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第162話
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サンダービースト、猫科の動物のような姿をした巨大な獣で青白い稲妻を身に纏い高速で迫り物理と魔法を器用に使い獲物を狩る。
レオグン、とてつもない巨体を持つライオン。怪力と敏捷性を合わせ持つパワーファイター、火炎を操ることもできる。
ゴライアス、ゴリラに似た二足歩行の大型魔獣。怪力はもちろん知能も高く器用な戦いができる厄介な魔獣。
エルダーグリズリー、魔法は使えないが圧倒的な防御力とタフネスを持つ耐久力が桁外れの魔獣。
アクババ、持久力とパワーが桁外れに高くずる賢い知識を持つ鳥型魔獣。
ゴーレム、魔法により指定した素材から生成される魔法生物の一種。生成主のセンスでどんな姿にもなれる、そして素材によって性能が大幅に増減する。
魔獣使いは野生の魔獣をテイム使役し自身の力として使用できる。テイムには捕獲対象を弱らせるなど複数の条件があるのだがテイムさえできればとてつもない戦力となる。そして魔導生成師は得意分野にもよるがゴーレム以外にもスライムや属性精霊なども作り出すことができる。どちらも勇者としての補正で一般的な者より強力なものとなっている。
「リアル大怪獣バトルを目撃することになるとは……」
「でも一体を複数でフルボッコのリンチだろ? 速攻で終わるんじゃね?」
「まぁ今までもあれが出てきたら相手が泣いて逃げ回ってたしね」
「話してるのはいいですけど、魔力譲渡が終わった者から撤退してください」
「え~、こんな怪獣バトルもう見る機会ないでしょ? 映画じゃ絶対作れないぜ?」
「気持ちはわかりますが、あの化け物は格が違う気がします……油断してはダメなんだ」
「これ以上死んで欲しくない……」
「わかったよ……俺はもう魔力尽きたから先に帰るぜ」
「お願いします……」
にしてもあの大乱闘は現実味が無さすぎる……最初はこちらの魔獣達が有利だったけど、アイアンやロックゴーレムは話しについでの勢いで破壊されあっという間に全滅。残るはミスリルゴーレムと魔獣軍団のみ……
「グォォォォ!!」
レオグンが真っ先に飛び掛かり正面から受けてたったドレイクと取っ組み合い転げまわっていた。その後は雷獣が翻弄しながら雷で攻撃、熊とゴリラ、ゴーレムがドレイクを抑え込んで殴りつけピンチになるとアクババが牽制して仕切りなおすと上手い位に立ち回っている、このまま押し切れれば問題ない。
「俺も送ったほうがいいか?」
「いや、セイジは温存していてくれ。いざとなったらカラドヴォルフしか決め手がないんだから……」
「了解した」
流石にここまで好き放題されたら油断はしない。念には念を入れて対策しなければ絶対に後悔する、そういう敵だ。見てる範囲ではあるがレオグンは一対一でも互角に張り合えてる。雷獣はスピードで上回っているしパワーだけならゴーレムとゴライアスの方が上、そして熊がドレイクの攻撃を受け持つ、あの攻撃に耐えれるんだから流石のタフネスだ。
「ブチギレてるとはいえあれをコントロールしてるのはすごいよ。ドラゴンスレイヤーになれるかもね」
「ほらほらクソトカゲ! 頑張らないとテイムする前に死んじゃうよぉ!!!」
こわ……
「そのまま一気に畳みかけろ!!」
「ギシャアアァァァァァァ!!」
エイミが指示を出したその時だった。雷獣の咆哮が響き渡る……いや、これは苦しんでる悲鳴か? 鳴声に目を向けると雷獣の首にドレイクが噛みつきそのまま持ち上げていたのだった。
「サンダービースト!?」
そうだよ、あいつはあんなに鋭い牙、恐竜のような大顎をしてるのに今まで一切噛みついてこなかった……手加減していたという事? じゃあなんで今まで一方的にやられていた? いや考えている暇はない。
「エイミ!! 雷獣をしまって!! 急いで!!」
間に合わなかった……骨の砕ける鈍い音にブチブチと肉が引き裂かれ、悲鳴のような鳴声。そして雷獣の頭と胴体は分かたれドサりと地面に落ちて動かなくなった。
