転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第119話

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 しばらく時間が過ぎて夏真っ盛り、めっちゃ暑いけど子供達は元気だしウンディーネのおかげで今までよりもすごく快適になったと思う。流石水の大精霊、プロの技というのを見せつけられた感じだ。
「しっかし魔法で作った水の霧ねぇ」
「熱い時はこれで周囲の温度を下げることができますから覚えておくと便利ですよ? ヴリトラ様は水属性の他に火と風も持ちですからね魔力量的にもここの周囲一帯を操作することが可能だと思われます」
 つまり俺はここら辺の気温をコントロールできる……生きたエアコンですね。ホントこの世界は魔法で何でもできちゃうなぁ……既にこれだけ便利なのだ、地球みたいに文明が進む必要すらないんだよなぁ。
「あ、主様ここに居たんですね!」
「イリオ何かあった?」
 ウンディーネと話しているとイリオがやってきた大量の書類を抱えて。このパターンの時はちょっとめんどくさいんだよなぁ……俺、机仕事苦手だし。
「最新の周辺諸国の状況がまとまりましたので報告したいのです」
 あ~それはちゃんと聞いとかないとダメかなぁ。もしかしたらここにも影響あるかもしれないしね……
「了解、じゃあ集会場で詳しく聞くよ」
「はい!」
 そうして俺達は場所を移動して話を聞くことにした。
「それではまず黒竜同盟ですがここは主様の圧があるので平和ですね」
 実は俺も気にしていなかったのだがお義父さんの領地、ドワーフの村、リザードマンの集落、そして東の睦を一括りにして黒竜ヴリトラの支配領域、黒龍同盟という一つの国のような認識をされてしまったらしく気づいたら竜王様である。
「まぁ主様と正面切って戦おうなんておバカはいないですよ、あれだけ暴れてるんですから」
 まぁたしかにここ四年でだいぶ壊した気がするし魔竜に悪竜といろいろと二つ名が増えたのも確かだと思う。異名、悪名とは伊達ではなくそう簡単に喧嘩売られる状況ではないかな?
「強いて言うなら気を付けるのは暗殺くらいじゃないですか?」
 なんか変なフラグが立った気がした……しかし暗殺ねぇ、ここに忍び込めるものなら見てみたい気持ちもあるかなぁ、俺は化け物じみた戦闘力を持つ家族達を思い浮かべた。……普通に無理じゃね?
「まぁノーム達も居るし、そこら辺は大丈夫でしょ」
「そうですね、では続けます」
 そう言うとイリオは書類を広げていく。
「まずは三笠ですね」
 ルーフェが官邸を焼き尽くした東の国で一番被害が少ない国だったかな?
「ここは国の舵を取る頭が無くなってから一時期荒れていましたけど四方将軍が代表となり安定に向かっているみたいですよ?」
「その四方将軍? ってのはどういう人達とかわかる?」
「えっとですね……」
「四方将軍は民を守る三笠最強の将軍達で、国と民を第一に考える文武両道のお方達です」
 書類を漁っているイリオに変わりカエデが説明してくれた。確かに睦出身の彼女なら知っててもおかしくないよな。
「そうですね、四人を中心として新たに黄龍議会というものが作られ安定に向かっていますね」
「ちなみに、睦へ三笠から新ためて交易の申し出が来ているそうですよ」
「そうなんだ、悪い話じゃないならおっちゃんに全部任せるよ。基本的に俺は口出ししないよ」
 竜王(仮)はまだ認めたつもりはございません! 王様なんてめんどくさい事やってられないしね。性に合ってないからね、俺は自由にしてたいんだから!!
「元々ご主人様は守護はするし必要なら手を貸す。しかし基本的に自分達の領土は自分達でと伝えてありますから大丈夫でしょう」
 ルーフェさんはよくわかってらっしゃる、流石俺の右腕とドヤ顔して言いまわってるだけはある。
「じゃあ次はアレクロン王国の方ですね、こちらは内戦継続中なんですけど」
「なんかあったの?」
 トールは同郷の友人だし気になるっちゃ気になるのよね。
「現在膠着状態が続いてますね」
 確か王子派と王女派の後継争いの中にトールが巻き込まれた住民を助ける形で介入、三つ巴の乱戦状態に突入していた気がしたけど?
「なんでも、食料を用意する村々が丸っとトールさんのとこに逃げてしまって食料などの兵糧集めに必死過ぎて戦争どころじゃないみたいですよ?」
 意外な展開、もういっそトールが王様になって新しく国作ったほうが安定するんじゃないこれ?
「ちなみに、一部の防衛用ホムンクルスが制御を外れて大暴走して両軍に甚大な被害をだしてるとか」
 だめじゃん! あのマッドサイエンティスト!!
