転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第127話

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 戦争に乱入してしまってから数日、貰ってきた武器はガンプ達によってあっという間に研究されていた。前に俺が作ろうと考えた時に問題となった弾丸の発火材だが、これは火属性もしくは雷属性のクリスタルをオハジキのように加工して代用していたらしく撃鉄に押された瞬間砕けて静電気、もしくは火花で火薬に着火させて発射していたことが判明した。グレネードや火炎放射器もクリスタルを応用していることがわかりあの結界内でもクリスタルなど元々魔力を内包している物は使用できることもわかった。まぁ帝国の仕様では装置を使いクリスタルを破壊したり削って内包している魔力を無理やり暴発させているらしく武器自体の耐久性などに問題が多く良くも悪くも使い捨て前提の武装らしい。まぁ優良な技術は有り難くいただいてしまうけどね。
「主様、アクババが見えてきましたよ~」
「あ、今行くよ」
 イリオに呼ばれて俺は家を出る。この日ドクトルから受けた例の依頼、と言うかお願いの日であり、想像以上に魔王の判断が早かったらしい。魔王と呼ばれても結局は子供の安全が最優先のお父さんだということなのだろう。
「ヴリトラ様、この度は我々のお願いを聞いていただきありがとうございます」
「ドクトル、わざわざ来なくてもよかったのでは?」
 激務でぶっ倒れてもおかしくないはずなのに今回もドクトルは直々にアクババを操りやってきたのだ。
「アクババは私やモルテナなど一部の主と認めた人以外の言うことは聞かないのですよ……」
「ご苦労様、少し休んでいくか?」
「いえ、私はこのままアクババと前線基地に物資を届けなければいけないので失礼いたします」
「依頼されてた追加物資はアクババで運びやすいようにコンテナにまとめて置いた、このままもって行ってくれ!」
 前にあった時、追加で補給物資、主に武器や食料のお願いをされていた。戦場で俺に会えると判断した時に既に準備していたらしい、ホントちゃっかりしているし優秀な男だ……
「ホントにいくら感謝しても足りないですね。落ち着いたら魔王様共々改めてお礼に参ります」
「いいさ、無事に生き残ってまた遊びに来るといい。歓迎するよ」
 ドクトルはお辞儀をしアクババが抱えていたコンテナをここに置き、俺達の用意していたコンテナを掴ませてそのまま飛んで行った。仲良くなった人には死んでほしくない、そう思うのはどんな種族でも関係ないのだ。
「さてと」
 俺はアクババとドクトルが置いて行ったコンテナに向きなおした、それは人員輸送用コンテナであり扉を開けて中の人物が姿を現した。
「先日はありがとうございました。こんなに早い再会になるとは思いませんでしたが、この度はよろしくお願いしたします」
 中から一番に現れた女性、それはルシエ・モナーク。この前助けた魔王様の長女であり後ろからあの時一緒にいた見覚えのある護衛やメイドの女性達が次々と出てきた。
「皆さんお元気そうでなによりですね」
 メイドや騎士達はお辞儀をして必要な荷物を降ろし始めた。
「既に家の方は準備できています、イリオが案内しますので指示に従ってください」
「ルシエ姫殿下、再びお会いできて光栄です。改めまして案内いたしますイリオです、気になる事がありましたらなんなりとお申し付けください」
 イリオはそう言うと丁寧にお辞儀してみせた。
「ありがとう、でもここでは私は姫ではありません。どうぞルシエとお呼びください、仲良くしていただけると嬉しいですわ」
 そう言うとルシエは微笑んで見せた。
「イリオ様、荷物を運びたいので案内お願いできますか?」
「わかりました、ではこちらに」
 そう言うとイリオについてメイド達が荷物を運び始めた。
「ところで、初めましてのお方が居るようですが?」
 俺は少し気になったのでお姫様に質問をした、コンテナのすぐそばから全く動かない黒ずくめの男性。まるで忍びのような奴だ……
「彼は護衛です。隠密に長けた者も一人は必要だろうと将軍につけていただいたのです」
「そうですか、あとはその……」
 正直はなから交流する気の無さそうな男はどうでもいい。それよりもお姫様の背後にピッタリひっつきこちらをチラチラと様子見している小さな少女の方が気になっていた、年齢的には十歳前後? アーシラやファウと同じくらいな雰囲気だ。
「ティファニー、ちゃんと挨拶しなさい」
 お姫様に促されて隣に出てきた少女はお辞儀をした。
「ティファニー・モナークです……よろしく、お願いします……」
「すみません、この子は私の妹でティファニーと申します。お父様が過保護なせいでなかなか他人と話す機会がなくて少々人見知りなんです」
 この前ドクトルからは戦争の間だけ姫様を預かって欲しいとお願いされた。ここは魔王軍寄りではあるが一応中立的な立場だし戦力という意味でもここ以上安全な場所はないと判断したらしい。こちらとしても特産品の香辛料などだいぶ融通してもらっているので断る理由もなかったし、リサ達が区画整理の際に張り切って家を余分に作ってしまったから余っていたというのもあった。まぁそれにお姫様を預かって欲しいと言われた時点で大人数になる気はしてたしそもそもお姫様が一人とも言われてなかったなぁ……
「タカト」
「アズハ、動いて大丈夫なの?」
「うん、ちゃんと運動しないとこの子達にも悪いし」
 お姫様達と話しているとアズハが歩いてきた。
「お姉さんは誰?」
「紹介します、俺の妻のアズハです」
「お話は聞いておりました。アズハです、よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
「……します」
 お姫様二人とアズハはお互いにお辞儀し合っていた。そして挨拶が終わった後、アズハの背後からひょっこり顔を出す二つの影がある。アーシラとファウ、うちのやんちゃ盛りな娘達である。
「にに、この子はだぁれ?」
「だぁれ?」
「この子はね、ティファニーちゃんっていって今日からここにお泊りするお客さんだよ」
「そうなんだ! 私はアーシラ!」
「私はファウ!」
「「よろしくね!!」」
 二人はまんべんの笑顔でティファニーに手を差し出した。好奇心の塊である彼女達にとっては新しいお友達にしか見えてないみたいだ。
「ティファニー……です。よろしく、お願いします……」
 ティファニーが二人の手を取ると勢いよくグイっと引っ張られ、いきなりの事に驚いている。
「案内してあげる! 一緒に行こ!!」
 そう言ってあっという間に二人がお姫様を連れてすっ飛んで行ってしまった。
「すみません……」
「いえ、ティファには年の近いお友達なんていませんでしたから。いい刺激になると思います」
 ルシエはそう言いながら微笑んだ。アズハもたぶん気になってしょうがなかった二人をティファニーに会わせるために連れてきてくれたんだと思う。
「奥様も運動のしすぎはお体に障るでしょうし私達も移動しましょう」
「そうですね、では改めまして。これからよろしくお願いします」
「はい!」
 こうして俺達は新しい住人を迎えたのだった。ちなみにこの日一日で娘達三人はすっかり仲良くなりティファニーは高級で綺麗なドレスをズタボロにして帰ってきたのだった。
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