「サンダービーストっ!? ……ふざっけんじゃねぇ!!!」
「え、エイミ落ち着いて!!」
この瞬間流れが変わった……仲間の死に怒りを感じたのか魔獣達が一斉に襲い掛かる。しかしゴライアスとレオグンは前足でつき飛ばされ尻尾でアクババを叩き落しながらミスリルゴーレムを踏み台に体制を立て直す。
「なんだよあの動き……サーカスの曲芸動物でもあんな動きしねぇっての」
誰が見ても異常な動き、アクロバットというより曲芸という印象だった……しかしこっちも負けていない、熊が正面に回り攻撃を受け持ち体制を立てなお……
「は!? あの野郎どんだけ技を隠していやがる!!!」
熊が攻撃を受け持ち再び体制を立て直そうとした……しかしドレイクは正面の熊目掛けて頭を振り鼻先の鋭い一本角を腹部に突き立る。次の瞬間周囲に衝撃が走る、そしてエルダーグリズリーは腹部に大穴をあけて崩れ落ちた。
「牙に角、今まで使わなかった? それとも使えなかった?」
わからない、しかし流れは完全に変わった。これはもう……
「皆、撤退です!」
雷獣と熊が死亡、アクババはまだ動ず追加のゴーレムもまだ、残る戦力はミスリルゴーレム、レオグン、ゴライアスこの状態でどこまで行ける? まだ勝てる確率はゼロじゃない、しかしここは撤退が最善!
「まだ! あたしの子達は負けてない!!」
エイミの叫びに応えるようにレオグンとゴライアスが一斉にドレイクへと飛び掛かる。しかしそれに合わせるように奴は前足を軸に全身を使って威力を上げた尻尾の一撃でレオグンを叩き飛ばし着地と同時に正面からゴライアスの両腕と前足を使い取っ組み合いを始める。
「力試しならゴライアスの方が!!」
「エイミ、いけない! それはっ!?」
遅かった……あの至近距離は角の射程圏内、つまり……
「ゴライアス!?」
ゴライアスの胸部に角が突き刺さり次の瞬間胸部から頭部にかけて一瞬で砕け肉塊が飛び散った。しかしまだだ! ミスリルゴーレムが間髪入れずに攻め立てる!!
「ミスリル君、いけるか!?」
ミスリルゴーレムの右ストレートがドレイクを捕えた。
「え? ……あれって」
「クロス、カウンター? トカゲが? 嘘でしょ……」
信じられない、ゴーレムの拳をすり抜けドレイクの前足がゴーレムの頭部を捉えていた。
「流石ミスリル。かてぇ!」
魔獣と違いさすが最上級の素材、硬度はおりがみ付きだ。若干凹んでいるみたいだがまだいける! しかし攻撃は終わらない。前足による連打に尻尾の叩きつけ、角の一撃は使う気配ないがこっちに届くほどの衝撃の轟音が響き渡る。
「ダメっ壊れる!!」
ミカが叫んだ瞬間ミスリルゴーレムの体が限界を迎えて崩れ落ちた。
「アクババ!!」
戦線復帰したアクババがすぐに攻撃に迫るがドレイクは首の付け根に噛みつき勢いそのままに振り回し地面へと叩きつける。
「残るはレオグンだけ……」
エイミの魔獣で間違いなく最強のレオグン。実際一番あのドレイクと張り合えていた……
「あのトカゲ野郎、何する気だ……?」
ドレイクはレオグンを睨みつけると近くに転がっていたミスリルゴーレムの残骸を拾い上げた。あれは前足じゃなく腕なのか? というよりあの構えまさか……!?
「全員レオグンから離れて!! 後方は絶対にダメだ!!」
ハクアが叫んだ次の瞬間、ミスリルの塊をレオグン目掛けて投げつける……塊は真っ直ぐに飛んでレオグンを捉えその頭部を吹き飛ばした。衝撃の魔法で加速したのか? あれじゃまるで……
「あんなの戦艦の砲撃じゃねぇか……」
こっちの攻撃を学習した? いや、今はそんなことより……
「エイミ、全滅だ……ここはいったん退いて体制を」
「流石にここまで戦った。そうとう疲労してるわよね?」
「エイミまさか!?」
エイミはドレイクの正面に立ち右手を掲げる。
「我が名はエイミ! 貴様の主なり……魔獣拘束」
ドレイクの四肢と胴、首に魔法陣が形成された。奴は疲労してるのか動く気配はない。
「よし!」
「隷属せよ。テイム!!」
魔法陣が光収縮していくこのまま行けばあのドレイクを手に入れられる。犠牲はデカいがアイツが手に入ればおつりがくる! ナイスだエイミ!!
「……」
成功した?
「エイミ?」
(調子に乗るな、クソガキ……)
それが獣使の勇者エイミの最後に聞いた言葉だった。
「エイミィィィ!?」
次の瞬間エイミの顔半分、鼻から上がパンッ! と弾けその場に崩れ落ちる……誰もが何が起きたのか理解できなかった。
「いやぁぁああああ!?」
「おえぇぇぇぇ」
いきなりの出来事、友人の異常な死をもろに見てしまった皆はパニックを起こす者、吐いてしまう者も少なくない……
「撤退です! 急いで!!」
ドレイクがこちらに狙いを定めた。ヤバイ、このままじゃホントに全滅してしまう。
「皆……行こう……」
しかしドレイクは来なかった、巨大だアイアンゴーレムがドレイクを押さえ付けたのだ。
「ミカ!?」
「遅くなってごめん、できるだけ多くの素材を圧縮して作ったから多少は耐えれると思う……でも」
「わかってます!」
確かに今までのアイアンよりも大きく、所々赤黒くなっている。集められる鉄全てをこの一体に集中させたんだろうし時間がかかったのもうなずける。数を作っても一瞬で潰され追撃されるのがオチだろうし少しでも隙を作れるなら十分だと思うしかない……ここを逃したら全滅確定だ。
「撤退。動けない人に手を貸してあげてください! 急げ!!」
勇者と帝国軍は脱兎のごとく撤退する。こんな大敗北許されない、なにより意味が分からない事が多すぎる……最悪だ、最悪過ぎる。逃げる俺達を知ってか知らずかゴーレムを破壊したドレイクの咆哮が平原に響き渡る。まさに勝利の雄叫びというやつか……くそっ!! 許さない、絶対に復讐する……あの顔、あの瞳、二度と忘れないからな。
レオグン、とてつもない巨体を持つライオン。怪力と敏捷性を合わせ持つパワーファイター、火炎を操ることもできる。
ゴライアス、ゴリラに似た二足歩行の大型魔獣。怪力はもちろん知能も高く器用な戦いができる厄介な魔獣。
エルダーグリズリー、魔法は使えないが圧倒的な防御力とタフネスを持つ耐久力が桁外れの魔獣。
アクババ、持久力とパワーが桁外れに高くずる賢い知識を持つ鳥型魔獣。
ゴーレム、魔法により指定した素材から生成される魔法生物の一種。生成主のセンスでどんな姿にもなれる、そして素材によって性能が大幅に増減する。
魔獣使いは野生の魔獣をテイム使役し自身の力として使用できる。テイムには捕獲対象を弱らせるなど複数の条件があるのだがテイムさえできればとてつもない戦力となる。そして魔導生成師は得意分野にもよるがゴーレム以外にもスライムや属性精霊なども作り出すことができる。どちらも勇者としての補正で一般的な者より強力なものとなっている。
「リアル大怪獣バトルを目撃することになるとは……」
「でも一体を複数でフルボッコのリンチだろ? 速攻で終わるんじゃね?」
「まぁ今までもあれが出てきたら相手が泣いて逃げ回ってたしね」
「話してるのはいいですけど、魔力譲渡が終わった者から撤退してください」
「え~、こんな怪獣バトルもう見る機会ないでしょ? 映画じゃ絶対作れないぜ?」
「気持ちはわかりますが、あの化け物は格が違う気がします……油断してはダメなんだ」
「これ以上死んで欲しくない……」
「わかったよ……俺はもう魔力尽きたから先に帰るぜ」
「お願いします……」
にしてもあの大乱闘は現実味が無さすぎる……最初はこちらの魔獣達が有利だったけど、アイアンやロックゴーレムは話しについでの勢いで破壊されあっという間に全滅。残るはミスリルゴーレムと魔獣軍団のみ……
「グォォォォ!!」
レオグンが真っ先に飛び掛かり正面から受けてたったドレイクと取っ組み合い転げまわっていた。その後は雷獣が翻弄しながら雷で攻撃、熊とゴリラ、ゴーレムがドレイクを抑え込んで殴りつけピンチになるとアクババが牽制して仕切りなおすと上手い位に立ち回っている、このまま押し切れれば問題ない。
「俺も送ったほうがいいか?」
「いや、セイジは温存していてくれ。いざとなったらカラドヴォルフしか決め手がないんだから……」
「了解した」
流石にここまで好き放題されたら油断はしない。念には念を入れて対策しなければ絶対に後悔する、そういう敵だ。見てる範囲ではあるがレオグンは一対一でも互角に張り合えてる。雷獣はスピードで上回っているしパワーだけならゴーレムとゴライアスの方が上、そして熊がドレイクの攻撃を受け持つ、あの攻撃に耐えれるんだから流石のタフネスだ。
「ブチギレてるとはいえあれをコントロールしてるのはすごいよ。ドラゴンスレイヤーになれるかもね」
「ほらほらクソトカゲ! 頑張らないとテイムする前に死んじゃうよぉ!!!」
こわ……
「そのまま一気に畳みかけろ!!」
「ギシャアアァァァァァァ!!」
エイミが指示を出したその時だった。雷獣の咆哮が響き渡る……いや、これは苦しんでる悲鳴か? 鳴声に目を向けると雷獣の首にドレイクが噛みつきそのまま持ち上げていたのだった。
「サンダービースト!?」
そうだよ、あいつはあんなに鋭い牙、恐竜のような大顎をしてるのに今まで一切噛みついてこなかった……手加減していたという事? じゃあなんで今まで一方的にやられていた? いや考えている暇はない。
「エイミ!! 雷獣をしまって!! 急いで!!」
間に合わなかった……骨の砕ける鈍い音にブチブチと肉が引き裂かれ、悲鳴のような鳴声。そして雷獣の頭と胴体は分かたれドサりと地面に落ちて動かなくなった。
「サンダービーストっ!? ……ふざっけんじゃねぇ!!!」
「え、エイミ落ち着いて!!」
この瞬間流れが変わった……仲間の死に怒りを感じたのか魔獣達が一斉に襲い掛かる。しかしゴライアスとレオグンは前足でつき飛ばされ尻尾でアクババを叩き落しながらミスリルゴーレムを踏み台に体制を立て直す。
「なんだよあの動き……サーカスの曲芸動物でもあんな動きしねぇっての」
誰が見ても異常な動き、アクロバットというより曲芸という印象だった……しかしこっちも負けていない、熊が正面に回り攻撃を受け持ち体制を立てなお……
「は!? あの野郎どんだけ技を隠していやがる!!!」
熊が攻撃を受け持ち再び体制を立て直そうとした……しかしドレイクは正面の熊目掛けて頭を振り鼻先の鋭い一本角を腹部に突き立る。次の瞬間周囲に衝撃が走る、そしてエルダーグリズリーは腹部に大穴をあけて崩れ落ちた。
「牙に角、今まで使わなかった? それとも使えなかった?」
わからない、しかし流れは完全に変わった。これはもう……
「皆、撤退です!」
雷獣と熊が死亡、アクババはまだ動ず追加のゴーレムもまだ、残る戦力はミスリルゴーレム、レオグン、ゴライアスこの状態でどこまで行ける? まだ勝てる確率はゼロじゃない、しかしここは撤退が最善!
「まだ! あたしの子達は負けてない!!」
エイミの叫びに応えるようにレオグンとゴライアスが一斉にドレイクへと飛び掛かる。しかしそれに合わせるように奴は前足を軸に全身を使って威力を上げた尻尾の一撃でレオグンを叩き飛ばし着地と同時に正面からゴライアスの両腕と前足を使い取っ組み合いを始める。
「力試しならゴライアスの方が!!」
「エイミ、いけない! それはっ!?」
遅かった……あの至近距離は角の射程圏内、つまり……
「ゴライアス!?」
ゴライアスの胸部に角が突き刺さり次の瞬間胸部から頭部にかけて一瞬で砕け肉塊が飛び散った。しかしまだだ! ミスリルゴーレムが間髪入れずに攻め立てる!!
「ミスリル君、いけるか!?」
ミスリルゴーレムの右ストレートがドレイクを捕えた。
「え? ……あれって」
「クロス、カウンター? トカゲが? 嘘でしょ……」
信じられない、ゴーレムの拳をすり抜けドレイクの前足がゴーレムの頭部を捉えていた。
「流石ミスリル。かてぇ!」
魔獣と違いさすが最上級の素材、硬度はおりがみ付きだ。若干凹んでいるみたいだがまだいける! しかし攻撃は終わらない。前足による連打に尻尾の叩きつけ、角の一撃は使う気配ないがこっちに届くほどの衝撃の轟音が響き渡る。
「ダメっ壊れる!!」
ミカが叫んだ瞬間ミスリルゴーレムの体が限界を迎えて崩れ落ちた。
「アクババ!!」
戦線復帰したアクババがすぐに攻撃に迫るがドレイクは首の付け根に噛みつき勢いそのままに振り回し地面へと叩きつける。
「残るはレオグンだけ……」
エイミの魔獣で間違いなく最強のレオグン。実際一番あのドレイクと張り合えていた……
「あのトカゲ野郎、何する気だ……?」
ドレイクはレオグンを睨みつけると近くに転がっていたミスリルゴーレムの残骸を拾い上げた。あれは前足じゃなく腕なのか? というよりあの構えまさか……!?
「全員レオグンから離れて!! 後方は絶対にダメだ!!」
ハクアが叫んだ次の瞬間、ミスリルの塊をレオグン目掛けて投げつける……塊は真っ直ぐに飛んでレオグンを捉えその頭部を吹き飛ばした。衝撃の魔法で加速したのか? あれじゃまるで……
「あんなの戦艦の砲撃じゃねぇか……」
こっちの攻撃を学習した? いや、今はそんなことより……
「エイミ、全滅だ……ここはいったん退いて体制を」
「流石にここまで戦った。そうとう疲労してるわよね?」
「エイミまさか!?」
エイミはドレイクの正面に立ち右手を掲げる。
「我が名はエイミ! 貴様の主なり……魔獣拘束」
ドレイクの四肢と胴、首に魔法陣が形成された。奴は疲労してるのか動く気配はない。
「よし!」
「隷属せよ。テイム!!」
魔法陣が光収縮していくこのまま行けばあのドレイクを手に入れられる。犠牲はデカいがアイツが手に入ればおつりがくる! ナイスだエイミ!!
「……」
成功した?
「エイミ?」
(調子に乗るな、クソガキ……)
それが獣使の勇者エイミの最後に聞いた言葉だった。
「エイミィィィ!?」
次の瞬間エイミの顔半分、鼻から上がパンッ! と弾けその場に崩れ落ちる……誰もが何が起きたのか理解できなかった。
「いやぁぁああああ!?」
「おえぇぇぇぇ」
いきなりの出来事、友人の異常な死をもろに見てしまった皆はパニックを起こす者、吐いてしまう者も少なくない……
「撤退です! 急いで!!」
ドレイクがこちらに狙いを定めた。ヤバイ、このままじゃホントに全滅してしまう。
「皆……行こう……」
しかしドレイクは来なかった、巨大だアイアンゴーレムがドレイクを押さえ付けたのだ。
「ミカ!?」
「遅くなってごめん、できるだけ多くの素材を圧縮して作ったから多少は耐えれると思う……でも」
「わかってます!」
確かに今までのアイアンよりも大きく、所々赤黒くなっている。集められる鉄全てをこの一体に集中させたんだろうし時間がかかったのもうなずける。数を作っても一瞬で潰され追撃されるのがオチだろうし少しでも隙を作れるなら十分だと思うしかない……ここを逃したら全滅確定だ。
「撤退。動けない人に手を貸してあげてください! 急げ!!」
勇者と帝国軍は脱兎のごとく撤退する。こんな大敗北許されない、なにより意味が分からない事が多すぎる……最悪だ、最悪過ぎる。逃げる俺達を知ってか知らずかゴーレムを破壊したドレイクの咆哮が平原に響き渡る。まさに勝利の雄叫びというやつか……くそっ!! 許さない、絶対に復讐する……あの顔、あの瞳、二度と忘れないからな。
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