧を振り上げ一気に踏み込んできた。正直勇者以外にはあんま興味ないんだよね……
「ぐはっ!?」
俺は大男の腹部に左手の手刀を突き刺した。なんかブヨブヨした気持ち悪い感触がするからそのまま突き飛ばす。まず一人かな。
「こいつぅ!」
レンジャーが弓を構えて狙い撃つ、でも残念しっかり見えてます。矢を回避しながら刀を頭上に放り投げ、炎の弾丸を生成して投げつける。
「うっ!?」
レンジャーは炎の弾丸を避けて見せたがその場に崩れ落ちた。何が起きたかわからないという顔をしているがよくよく見ると太ももに投げナイフが突き刺さっていた。魔法は囮、本命はこっちだったのだ。
「貴様ぁ!」
勇者は怒って斬りかかってくる。これまでどのような戦いをしてきたか知らないけど、怒るのが早すぎない? もうちょっと冷静に戦わないと……
「何なのだあの男……おい、全員で取り囲みあの男を殺せ……どうした? 早くうご、かぬ、か?」
勇者の苦戦にだいぶイライラしていたらしい宰相様は命令を出す。しかし誰も動かない、不思議に思い振り向くとそこには誰一人兵士は居なかった。正確には立っていなかったのだ。
「これは、いったい!?」
「ご主人様の邪魔をしようだなんて無粋な人間ですね。まぁこんな雑魚ばっかじゃ相手になる資格すらございませんけど」
「貴様は帝国の、白亜の終炎……なぜこんなところに、堕天したというのは本当だったようだな」
ルーフェは見下すように笑い更に続ける。
「すみません、貴方が何言ってるかわからないの」
この時宰相は、自分の声が周囲に聞こえていなかったことに初めて気づいた。
「サイレンス、沈黙の魔法は初めてでした? 全く気付きませんでしたもんね」
宰相は絶望を感じている。目下に広がる光景に、兵士達の亡骸、そして自分達を囲む二人の堕天使、そして巨大な蜘蛛に狼、グリフォンまで居る。全て災害級と呼ばれる桁外れの化け物である。あれだけ居た兵士が音もなく全滅していた、この状況に絶望を感じない人間など居ない。
「ゆ、勇者様っお助けをっ……」
自身の声が周囲に聞こえないのも忘れいつの間にか糸で拘束され動けなくなった馬からも転げ落ちながらも最後の望みである勇者に助けをこう。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
宰相の目の前で勇者の右腕が吹き飛んだ、持っていた剣も光を失いカラカラと転がっていく。頭が真っ白になって行く、そう言う顔をしているのが一目でわかる。
「セッカ、イチカ、シロー、ヨゾラ食べちゃダメだよ、蜘蛛さんズも、人間なんて食べてもロクなもんじゃない」
「ワン!」
「ピャ!」
実際俺も人間は噛み殺さないしね、絶対不味いもん。
「たまにはこういうのもいいでしょ、別に家で待っててくれてもいいんだけどさ」
「時々は戦わないと腕が鈍ってしまいます」
セッカ達もたまにはいいとこ見せたいという顔をしている、いつも狩りとかで活躍してくれてるんだけどなぁ。
「さてと、お客様を放置してるのも悪いしそろそろ終わらせなきゃね」
俺はドラゴンモードへと姿を変える。まぁ意識のある連中はすごい面白い顔するよね。討伐しようとしてたドラゴンからやってきちゃったんだから。俺は彼らにどう映ってるんだろう? 絶望、悪夢? 間違いなくそっち系だろう、だって顔がそうい顔してるし。
「それじゃあ侵略者諸君、その報いをうけるといい」
「北の領地では守護竜と呼ばれているようだが所詮ドラゴン、気まぐれで危険な存在だ。何としても討伐するぞ」
派手な装飾の付いた白銀に煌めく甲冑を纏う青年は先頭を歩きながらドラゴン退治に絶対の自信を持っている。
「勇者様の力があれば勝利は間違いないでしょう。ドラゴンといえど好き勝手動いてるのを見るにたいしたものではないでしょうしね」
戦闘の青年の後ろで馬に跨り好き勝手話している。衣服もなんか高級で偉そうだ。
「宰相様までついて来てよかったんですか?」
戦闘の少年の隣を歩く弓を背負った女性、多分仲間のレンジャーという感じだろうか。
「私も戦いには自信がありますし、ドラゴンの住処を奪えばこの大陸中央に拠点を築けるかもしれません。これは我が王国にとってとてつもない利益になります」
「元々は珍しいリザードマンの捕獲だったのにそれが逃げてドラゴン退治ってか? まったく退屈しないねぇ」
巨大な斧を背負ったガタイのいい男性が腕を回しながら楽しそうに話している。
「強大な名立たるドラゴンは自身の住処で余裕もって動かぬもの、好き勝手に動き回っていることを考えるにたいしたドラゴンではないでしょう。しかしドラゴンはドラゴン、竜殺しの名誉は勇者様の名と共に大陸に響き渡るでしょう」
「俺は勇者として国を守るだけだ、今までもたくさんの化け物を倒してきたんだ。今回だって倒して見せるさ!」
「流石勇者様です。それに今回は国王様のお陰でこのような大規模な軍勢をそろえることができました、負けることなどありえませぬ」
確かに先頭の勇者パーティっぽい人達の他、後ろにすごい数の兵士がついて来ている。こんだけいたら問題なく終焉の森も越えられるんだろうなぁ。
「行軍開始からしばらく経つ、距離的にもそろそろ魔竜の住処ですよ」
「皆、気を引き締めろ!」
「まって、誰かいる!」
女レンジャーの声で勇者一団は正面の人影に気づき停止した。冒険者だろうか? こんな危険な森の中に一人というのもおかしなことだが正面に居るのはたった一人だった。
「お前は誰だっ!」
得体のしれない人物に緊張が走る。どうやら男のようだ、剣を腰に装備しているようだが衣服は布装備、とてもじゃないがこの森を一人で抜けれるような装備ではない。だからこそ違和感を感じるし怪しい、一気に緊張が走る。
「お前が勇者? 突然で申し訳ないが一手お手合わせをお願いします」
「何を馬鹿な、我々はこれから大事な用事がある貴様のような木っ端の相手などしてられぬ」
宰相とか呼ばれてた奴がそう言っているが関係ない。
「問答無用だ!」
俺は刀を抜刀し居合の如く勇者を斬りつける。いろいろ言ってくれてたし、ちょっとだけ遊んでもらおう。
「くっ、やむおえん! 皆、行くぞ!」
俺の刀をギリギリで躱して勇者は剣を抜く、しかしその剣は刀身がない。見えない剣なのかな?