「まぁそういう意味では向こうも大丈夫そうですね」
 この大丈夫はうちのエリアには影響ないという意味で何か大変なことが起きたらエイト達を通して救援要請が飛んで来るだろうしね。
「そして南なんですけど、こっちは前の進軍以来王が変わりこちらには一切干渉しない方針を貫いてるようですね」
 あ~あの国か、最初はここに進軍してきて結構好戦的だったけどすっかり大人しくなったようだ。まぁこちらとしても害をなさなければ何もしないですよっと、スルーでいいかな。
「で、最後なんですけど」
「あ~帝国?」
「はい、現在魔王国と戦争中ですが結構激しいみたいですね、近くの村々が被害を受けて次々と廃村となっていってるみたいです」
 正直意外だった。勇者召喚とかでハイスペックな駒を増やしてはいるがシルバーワイバーンやルーフェ達最強クラスの戦力が居なくなりそうとう弱体化していたはずなのに無傷の魔王軍とやりあえるのは正直すごいと思える。
「魔王軍ってなかなかに強いんじゃなかったっけ?」
「はい、複数の種族による混成国家ですしその各種族の特性をフルに活かした強力な国です」
 確かに俺みたいな化け物が居るなら話は違うだろうけど、さすがに異世界勇者だけでそうそう張り合える程甘くないと思うけどなぁ。
「帝国の戦い方が魔王軍と相性最悪なんですよ」
 不思議そうにしていた俺を察したのかルーフェが口をはさんだ。彼女もイリオと協力して情報収集をしてくれていたのでだいたいは把握しているのだ。
「まず何らかの方法で魔法を使えなくしているようなんです」
 この世界は魔法を基準とした文化の発展をしている。それを真っ向から否定する戦い方、確かに戦力差を縮められるやり方だ。
「それでも身体能力の高い種族が多い魔王軍の方が有利なんじゃないの?」
 そう、純粋な生物としての性能。それを考えると人間は圧倒的に弱い、身を守る毛皮や鱗、敵を切り裂く爪や牙。力や敏捷性を考えても人間は見劣りする、しかも両方が武器を持ち鎧を着て武装するのだからなおさら魔法無しで対抗できる差ではないはずなのだ。
「普通に考えればそうなんですけど、帝国はこれまで見たことのない謎の武器を多く使用しているみたいなんです」
「それは飛び道具で一般兵の着る鎧を簡単に貫き、命を奪う。弓よりも早く、圧倒的な素早さを誇るライダー部隊もその武器に壊滅させられたらしいです」
「魔王軍は対策として高い再生能力を持つトロールなどの種族やその武器で貫けない重鎧を装備した重装部隊を主力として展開したらしいのですが、今度は炎の杖を使用してきたらしいのです」
「魔法は使えないんじゃないの?」
「そのはずなのに帝国は炎を吐く杖を使ってくるのです」
 魔法が使えないはずの場所で魔法を使う何らかの方法があるのか? 確かになんの策も無く魔法封殺なんてしないもんなぁ。流石に帝国もそこまで馬鹿じゃなかったってことかな?
「重装兵は熱に蒸し焼きにされ、トロール達は弱点である炎にやられ苦戦を強いられているそうですよ」
「それでも拮抗していられる魔王国はさすがという感じですけどね」
「謎の武器っていうのがちょっと気になるかも?」
「魔王国では帝国の使う謎の武器をその外見から黒筒、炎の杖と呼称しているみたいですよ?」
 黒筒かぁ。ちょっと興味あるけどここには被害が出てないから乱入するのもあれだよなぁ……俺はあくまでもやられたらやり返すの方針だし。
「今のところ黒竜同盟に影響はないですが警戒はしておいた方がいいかと?」
「一番の問題は勇者達の中には独断で行動する者達も居るらしく個々の戦力も不明なところですね、何をしでかすか予想できませんから」
 確かに、警戒しておくに越したことはないかな? アニメの見すぎかもしれないけど異世界作品の主人公はめちゃくちゃだったりするパターン多いからなぁ、一応対策を考えておいた方がいいかもしれない。
「了解、とにかく俺達は現状維持。ここをより快適に過ごせる場所にするのを最優先にしたいかな」
「そうですね、何かありましたらすぐ連絡します」
「よろしくね」
 こうして俺達は会議を終わらせて普段の生活へと戻っていくことにした。情報は大事だということはよく知っているし正直ここの住人は理不尽なくらい強いと思うけど今まで帝国に恨まれることを散々していたから何されてもおかしくない。家族の幸せを守るためにもいろいろ準備しておこうかな、そう考えつついつもの仕事に戻っていくのだった。
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