「はぁぁぁぁぁ! 抜刀! オーラシオン!!」
勇者がそう叫ぶと光るオーラのような刀身が現れた。なんというかあれだ、たぶん魔法のライトセーバーとかビームソードみたいな剣なんだと思う。
「せぃ!」
勇者は思い切り踏む込み一撃を撃ってくる。切れ味はいいらしく掠めた髪の端が空を舞う、確かにこの剣ならドラゴンにもダメージを与えられそうかな。
「どぉりゃあぁぁぁぁ!」
勇者の攻撃を避けると間髪入れずに大男が斧を振り上げ一気に踏み込んできた。正直勇者以外にはあんま興味ないんだよね……
「ぐはっ!?」
俺は大男の腹部に左手の手刀を突き刺した。なんかブヨブヨした気持ち悪い感触がするからそのまま突き飛ばす。まず一人かな。
「こいつぅ!」
レンジャーが弓を構えて狙い撃つ、でも残念しっかり見えてます。矢を回避しながら刀を頭上に放り投げ、炎の弾丸を生成して投げつける。
「うっ!?」
レンジャーは炎の弾丸を避けて見せたがその場に崩れ落ちた。何が起きたかわからないという顔をしているがよくよく見ると太ももに投げナイフが突き刺さっていた。魔法は囮、本命はこっちだったのだ。
「貴様ぁ!」
勇者は怒って斬りかかってくる。これまでどのような戦いをしてきたか知らないけど、怒るのが早すぎない? もうちょっと冷静に戦わないと……
「何なのだあの男……おい、全員で取り囲みあの男を殺せ……どうした? 早くうご、かぬ、か?」
勇者の苦戦にだいぶイライラしていたらしい宰相様は命令を出す。しかし誰も動かない、不思議に思い振り向くとそこには誰一人兵士は居なかった。正確には立っていなかったのだ。
「これは、いったい!?」
「ご主人様の邪魔をしようだなんて無粋な人間ですね。まぁこんな雑魚ばっかじゃ相手になる資格すらございませんけど」
「貴様は帝国の、白亜の終炎……なぜこんなところに、堕天したというのは本当だったようだな」
ルーフェは見下すように笑い更に続ける。
「すみません、貴方が何言ってるかわからないの」
この時宰相は、自分の声が周囲に聞こえていなかったことに初めて気づいた。
「サイレンス、沈黙の魔法は初めてでした? 全く気付きませんでしたもんね」
宰相は絶望を感じている。目下に広がる光景に、兵士達の亡骸、そして自分達を囲む二人の堕天使、そして巨大な蜘蛛に狼、グリフォンまで居る。全て災害級と呼ばれる桁外れの化け物である。あれだけ居た兵士が音もなく全滅していた、この状況に絶望を感じない人間など居ない。
「ゆ、勇者様っお助けをっ……」
自身の声が周囲に聞こえないのも忘れいつの間にか糸で拘束され動けなくなった馬からも転げ落ちながらも最後の望みである勇者に助けをこう。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
宰相の目の前で勇者の右腕が吹き飛んだ、持っていた剣も光を失いカラカラと転がっていく。頭が真っ白になって行く、そう言う顔をしているのが一目でわかる。
「セッカ、イチカ、シロー、ヨゾラ食べちゃダメだよ、蜘蛛さんズも、人間なんて食べてもロクなもんじゃない」
「ワン!」
「ピャ!」
実際俺も人間は噛み殺さないしね、絶対不味いもん。
「たまにはこういうのもいいでしょ、別に家で待っててくれてもいいんだけどさ」
「時々は戦わないと腕が鈍ってしまいます」
セッカ達もたまにはいいとこ見せたいという顔をしている、いつも狩りとかで活躍してくれてるんだけどなぁ。
「さてと、お客様を放置してるのも悪いしそろそろ終わらせなきゃね」
俺はドラゴンモードへと姿を変える。まぁ意識のある連中はすごい面白い顔するよね。討伐しようとしてたドラゴンからやってきちゃったんだから。俺は彼らにどう映ってるんだろう? 絶望、悪夢? 間違いなくそっち系だろう、だって顔がそうい顔してるし。
「それじゃあ侵略者諸君、その報いをうけるといい」
68
あなたにおすすめの小説
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
湖畔の賢者
そらまめ
ファンタジー
秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。
ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。
彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。
「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」
そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。
楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。
目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。
そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。
おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる
シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。
※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。
※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。
俺の名はグレイズ。
鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは商人だ。
そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。
だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。
理由は『巷で流行している』かららしい。
そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。
表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。
そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。
俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。
その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。
本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる